第①話
夢小説設定
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大佐の執務室から出て、セルシアは自分の席に戻る。
『はい、どうぞ』
「あ、すみません」
「言ってくだされば淹れたんですが…」
「ありがとうございます、中佐」
『いいのよ、大佐のついでだから。
私も飲みたかったし、淹れるのは好きなの』
サラリと言い、書類を手にする。
「中佐は大佐が好きなんっスか?」
『えっ…』
「あ、いえ‥‥何となく」
『そうね、大佐は私の憧れなの』
「「憧れ?」」
『上官や部下からも評判がよくないの。
嫌味を言われてる時に大佐…あの時はまだ中佐だったけど、初対面の私を助けてくれたのよ。
年下の私にも気遣ってくれた、些細なことだけど私には重要なことでそれが支えになったの。
みんなに色々と言われてるけど、芯が強くて内に秘めた強さがある人だと感じたわ。
だから‥‥私は大佐なら信じてついていけると思ったわ』
セルシアの言葉に思わず黙り込んだ。
セルシアの瞳は決意が滲んでいた。
『…あの人ならこの腐った軍さえも変えてくれるかもしれないと直感で思ったの。
うぅん、国を変えてくれるかもしれない』
それは大佐の野望を示していた。
『あ、中尉』
「はい」
『ちょっといい?
仕事内容を聞きたいの』
「すみません、説明をしていなくて…」
『いいのよ。
大体は分かるんだけど、きちんと聞いておこうかと』
「では、説明させて頂きます」
丁寧な説明はさすが中尉。
「分からないところがあれば、お聞きください」
『ありがとう。
前の仕事とそんなに変わらないし、慣れれば大丈夫よ』
「そうですか」
セルシアは基本的に書類の仕事を終わらすのが早く、それは研究者である両親の遺伝だろうか。
戦闘も身軽で男性顔負けとも言われていたりする。
自分のノルマの書類は片付け終わった。
『中尉、これで終わったわ』
「さすが中佐ですね。
早いとは聞いていましたが…」
『ほかには?』
「そうですね、この資料を大佐に届けて来てもらえますか?
中佐がいた方が大佐はやる気になるようですから。
それから、さぼらないように見張っていてください。
中佐の仕事は追加がなければ終了です」
『分かったわ』
中尉から資料を受け取り、大佐の執務室に向かう。
「中佐、あのさぼり魔を本当に尊敬してるんっスか?」
『…前の上官を見せたらあなた達も心から尊敬できるわ。
さぼるくらいって思えるくらい』
「ど、どんな上官だったんですか…ι」
『一言で言えば“ダメ上官”ね。
文句ばかり言って、すぐ怒鳴って部下に責任を押し付けて上官の顔色ばかり伺ってる人よ。
国家錬金術師だからって、私を置いて逃げて行ったわ!!
本当に最低な上官だったわね』
怒りの含む声に執務室の温度が下がった気がした。
「その上官は今もいるんですよね?」
「中佐、そういう発言は慎んだ方がいいかと…」
『大丈夫よ、もう軍にはいないから』
「「はっ?」」
セルシアの発言に唖然とする。
『はい、どうぞ』
「あ、すみません」
「言ってくだされば淹れたんですが…」
「ありがとうございます、中佐」
『いいのよ、大佐のついでだから。
私も飲みたかったし、淹れるのは好きなの』
サラリと言い、書類を手にする。
「中佐は大佐が好きなんっスか?」
『えっ…』
「あ、いえ‥‥何となく」
『そうね、大佐は私の憧れなの』
「「憧れ?」」
『上官や部下からも評判がよくないの。
嫌味を言われてる時に大佐…あの時はまだ中佐だったけど、初対面の私を助けてくれたのよ。
年下の私にも気遣ってくれた、些細なことだけど私には重要なことでそれが支えになったの。
みんなに色々と言われてるけど、芯が強くて内に秘めた強さがある人だと感じたわ。
だから‥‥私は大佐なら信じてついていけると思ったわ』
セルシアの言葉に思わず黙り込んだ。
セルシアの瞳は決意が滲んでいた。
『…あの人ならこの腐った軍さえも変えてくれるかもしれないと直感で思ったの。
うぅん、国を変えてくれるかもしれない』
それは大佐の野望を示していた。
『あ、中尉』
「はい」
『ちょっといい?
仕事内容を聞きたいの』
「すみません、説明をしていなくて…」
『いいのよ。
大体は分かるんだけど、きちんと聞いておこうかと』
「では、説明させて頂きます」
丁寧な説明はさすが中尉。
「分からないところがあれば、お聞きください」
『ありがとう。
前の仕事とそんなに変わらないし、慣れれば大丈夫よ』
「そうですか」
セルシアは基本的に書類の仕事を終わらすのが早く、それは研究者である両親の遺伝だろうか。
戦闘も身軽で男性顔負けとも言われていたりする。
自分のノルマの書類は片付け終わった。
『中尉、これで終わったわ』
「さすが中佐ですね。
早いとは聞いていましたが…」
『ほかには?』
「そうですね、この資料を大佐に届けて来てもらえますか?
中佐がいた方が大佐はやる気になるようですから。
それから、さぼらないように見張っていてください。
中佐の仕事は追加がなければ終了です」
『分かったわ』
中尉から資料を受け取り、大佐の執務室に向かう。
「中佐、あのさぼり魔を本当に尊敬してるんっスか?」
『…前の上官を見せたらあなた達も心から尊敬できるわ。
さぼるくらいって思えるくらい』
「ど、どんな上官だったんですか…ι」
『一言で言えば“ダメ上官”ね。
文句ばかり言って、すぐ怒鳴って部下に責任を押し付けて上官の顔色ばかり伺ってる人よ。
国家錬金術師だからって、私を置いて逃げて行ったわ!!
本当に最低な上官だったわね』
怒りの含む声に執務室の温度が下がった気がした。
「その上官は今もいるんですよね?」
「中佐、そういう発言は慎んだ方がいいかと…」
『大丈夫よ、もう軍にはいないから』
「「はっ?」」
セルシアの発言に唖然とする。