第⑭話
夢小説設定
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中尉と共に視察に行っていたロイはコートを着ていて、セルシアは寒いからと軍服の上にカーディガンを羽織っていた。
『マスタング将軍、頼まれていた資料はまとめておきました。
確認をお願いします。
多分、あれで大丈夫かと思います』
「ありがとう」
「資料?」
「研究書だよ。
錬金術ではないのだが、私よりもセルシアの方が詳しいから」
『私は解析は苦手だからそこからはマスタング将軍が…』
「説明されても錬金術同様に分かりません」
「錬金術に似てるから私に依頼が来たんだよ」
セルシアが居なければ、あれを1人でやらされたのかと想像すると恐ろしいとロイは苦笑い。
「大佐!
中央勤務になってんなら言えよ!」
「君が連絡を寄越さないのだろう?
それで、報告書は?
とりあえずは執務室に行こうか」
「寒いんだけど」
「…君は煩いな。
少しは静かに出来んのか?
珈琲くらいは出してやるから。
中尉、珈琲を頼む」
「はい」
昇進したことをまだ知らないんだなと思いながらもあえて言わない。
「ふむ…、相変わらず大暴れしたようだな。
どうやったら半壊に出来るんだ?
考えて行動しなさい」
「俺せいのせいじゃねぇよ!」
「君が滅茶苦茶に暴れるからだろう?
」
「そ、それは…」
「たまには言葉で解決しなさい」
報告書を確認しながらいつもの説教が始まる。
エドは不満顔で言い訳しながらも事実なので言い返せない。
「はい、エドワードくん」
「ありがとう」
「不足な部分もある。
大雑把にするなといつも言っているだろう?」
「…それくらいオマケしてくれてもいいじゃん」
「オマケって私は雑貨屋の店主か。
旅に行かせてやってるんだ。
報告書くらいきちんと書きなさい」
「分かってるよ。
これからも大佐でいいのか?」
「何がだね?」
エドに訂正を言い渡してロイは報告書を返す。
「だから、報告書!」
「君は私預りだし。
あのことを知られたくはないだろう?」
「そ、それは…」
「事情を知っているし、アームストロング少佐がいいのなら」
「マスタング大佐でお願いします!
くそ…っ」
「くくっ、素直でよろしい」
相変わらずのようにロイにからかわれていた。
「おっ、声がすると思ったら」
「ヒューズ中佐!」
「お久しぶりです!」
「元気そうだな」
「…連れて行っていいぞ」
「あれ、大佐が珍しい」
「私は君と違って忙しいんだ」
「はぁ?」
(…将軍になったことを言ってないのか)
放っておくかと思いながらヒューズは苦笑い。
『…ロイさん』
「ん?」
『この計算式だけしてください』
「計算、苦手じゃないだろ?」
『この計算式だけは苦手なんです』
(だから、名前で呼んだのか)
甘えるように半泣きで腰に抱きついて来るセルシアにロイは苦笑い。
セルシアの頭を撫でて書類を受け取った。
「苦手って意外ですね」
『これだけはどうしても苦手なの』
「ほら、出来たぞ」
「早っ!」
「そうか?
計算は得意な方だからな」
「意外と計算とかあるんだ」
「いや、軍の部署によるぞ。
全然必要ないとこもあるからな」
「ふぅん…」
「最近は計算類が多いが、基本的には報告書が多いぞ。
君のような大雑把な報告書は稀だ」
「そう言われてもほかの人の見たことねぇし」
「…見せたことなかったか?」
「見本で簡単な報告書ならあるけどな」
ロイはエドを凝視して一瞬固まり、エドが首を傾げる。
「エド…
それは言えよ」
「あ~、それは悪かった。
報告書あるか?」
「提出しましたので」
「私の報告書でいいか。
まだ途中ではあるけどな」
「こんな時間まで書くの?
細かい、面倒なものなんだな」
「それが報告書だ。
私のもそこまで細かくないし」
「いえ、ほかの方よりも細かくて分かりやすいですよ。
忙しくなると脱字や不足な部分も出て来ますが」
「ははっ!
だそうだよ、鋼の」
「これは何の報告書?」
「事故の報告書。
だからこそ、詳しく書かねばならんのだよ。
君が何をしていたのか、報告書は君を守る道具にもなるんだ」
「俺を守る?」
「君がきちんと旅をしていた正当な理由になるんだ。
分かったらきちんと報告書を書きなさい。
必要ならヒューズも貸してやる」
「何で俺なんだよ」
「教えるのは得意だろ」
からかいながらもロイはエドに対して世話を焼いていた。
『マスタング将軍、頼まれていた資料はまとめておきました。
確認をお願いします。
多分、あれで大丈夫かと思います』
「ありがとう」
「資料?」
「研究書だよ。
錬金術ではないのだが、私よりもセルシアの方が詳しいから」
『私は解析は苦手だからそこからはマスタング将軍が…』
「説明されても錬金術同様に分かりません」
「錬金術に似てるから私に依頼が来たんだよ」
セルシアが居なければ、あれを1人でやらされたのかと想像すると恐ろしいとロイは苦笑い。
「大佐!
中央勤務になってんなら言えよ!」
「君が連絡を寄越さないのだろう?
それで、報告書は?
とりあえずは執務室に行こうか」
「寒いんだけど」
「…君は煩いな。
少しは静かに出来んのか?
珈琲くらいは出してやるから。
中尉、珈琲を頼む」
「はい」
昇進したことをまだ知らないんだなと思いながらもあえて言わない。
「ふむ…、相変わらず大暴れしたようだな。
どうやったら半壊に出来るんだ?
考えて行動しなさい」
「俺せいのせいじゃねぇよ!」
「君が滅茶苦茶に暴れるからだろう?
」
「そ、それは…」
「たまには言葉で解決しなさい」
報告書を確認しながらいつもの説教が始まる。
エドは不満顔で言い訳しながらも事実なので言い返せない。
「はい、エドワードくん」
「ありがとう」
「不足な部分もある。
大雑把にするなといつも言っているだろう?」
「…それくらいオマケしてくれてもいいじゃん」
「オマケって私は雑貨屋の店主か。
旅に行かせてやってるんだ。
報告書くらいきちんと書きなさい」
「分かってるよ。
これからも大佐でいいのか?」
「何がだね?」
エドに訂正を言い渡してロイは報告書を返す。
「だから、報告書!」
「君は私預りだし。
あのことを知られたくはないだろう?」
「そ、それは…」
「事情を知っているし、アームストロング少佐がいいのなら」
「マスタング大佐でお願いします!
くそ…っ」
「くくっ、素直でよろしい」
相変わらずのようにロイにからかわれていた。
「おっ、声がすると思ったら」
「ヒューズ中佐!」
「お久しぶりです!」
「元気そうだな」
「…連れて行っていいぞ」
「あれ、大佐が珍しい」
「私は君と違って忙しいんだ」
「はぁ?」
(…将軍になったことを言ってないのか)
放っておくかと思いながらヒューズは苦笑い。
『…ロイさん』
「ん?」
『この計算式だけしてください』
「計算、苦手じゃないだろ?」
『この計算式だけは苦手なんです』
(だから、名前で呼んだのか)
甘えるように半泣きで腰に抱きついて来るセルシアにロイは苦笑い。
セルシアの頭を撫でて書類を受け取った。
「苦手って意外ですね」
『これだけはどうしても苦手なの』
「ほら、出来たぞ」
「早っ!」
「そうか?
計算は得意な方だからな」
「意外と計算とかあるんだ」
「いや、軍の部署によるぞ。
全然必要ないとこもあるからな」
「ふぅん…」
「最近は計算類が多いが、基本的には報告書が多いぞ。
君のような大雑把な報告書は稀だ」
「そう言われてもほかの人の見たことねぇし」
「…見せたことなかったか?」
「見本で簡単な報告書ならあるけどな」
ロイはエドを凝視して一瞬固まり、エドが首を傾げる。
「エド…
それは言えよ」
「あ~、それは悪かった。
報告書あるか?」
「提出しましたので」
「私の報告書でいいか。
まだ途中ではあるけどな」
「こんな時間まで書くの?
細かい、面倒なものなんだな」
「それが報告書だ。
私のもそこまで細かくないし」
「いえ、ほかの方よりも細かくて分かりやすいですよ。
忙しくなると脱字や不足な部分も出て来ますが」
「ははっ!
だそうだよ、鋼の」
「これは何の報告書?」
「事故の報告書。
だからこそ、詳しく書かねばならんのだよ。
君が何をしていたのか、報告書は君を守る道具にもなるんだ」
「俺を守る?」
「君がきちんと旅をしていた正当な理由になるんだ。
分かったらきちんと報告書を書きなさい。
必要ならヒューズも貸してやる」
「何で俺なんだよ」
「教えるのは得意だろ」
からかいながらもロイはエドに対して世話を焼いていた。