第⑬話
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
悪目立ちしてしまったなとロイは苦笑い。
「その話はともかくさ、倒れる前に1人で抱えないで頼れよ。
部下に頼れなくてどうすんだ。
言いにくいなら俺にでも言え」
「すまない…」
「どうして誰にも言わなかった?
上官に何か言われたか?」
「そうだな。
たった一言なのに重かったよ」
ロイはため息をついて両腕で顔を隠した。
(分かってる、脅し言葉で嘘だと。
それでも私のせいで部下達が苦労するのは辛い。
分かっていたはずなのに想像以上だ。
守りたいんだ。
欠けさせる訳にはいかない)
勢いよくお腹に飛び乗るセルシアにロイは咳き込む。
「…っぐ。
ゴホッ…ゴホッ…」
「ちょっ、リーゼル大佐!」
「ロイ、無事か?」
「…何とか。
君はいきなりなん…っ」
強引に唇にキスされてロイは思わず、瞬きする。
『脅し文句に屈しないでください。
貴方の部下はそんなに守らないといけないほど、弱いんですか?
離れたら終わりですか!?』
「セルシア…」
『違うでしょ?
離されたとしても繋がってます。
それに、私はずっと貴方の側に居ます』
「ふっはは!
確かにそうだな。
くくっ、君には参ったよ」
笑いながら座り直してロイはセルシアを抱き締める。
セルシアは戸惑いながらロイを見つめた。
「確かに私が間違ってた。
自ら弱さを見せてたかもしれん。
間違っていたら引き止めろとは言っていたが、こんな止め方されるとは」
『吹き飛ばしたり、叩いたりしてロイさんを傷つける止め方はしたくなかったから』
「まったく、君は…」
『いつまで笑ってるんですか』
「すまん、つい」
どうやら笑いのツボに入ったらしく、ロイは肩を震わせて笑っていた。
「それだけ笑えるなら大丈夫そうだな。
顔色はまだ悪いけど」
「…そうか?」
「将軍は自分で見えませんし。
日焼けしてないから尚更かもしれませんね」
『熱もあるからね』
「は、はい‼?
熱ある人に飛び乗ったんですか!?」
「ふははっ!
本当に凄いよな」
「将軍も笑い事では。
大丈夫なんですか?」
「久々の熱だな。
まだ少しフラつく」
「それなら寝ろって」
「分かってるよ」
「スケジュール変更もありましたし、調整もするから明日も休んでいいそうですよ」
「スケジュール変更と調整?」
「はい、閣下の補佐官からそう伝えられました。
不思議だったのですが、ヒューズ中佐の話を聞いて納得です」
「…了解」
「軍医に言われて閣下も動かざる得なくなったんだな」
ロイはため息をつくとベットに寝転んで枕に顔を埋めた。
中尉からお見舞いの果物を受け取り、セルシアは見送る。
「じゃあ、ロイを頼むわ。
なんかあったら夜中でも連絡してくれていいから」
『ありがとうございます』
「ちなみにプレゼント」
『写真?』
ヒューズに裏面で渡された写真を返した。
「ロイの士官学校時代の写真。
自宅で本を整理してたら出て来たんだよ」
士官学校時代の若い頃のヒューズに肩を抱かれてヒューズは満面の笑みだが、幼さが残っているロイは不満顔で嫌々な雰囲気が写真から伝わる。
『わぁっ…
若い頃のロイさんだ!』
「将軍、すっごく嫌そうな顔」
「ヒューズ中佐も将軍も若いですね」
嬉しそうなセルシアにヒューズは楽しそうに笑う。
「リーゼル大佐、将軍にバレたら没収されちゃいますよ。
どっかに隠さないと」
『そうかもね。
今度、アルバム見せてくださいね。
ロイさんもあったんですけど』
「少なかったんだろ。
強引に撮っても受け取らなかったし、そのアルバムは俺が渡したやつだろうからな。
今度、家に来た時に見せてやるよ」
『はい!』
「錬金術の難しい本ばかり読んでて自ら交流もしてなかったし、ロイに絡んで行くのは俺くらいだったな」
本を読んでいるのに邪魔するから毎回のように口喧嘩にはなっていたが、今はそれさえも青春の思い出。
「その話はともかくさ、倒れる前に1人で抱えないで頼れよ。
部下に頼れなくてどうすんだ。
言いにくいなら俺にでも言え」
「すまない…」
「どうして誰にも言わなかった?
上官に何か言われたか?」
「そうだな。
たった一言なのに重かったよ」
ロイはため息をついて両腕で顔を隠した。
(分かってる、脅し言葉で嘘だと。
それでも私のせいで部下達が苦労するのは辛い。
分かっていたはずなのに想像以上だ。
守りたいんだ。
欠けさせる訳にはいかない)
勢いよくお腹に飛び乗るセルシアにロイは咳き込む。
「…っぐ。
ゴホッ…ゴホッ…」
「ちょっ、リーゼル大佐!」
「ロイ、無事か?」
「…何とか。
君はいきなりなん…っ」
強引に唇にキスされてロイは思わず、瞬きする。
『脅し文句に屈しないでください。
貴方の部下はそんなに守らないといけないほど、弱いんですか?
離れたら終わりですか!?』
「セルシア…」
『違うでしょ?
離されたとしても繋がってます。
それに、私はずっと貴方の側に居ます』
「ふっはは!
確かにそうだな。
くくっ、君には参ったよ」
笑いながら座り直してロイはセルシアを抱き締める。
セルシアは戸惑いながらロイを見つめた。
「確かに私が間違ってた。
自ら弱さを見せてたかもしれん。
間違っていたら引き止めろとは言っていたが、こんな止め方されるとは」
『吹き飛ばしたり、叩いたりしてロイさんを傷つける止め方はしたくなかったから』
「まったく、君は…」
『いつまで笑ってるんですか』
「すまん、つい」
どうやら笑いのツボに入ったらしく、ロイは肩を震わせて笑っていた。
「それだけ笑えるなら大丈夫そうだな。
顔色はまだ悪いけど」
「…そうか?」
「将軍は自分で見えませんし。
日焼けしてないから尚更かもしれませんね」
『熱もあるからね』
「は、はい‼?
熱ある人に飛び乗ったんですか!?」
「ふははっ!
本当に凄いよな」
「将軍も笑い事では。
大丈夫なんですか?」
「久々の熱だな。
まだ少しフラつく」
「それなら寝ろって」
「分かってるよ」
「スケジュール変更もありましたし、調整もするから明日も休んでいいそうですよ」
「スケジュール変更と調整?」
「はい、閣下の補佐官からそう伝えられました。
不思議だったのですが、ヒューズ中佐の話を聞いて納得です」
「…了解」
「軍医に言われて閣下も動かざる得なくなったんだな」
ロイはため息をつくとベットに寝転んで枕に顔を埋めた。
中尉からお見舞いの果物を受け取り、セルシアは見送る。
「じゃあ、ロイを頼むわ。
なんかあったら夜中でも連絡してくれていいから」
『ありがとうございます』
「ちなみにプレゼント」
『写真?』
ヒューズに裏面で渡された写真を返した。
「ロイの士官学校時代の写真。
自宅で本を整理してたら出て来たんだよ」
士官学校時代の若い頃のヒューズに肩を抱かれてヒューズは満面の笑みだが、幼さが残っているロイは不満顔で嫌々な雰囲気が写真から伝わる。
『わぁっ…
若い頃のロイさんだ!』
「将軍、すっごく嫌そうな顔」
「ヒューズ中佐も将軍も若いですね」
嬉しそうなセルシアにヒューズは楽しそうに笑う。
「リーゼル大佐、将軍にバレたら没収されちゃいますよ。
どっかに隠さないと」
『そうかもね。
今度、アルバム見せてくださいね。
ロイさんもあったんですけど』
「少なかったんだろ。
強引に撮っても受け取らなかったし、そのアルバムは俺が渡したやつだろうからな。
今度、家に来た時に見せてやるよ」
『はい!』
「錬金術の難しい本ばかり読んでて自ら交流もしてなかったし、ロイに絡んで行くのは俺くらいだったな」
本を読んでいるのに邪魔するから毎回のように口喧嘩にはなっていたが、今はそれさえも青春の思い出。