第⑬話
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
降格しなくても上官には悔しい出来事だろう。
そのせいなのか“マスタング将軍からリーゼル大佐を引き離すと報復される”と噂が流れた。
「…私がいつ報復したんだ」
「似たようなもんだろ。
いででっ!
ロイ、悪かったから軍靴で踏むなって」
不機嫌そうに去って行くロイにヒューズは嬉しそうに口元を緩める。
(あの喧嘩は懲りたけど、あれから以前よりも感情や言葉にしてくれるようになったな)
ヒューズはロイを追いかけて書類を手にする。
「あの事件ならこの辺りだな」
「ふむ…」
「これ、全部を調べるのか?」
「私ではないがな」
「なるほど。
将軍クラスなら書庫から軍内なら持ち運び可能だからな」
ロイが代わりに借りてセルシアが読むのだろう。
禁止にはされておらず、上官に名前を借りて読む部下もいる。
そういうロイも以前は東方司令部でグラマン将軍に名前を借りて読んでいた。
「中尉は別件だし、ハボックは論外だし。
ブレダも悪くはないんだが。
詳しい奴が通って助かった」
「まったく。
人を何だと思ってんだ」
「くくっ、いいタイミングで本当に通るんだもんな」
(…俺的にはタイミング悪いんだが)
ため息をつきながらもヒューズはロイの説明する書類を探す。
セルシアは上官の嫌味を交わしながら気にしない。
(こんな幼稚な嫌味しか言えないのかしら。
だから、男性の魅力もないのね)
セルシアはロイ以外の評価はかなり低い。
セルシアの中でロイが異常なくらい評価が高すぎるのかもしれない。
「私なら偽装などせずに北に異動させてやるのにな」
『…出来るものならどうぞ』
「何だと?」
『閣下の契約書に逆らう勇気があるのなら』
「契約書だと?」
セルシアは契約書を絡んで来た上官に見せる。
契約書には“セルシア・リーゼルはどんな事情があろうとロイ・マスタングの部下から外されない”“単独での左遷・異動も認めない”と書かれていて閣下のサインがあった。
『私はロイ・マスタングに生涯ついて行きます。
忠誠を誓うのも命を賭けるのも、マスタング将軍だけです』
「ふん、ほかの女もいるのに利用されてるだけだろう?」
『ロイさんにならたとえ裏切られて傷つけられても私は本望です。
利用されようともそれがロイさんの為になるのならば』
「なっ!」
『それほどまでにマスタング将軍は価値があるのですよ』
にっこりと笑ってセルシアは嫌味を交わす。
マスタング将軍にベタ惚れしているのは有名なのにと周りの軍人達は半ば呆れ顔。
「随分と物騒な発言だな。
私は君を裏切らないよ」
『マスタング将軍!
ふふっ、分かってます』
後ろからロイに抱き締められてセルシアはクスクスと笑う。
「私の部下をあまり苛めないで頂きたい」
「…苛めてはいない」
『執務室にいたのでは?』
「君が戻って来ないし、気分転換だな」
『また中尉に叱られますよ』
「ある程度は片付けたし」
「マスタング将軍!
貴方って人は!」
「では、またな。
ヒューズ、それは執務室にな」
「…了解」
追って来る中尉に笑いながらロイは逃げて行き、銃撃と中尉の大声が響く。
『待ちなさいって。
中尉、犯人じゃないんだから』
「ロイに遊ばれてんな。
それ以上に周りに被害あるけど」
『悲鳴が上がってますね。
さてと、中尉の監視がないうちに将軍の書類を片付けて来ようっと』
「…いいのかよ」
『極秘書類は外してますから。
将軍も分かってますから先にそういう書類は片付けてます』
(2対1ではさすがの中尉も敵わないだろうな)
安易に想像がついてヒューズは苦笑いする。
大佐に昇進した今もヒューズとセルシアは当時と変わらない口調だ。
式典など場所に応じて口調は変えているのだが。
そのせいなのか“マスタング将軍からリーゼル大佐を引き離すと報復される”と噂が流れた。
「…私がいつ報復したんだ」
「似たようなもんだろ。
いででっ!
ロイ、悪かったから軍靴で踏むなって」
不機嫌そうに去って行くロイにヒューズは嬉しそうに口元を緩める。
(あの喧嘩は懲りたけど、あれから以前よりも感情や言葉にしてくれるようになったな)
ヒューズはロイを追いかけて書類を手にする。
「あの事件ならこの辺りだな」
「ふむ…」
「これ、全部を調べるのか?」
「私ではないがな」
「なるほど。
将軍クラスなら書庫から軍内なら持ち運び可能だからな」
ロイが代わりに借りてセルシアが読むのだろう。
禁止にはされておらず、上官に名前を借りて読む部下もいる。
そういうロイも以前は東方司令部でグラマン将軍に名前を借りて読んでいた。
「中尉は別件だし、ハボックは論外だし。
ブレダも悪くはないんだが。
詳しい奴が通って助かった」
「まったく。
人を何だと思ってんだ」
「くくっ、いいタイミングで本当に通るんだもんな」
(…俺的にはタイミング悪いんだが)
ため息をつきながらもヒューズはロイの説明する書類を探す。
セルシアは上官の嫌味を交わしながら気にしない。
(こんな幼稚な嫌味しか言えないのかしら。
だから、男性の魅力もないのね)
セルシアはロイ以外の評価はかなり低い。
セルシアの中でロイが異常なくらい評価が高すぎるのかもしれない。
「私なら偽装などせずに北に異動させてやるのにな」
『…出来るものならどうぞ』
「何だと?」
『閣下の契約書に逆らう勇気があるのなら』
「契約書だと?」
セルシアは契約書を絡んで来た上官に見せる。
契約書には“セルシア・リーゼルはどんな事情があろうとロイ・マスタングの部下から外されない”“単独での左遷・異動も認めない”と書かれていて閣下のサインがあった。
『私はロイ・マスタングに生涯ついて行きます。
忠誠を誓うのも命を賭けるのも、マスタング将軍だけです』
「ふん、ほかの女もいるのに利用されてるだけだろう?」
『ロイさんにならたとえ裏切られて傷つけられても私は本望です。
利用されようともそれがロイさんの為になるのならば』
「なっ!」
『それほどまでにマスタング将軍は価値があるのですよ』
にっこりと笑ってセルシアは嫌味を交わす。
マスタング将軍にベタ惚れしているのは有名なのにと周りの軍人達は半ば呆れ顔。
「随分と物騒な発言だな。
私は君を裏切らないよ」
『マスタング将軍!
ふふっ、分かってます』
後ろからロイに抱き締められてセルシアはクスクスと笑う。
「私の部下をあまり苛めないで頂きたい」
「…苛めてはいない」
『執務室にいたのでは?』
「君が戻って来ないし、気分転換だな」
『また中尉に叱られますよ』
「ある程度は片付けたし」
「マスタング将軍!
貴方って人は!」
「では、またな。
ヒューズ、それは執務室にな」
「…了解」
追って来る中尉に笑いながらロイは逃げて行き、銃撃と中尉の大声が響く。
『待ちなさいって。
中尉、犯人じゃないんだから』
「ロイに遊ばれてんな。
それ以上に周りに被害あるけど」
『悲鳴が上がってますね。
さてと、中尉の監視がないうちに将軍の書類を片付けて来ようっと』
「…いいのかよ」
『極秘書類は外してますから。
将軍も分かってますから先にそういう書類は片付けてます』
(2対1ではさすがの中尉も敵わないだろうな)
安易に想像がついてヒューズは苦笑いする。
大佐に昇進した今もヒューズとセルシアは当時と変わらない口調だ。
式典など場所に応じて口調は変えているのだが。