第⑬話
夢小説設定
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バカ正直な自分と違って将軍も大佐も凄いなとハボックは執務室から出て煙草を吸いながら思う。
「あぁ、君か。
体力だけが取り柄の計算も出来ないマスタング将軍のお荷物は」
「なっ、ん…」
「そんなに笑っては可哀想ですよ。
力仕事しか出来ないんですから」
笑われてバカにされてそれでもロイの為に耐えるしかない。
『私の部下に何か用事ですか?』
「リーゼル大佐!」
「…私の部下だと?」
『マスタング将軍がいない時は私が預かっております。
私の大切な部下の1人です。
バカにしないでください』
「ふん…」
『お待ち下さい。
撤回してください』
「私は上官だぞ」
『それが何か?
間違った発言は撤回して頂きます。
それとも、軍会議で発言させてもらった方がよろしいですか?』
セルシアは腰に手を当てながら凛として立ち向かっていた。
そこには泣き虫には見えない強気な女性上官の姿があった。
「すまなかった。
これでいいだろ!
おい、行くぞ」
「はっ!」
苛立って去って行く上官を横目にハボックは頭を下げる。
「ありがとうございました」
『…びびった。
もう強面過ぎるよ』
(いつものリーゼル大佐だ)
安心してハボックは思わず、笑顔が浮かんだ。
ハボックの笑顔を見て大丈夫そうだと安堵する。
「お見事。
危なそうなら駆けつける予定だったが、余裕だったな」
「将軍!」
「気にするな。
気にして自分の時間を使う程、無駄なものはない」
「自分の時間?」
「そう、考えるのも食べるのも睡眠も自分の時間だ。
同じ時間なら自分の好きなことをしていた方が充実するだろ」
「…はい」
「ハボック、笑ってろ。
奴等が悔しいのは落ち込まず、明るい笑顔のおまえの姿だ。
少しでも悔しいなら笑っておけ」
「はいっ!」
ハボックは笑顔で大きく頷くと敬礼する。
『最近、怒ってばかりなような。
言い合ってるというべき?
中央司令部ってこんなに嫌な人が多かったかな。
まぁ、昔も多かったけど』
「私といるからな」
『それだけではないかと。
執拗な嫌味もあるし、傷つくよりも哀れになりますよ。
そういうことでしか表現が出来ないんですから』
「くくっ、なるほどな」
セルシアらしい考え方だとロイは笑った。
「…凄いっスね」
『強くならなければ、ここでは生きていけないから』
「ストレス溜まりません?」
『泣いて泣きまくってロイさんに愚痴ってます』
「…そっちなんですか」
『傷つくし、苛立つし、悔しいのも人間だからあるよ。
それとうまく付き合うの』
ふわりと微笑んでセルシアは手招きするロイの腕に抱きつく。
-END-
2016.12.9
「あぁ、君か。
体力だけが取り柄の計算も出来ないマスタング将軍のお荷物は」
「なっ、ん…」
「そんなに笑っては可哀想ですよ。
力仕事しか出来ないんですから」
笑われてバカにされてそれでもロイの為に耐えるしかない。
『私の部下に何か用事ですか?』
「リーゼル大佐!」
「…私の部下だと?」
『マスタング将軍がいない時は私が預かっております。
私の大切な部下の1人です。
バカにしないでください』
「ふん…」
『お待ち下さい。
撤回してください』
「私は上官だぞ」
『それが何か?
間違った発言は撤回して頂きます。
それとも、軍会議で発言させてもらった方がよろしいですか?』
セルシアは腰に手を当てながら凛として立ち向かっていた。
そこには泣き虫には見えない強気な女性上官の姿があった。
「すまなかった。
これでいいだろ!
おい、行くぞ」
「はっ!」
苛立って去って行く上官を横目にハボックは頭を下げる。
「ありがとうございました」
『…びびった。
もう強面過ぎるよ』
(いつものリーゼル大佐だ)
安心してハボックは思わず、笑顔が浮かんだ。
ハボックの笑顔を見て大丈夫そうだと安堵する。
「お見事。
危なそうなら駆けつける予定だったが、余裕だったな」
「将軍!」
「気にするな。
気にして自分の時間を使う程、無駄なものはない」
「自分の時間?」
「そう、考えるのも食べるのも睡眠も自分の時間だ。
同じ時間なら自分の好きなことをしていた方が充実するだろ」
「…はい」
「ハボック、笑ってろ。
奴等が悔しいのは落ち込まず、明るい笑顔のおまえの姿だ。
少しでも悔しいなら笑っておけ」
「はいっ!」
ハボックは笑顔で大きく頷くと敬礼する。
『最近、怒ってばかりなような。
言い合ってるというべき?
中央司令部ってこんなに嫌な人が多かったかな。
まぁ、昔も多かったけど』
「私といるからな」
『それだけではないかと。
執拗な嫌味もあるし、傷つくよりも哀れになりますよ。
そういうことでしか表現が出来ないんですから』
「くくっ、なるほどな」
セルシアらしい考え方だとロイは笑った。
「…凄いっスね」
『強くならなければ、ここでは生きていけないから』
「ストレス溜まりません?」
『泣いて泣きまくってロイさんに愚痴ってます』
「…そっちなんですか」
『傷つくし、苛立つし、悔しいのも人間だからあるよ。
それとうまく付き合うの』
ふわりと微笑んでセルシアは手招きするロイの腕に抱きつく。
-END-
2016.12.9