第⑭話
夢小説設定
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判断は閣下に任せて頼まれたことをするだけだ。
「マスタング将軍、いるか?」
(わざわざ来たのか。
相手するのは面倒だな)
仕方ないとロイは返事をして中尉に頷いた。
「こちらにどうぞ。
わざわざ、どうなされたのですか?」
「いや…私達が留守の間に司令部が襲われたと聞いてね」
「人手不足ではあるし、さすがの英雄と言われてる君でも無理だったか」
(このおっさん等!
逃げ出したくせにさも自分達がいないことにして将軍に責任を押し付けようとしてんのかよ)
(どんだけ腐ってるのかしら)
怒りで睨み付けるハボックをブレダが押さえる。
「そのくらいにしようではないか。
まだ帰って来てから日は浅い。
東方司令部で腕が鈍っているのだろうな」
(どれだけ将軍が事件解決したんだと思ってんだよ。
ふざけんな!)
ハボックがブレダの腕を振り払い、歩き出そうとした瞬間にロイが腕を掴んだ。
「やめんか、ハボック。
大丈夫だから」
「ふん…部下の躾も出来てないとは」
「私は躾などしておりません。
1人の人間として部下と向き合っております」
「将軍…」
「閣下が帰って来たら覚悟しておくんだな!」
上官達が執務室から出て行くとロイはため息をつく。
「ハボック、挑発に乗るな」
「申し訳ありません。
将軍にも謝らせて」
「ハボック少尉、何を言われても表情には出さないでちょうだい」
「…はい」
中尉に叱られてハボックはしゅんと俯いた。
ロイは苦笑いして中尉の肩を軽く叩いた。
「中尉、それくらいに。
ハボックらしいではないか」
「将軍…
申し訳ありませんでした」
「気にするな。
上官達は私が閣下に連絡したと思ってないのさ」
「だから、急いで報告を?」
「そういうことだよ。
自分達が逃げ出したことを隠す為に責任を押しつけるなんて想定内だ」
「将軍はあんなことを言われて苛立ったりしないんですか?」
「…もう慣れた。
いちいち苛立ってたら身が保たん。
聞き流して忘れることだ」
「忘れられるんですか?」
「それも慣れだな」
(どれだけ言われ続けて来たのだろうな)
ハボックは切なくなって我慢が出来ない自分が悔しくて唇を噛み締めた。
「権力争いは結局は足の引っ張り合いなのさ。
ハボックも上を目指すなら覚悟を決めるんだな。
無理して来ようとせんでいい。
君には君のやり方も人生もあるんだからな」
「そんなこと…」
「今すぐ決断しなくていい。
決意したとこで出世が出来るとは限らんからな」
戸惑っているハボックにロイは無理強いはしない。
『おはようございます。
申し訳ありません、寝てました』
「聞いてたか?」
『飛び出して行こうかとも思いましたが。
うまくいきましたよ』
「大佐に言われて録音しました」
『何かあった時に使えるかなって』
「ぶはっ!
君って本当に素敵だな」
「将軍の悪影響とも言えますよ」
ロイは苦笑いして中尉の苦言は無視することにした。
「マスタング将軍、いるか?」
(わざわざ来たのか。
相手するのは面倒だな)
仕方ないとロイは返事をして中尉に頷いた。
「こちらにどうぞ。
わざわざ、どうなされたのですか?」
「いや…私達が留守の間に司令部が襲われたと聞いてね」
「人手不足ではあるし、さすがの英雄と言われてる君でも無理だったか」
(このおっさん等!
逃げ出したくせにさも自分達がいないことにして将軍に責任を押し付けようとしてんのかよ)
(どんだけ腐ってるのかしら)
怒りで睨み付けるハボックをブレダが押さえる。
「そのくらいにしようではないか。
まだ帰って来てから日は浅い。
東方司令部で腕が鈍っているのだろうな」
(どれだけ将軍が事件解決したんだと思ってんだよ。
ふざけんな!)
ハボックがブレダの腕を振り払い、歩き出そうとした瞬間にロイが腕を掴んだ。
「やめんか、ハボック。
大丈夫だから」
「ふん…部下の躾も出来てないとは」
「私は躾などしておりません。
1人の人間として部下と向き合っております」
「将軍…」
「閣下が帰って来たら覚悟しておくんだな!」
上官達が執務室から出て行くとロイはため息をつく。
「ハボック、挑発に乗るな」
「申し訳ありません。
将軍にも謝らせて」
「ハボック少尉、何を言われても表情には出さないでちょうだい」
「…はい」
中尉に叱られてハボックはしゅんと俯いた。
ロイは苦笑いして中尉の肩を軽く叩いた。
「中尉、それくらいに。
ハボックらしいではないか」
「将軍…
申し訳ありませんでした」
「気にするな。
上官達は私が閣下に連絡したと思ってないのさ」
「だから、急いで報告を?」
「そういうことだよ。
自分達が逃げ出したことを隠す為に責任を押しつけるなんて想定内だ」
「将軍はあんなことを言われて苛立ったりしないんですか?」
「…もう慣れた。
いちいち苛立ってたら身が保たん。
聞き流して忘れることだ」
「忘れられるんですか?」
「それも慣れだな」
(どれだけ言われ続けて来たのだろうな)
ハボックは切なくなって我慢が出来ない自分が悔しくて唇を噛み締めた。
「権力争いは結局は足の引っ張り合いなのさ。
ハボックも上を目指すなら覚悟を決めるんだな。
無理して来ようとせんでいい。
君には君のやり方も人生もあるんだからな」
「そんなこと…」
「今すぐ決断しなくていい。
決意したとこで出世が出来るとは限らんからな」
戸惑っているハボックにロイは無理強いはしない。
『おはようございます。
申し訳ありません、寝てました』
「聞いてたか?」
『飛び出して行こうかとも思いましたが。
うまくいきましたよ』
「大佐に言われて録音しました」
『何かあった時に使えるかなって』
「ぶはっ!
君って本当に素敵だな」
「将軍の悪影響とも言えますよ」
ロイは苦笑いして中尉の苦言は無視することにした。