第⑬話
夢小説設定
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数分後に中尉が戻ってロイは見つめた。
「大丈夫です。
乗り越えられますよ」
「…そうだな」
『トラウマを刺激されて余計に辛かったのかもしれませんね』
「あぁ、そうだな」
切なそうにロイは窓の外を見ながらため息をつく。
「…戻りました。
なんかお騒がせしました」
「ハボック、この計算書類をやってみろ」
「け、計算!?
さっき間違ったばかりだし、ブレダの方が!」
「誰が1人でやらすと言った?」
「へっ?」
「特別に私が教えてやる。
ほら、椅子を持って来い」
「は…はい!」
戸惑いながらハボックは自分の椅子を持ってロイの隣に座る。
「なんていうか…」
「すいません。
お気持ちだけで!」
「くくっ、教え甲斐あるな」
「へっ?」
「悪かった、苦手なままにしておいて。
中央勤務になる前に多少は直しておくつもりだったんだが。
後回しになってしまってな。
計算は覚えれば大丈夫だ。
コツがあるんだ」
「俺、物覚え悪いし。
人の倍かかる馬鹿だし」
「自分を馬鹿なんて言うものではない。
この計算から理解させた方がいいか。
出来ないんではない。
理解してないから解けなくて間違いが起きるんだ」
「へっ?」
馬鹿にする訳でも呆れた訳でもなくて初めて言われた言葉にハボックは戸惑う。
ロイの説明は分かりやすくて自分にも理解が出来た。
「よし、大丈夫そうだな。
これが応用編だ。
時間掛かってもいいから解いてみろ」
「えっと…」
「難しく考えなくていい。
前後で引き離したらさっきの問題とそう変わらないだろ?」
「本当だ」
「慣れないうちは引き離して違う紙に式を書いたりして構わない。
この図形も式にしてしまえば、簡単になるんだ」
「すげぇ…簡単になった」
「慣れないうちは別紙に式を書いてやるから計算に慣れたら大丈夫だ」
「は、はい!」
「出来たら持って来なさい」
「はい。
将軍…ありがとうございます」
自分でも出来るんだとハボックは驚きと喜びが生まれた。
「ハボック、隣で唸るなよ」
「おかしいな。
将軍と一緒なら出来たのに」
「見せに行ってみろよ」
「将軍…」
「出来たか?」
「あの、ここまでなら」
「なるほどな。
ここの計算、ゆっくりでいいから確認してごらん」
「…はい」
ロイの口調も無意識に優しくなってまるで家庭教師だとブレダ達は微笑んでいた。
「ハボック、声に出てる」
「すまん。
よし、出来た!
初めて解けました!」
「どれどれ。
うむ、上出来だ。
次の計算も同じだからしてみなさい」
「はいっ!」
笑顔で報告に来るハボックはまるで大型犬のようだ。
2016.12.7
「大丈夫です。
乗り越えられますよ」
「…そうだな」
『トラウマを刺激されて余計に辛かったのかもしれませんね』
「あぁ、そうだな」
切なそうにロイは窓の外を見ながらため息をつく。
「…戻りました。
なんかお騒がせしました」
「ハボック、この計算書類をやってみろ」
「け、計算!?
さっき間違ったばかりだし、ブレダの方が!」
「誰が1人でやらすと言った?」
「へっ?」
「特別に私が教えてやる。
ほら、椅子を持って来い」
「は…はい!」
戸惑いながらハボックは自分の椅子を持ってロイの隣に座る。
「なんていうか…」
「すいません。
お気持ちだけで!」
「くくっ、教え甲斐あるな」
「へっ?」
「悪かった、苦手なままにしておいて。
中央勤務になる前に多少は直しておくつもりだったんだが。
後回しになってしまってな。
計算は覚えれば大丈夫だ。
コツがあるんだ」
「俺、物覚え悪いし。
人の倍かかる馬鹿だし」
「自分を馬鹿なんて言うものではない。
この計算から理解させた方がいいか。
出来ないんではない。
理解してないから解けなくて間違いが起きるんだ」
「へっ?」
馬鹿にする訳でも呆れた訳でもなくて初めて言われた言葉にハボックは戸惑う。
ロイの説明は分かりやすくて自分にも理解が出来た。
「よし、大丈夫そうだな。
これが応用編だ。
時間掛かってもいいから解いてみろ」
「えっと…」
「難しく考えなくていい。
前後で引き離したらさっきの問題とそう変わらないだろ?」
「本当だ」
「慣れないうちは引き離して違う紙に式を書いたりして構わない。
この図形も式にしてしまえば、簡単になるんだ」
「すげぇ…簡単になった」
「慣れないうちは別紙に式を書いてやるから計算に慣れたら大丈夫だ」
「は、はい!」
「出来たら持って来なさい」
「はい。
将軍…ありがとうございます」
自分でも出来るんだとハボックは驚きと喜びが生まれた。
「ハボック、隣で唸るなよ」
「おかしいな。
将軍と一緒なら出来たのに」
「見せに行ってみろよ」
「将軍…」
「出来たか?」
「あの、ここまでなら」
「なるほどな。
ここの計算、ゆっくりでいいから確認してごらん」
「…はい」
ロイの口調も無意識に優しくなってまるで家庭教師だとブレダ達は微笑んでいた。
「ハボック、声に出てる」
「すまん。
よし、出来た!
初めて解けました!」
「どれどれ。
うむ、上出来だ。
次の計算も同じだからしてみなさい」
「はいっ!」
笑顔で報告に来るハボックはまるで大型犬のようだ。
2016.12.7