第⑭話
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
閣下が補佐官と共に帰って来ると軍人達は敬礼しながら出迎える。
階級によって並ぶ位置が異なるのでこの時ばかりはロイは1人になる。
「閣下、お帰りなさいませ。
お疲れの所、申し訳ありませんが…
ご報告がございます」
「よかろう。
皆で来るとよい。
マスタング将軍、例のものは?」
「ご用意が出来ております」
「それでは君も来なさい」
「はっ!」
中尉に手渡されてロイは頷いて数歩だけ離れて歩き出す。
閣下のご機嫌取りで媚びる上官達に内心はうんざりする。
「マスタング将軍、君も面白い話題はないのかね?」
「…特にはございませんが」
「つまらん男だ」
「申し訳ありません、私はお喋りではないので。
必要最低限の会話しかございません」
「お喋りな男よりはいいな」
「閣下!」
「その通りでございます」
いつの間にか閣下の補佐官が隣に並んでいてロイは見つめる。
「どうしてあやつらは気づかないんだろうな、自分達のことだと」
「…気づくような方ならあれほど分かりやすいことはしませんよ」
「君は何故、やらない」
「先程も言った通りです。
閣下に話せるような話題はありませんから」
(…隙を見せないな。
若くして将軍になるだけあるということか)
閣下の補佐官の視線にも耐えてロイは表情に出ない。
閣下の補佐官がクナイを取り出してロイの喉に当ててもロイは表情を崩さず、書類から手も離さない。
「…お遊びならそれくらいにして頂けますか?」
「本気だと言ったら?」
「やめんか。
回りをよく見てみろ。
おまえの負けだ」
中尉を始め、マスタング隊が自分を狙っていたと気づいた。
「なるほどな。
閣下に呼ばれていないが?」
「私は呼ばれましたが、部下がついて来るなという命令はありませんでした」
「おまえがクナイで喉を刺すよりも先に手を撃たれるだろうな」
補佐官がクナイを懐に入れても中尉達は銃を下ろす気配はない。
ロイが片手を上げて合図すると中尉達は銃を下ろす。
「教育はされているということか。
だが、これなら…」
ロイを掴むより先に鋭い刃が補佐官を襲った。
『次は本気で当てます。
手の掠り傷では済みませんよ。
それとも、私の存在をお忘れですか?』
「姿が見えないと思ったら。
分かった、降参だ」
『謝りませんよ』
「補佐官がすまなかったな」
「いえ…」
「新しい者が入ると経験値を測るんだ
」
「それも閣下の為です」
どこまで本気なのか侮れないなとロイは補佐官を見つめる。
2016.12.11
階級によって並ぶ位置が異なるのでこの時ばかりはロイは1人になる。
「閣下、お帰りなさいませ。
お疲れの所、申し訳ありませんが…
ご報告がございます」
「よかろう。
皆で来るとよい。
マスタング将軍、例のものは?」
「ご用意が出来ております」
「それでは君も来なさい」
「はっ!」
中尉に手渡されてロイは頷いて数歩だけ離れて歩き出す。
閣下のご機嫌取りで媚びる上官達に内心はうんざりする。
「マスタング将軍、君も面白い話題はないのかね?」
「…特にはございませんが」
「つまらん男だ」
「申し訳ありません、私はお喋りではないので。
必要最低限の会話しかございません」
「お喋りな男よりはいいな」
「閣下!」
「その通りでございます」
いつの間にか閣下の補佐官が隣に並んでいてロイは見つめる。
「どうしてあやつらは気づかないんだろうな、自分達のことだと」
「…気づくような方ならあれほど分かりやすいことはしませんよ」
「君は何故、やらない」
「先程も言った通りです。
閣下に話せるような話題はありませんから」
(…隙を見せないな。
若くして将軍になるだけあるということか)
閣下の補佐官の視線にも耐えてロイは表情に出ない。
閣下の補佐官がクナイを取り出してロイの喉に当ててもロイは表情を崩さず、書類から手も離さない。
「…お遊びならそれくらいにして頂けますか?」
「本気だと言ったら?」
「やめんか。
回りをよく見てみろ。
おまえの負けだ」
中尉を始め、マスタング隊が自分を狙っていたと気づいた。
「なるほどな。
閣下に呼ばれていないが?」
「私は呼ばれましたが、部下がついて来るなという命令はありませんでした」
「おまえがクナイで喉を刺すよりも先に手を撃たれるだろうな」
補佐官がクナイを懐に入れても中尉達は銃を下ろす気配はない。
ロイが片手を上げて合図すると中尉達は銃を下ろす。
「教育はされているということか。
だが、これなら…」
ロイを掴むより先に鋭い刃が補佐官を襲った。
『次は本気で当てます。
手の掠り傷では済みませんよ。
それとも、私の存在をお忘れですか?』
「姿が見えないと思ったら。
分かった、降参だ」
『謝りませんよ』
「補佐官がすまなかったな」
「いえ…」
「新しい者が入ると経験値を測るんだ
」
「それも閣下の為です」
どこまで本気なのか侮れないなとロイは補佐官を見つめる。
2016.12.11