第⑨話
夢小説設定
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炎と風をうまい具合に使い分けていた。
中尉達は警戒しながらも見守っているだけだ。
大佐が大中小の炎をうまく左右の発火布で操っていた。
「…いいコンビネーションだよな」
「あぁ、大佐と中尉とはまた違って国家錬金術師同士で凄いな」
「今日初めて手を組んだとは思えない。
まぁ、互いに理解してるから出来ることなんでしょうが…」
互いに信頼してるから遠慮せずに本気で攻撃が出来る大佐とセルシア。
「ぐ…っ」
「もう、逃げられんぞ」
『覚悟…しなさい』
息が上がり、それは闘いの凄さを物語っていた。
危険なので束縛し、薬で眠らせた。
逃げられないように凶悪犯用の牢に入れ、見張りも倍の人数に増やした。
「大佐、中佐、大丈夫ですか?」
「『………。』」
久々の長時間の戦いに怠けていた訳ではないが、疲れてしまったのも事実。
身体というよりは精神的な部分で圧倒されそうになってしまい、見てるだけでも疲れたのだから戦っていた大佐とセルシアは尚更だろう。
中尉の問い掛けにも返事が出来なかった。
「飲み物をお持ちしました。
どうぞ」
「…すまない」
『少し、落ち着きましたね』
「‥‥あぁ」
息を吐き、苦笑いを浮かべた。
「さてと、グラマン将軍に報告しに行くか…」
『同行した方がよろしいですか?』
「あぁ、来なさい。
中尉はここを頼む」
「はい」
中尉に頼み、執務室から出てグラマン将軍に報告に行った。
「お帰り、待っていたよ。
その顔はいい報告のようだね。
マスタングくん、リーゼル中佐、ご苦労様」
「『はっ!』」
報告前にどうやら伝わっていたようだ。
「それにしても疲れた顔してるね」
「安心したら疲れが…」
『精神的なものなんですけど』
「ワシは錬金術は分からんが、何やら大変みたいだね」
まるで他人事のようなグラマン将軍。
よほど酷い顔をしていたのか、何かあれば連絡すると言われて中尉に自宅に帰された大佐とセルシア。
「中央司令部が引き取りに来るようです」
「それまでは油断は出来んな」
『中央司令部から迎えが来るまで預かってろってことね』
普段は滅多なことがないとしないのにセルシアは疲れてるのか、車内で甘えるように大佐の肩に寄り掛かっている。
大佐も自然と受け入れてセルシアの肩を抱いている。
(スカーが逮捕されたから護衛は解除されることになる。
そうなると‥‥)
期間限定の同居生活も終わりが近いと感じていた。
「セルシア…?
眠って構わんよ」
『ん…』
大佐の優しい声色と頭を撫でるぬくもりに安心し、セルシアは睡魔に襲われる。
肩だと寝づらいだろうと大佐はセルシアを膝枕する。
「運転はゆっくりな。
起こしてしまわないように」
「…はい。
大佐も寝て構いませんよ。
着いたら起こしますから」
「いや、大丈夫だ」
微かに笑みを浮かべ、大佐はセルシアの頭を撫でていた。
その笑みは中尉が見て来た中で一番優しい微笑みだった。
中尉に送ってもらい、大佐はセルシアを抱えて家に入る。
「お疲れ様でした」
「あぁ、お疲れ様」
セルシアを起こさないように小声で挨拶を交わし、大佐が家に入ったのを確認して車を発進させる。
軍服の上着だけ脱がせて寝室のベットに寝かせた。
大佐はベットに腰掛け、セルシアの髪に触れた。
愛しそうにセルシアを見つめている。
「言いたい言葉は沢山あるのにな…」
言ってしまえば今より更に手放せなくなり、何よりも失う恐怖もある。
そして、ロイは負い目を感じていて幸せになってもいいのかと未だに自問自答と自己嫌悪の日々。
それでも未だに答えは出なかった。
「それを言ってしまえたら、どんなに楽なんだろうな。
君は待ってくれているのに…」
ロイはセルシアのぬくもりを感じたくて起こさないようにセルシアの手を握った。
犯人逮捕と共に揺れる心…。
互いに想う心と愛しさが溢れる‥‥。
-END-
中尉達は警戒しながらも見守っているだけだ。
大佐が大中小の炎をうまく左右の発火布で操っていた。
「…いいコンビネーションだよな」
「あぁ、大佐と中尉とはまた違って国家錬金術師同士で凄いな」
「今日初めて手を組んだとは思えない。
まぁ、互いに理解してるから出来ることなんでしょうが…」
互いに信頼してるから遠慮せずに本気で攻撃が出来る大佐とセルシア。
「ぐ…っ」
「もう、逃げられんぞ」
『覚悟…しなさい』
息が上がり、それは闘いの凄さを物語っていた。
危険なので束縛し、薬で眠らせた。
逃げられないように凶悪犯用の牢に入れ、見張りも倍の人数に増やした。
「大佐、中佐、大丈夫ですか?」
「『………。』」
久々の長時間の戦いに怠けていた訳ではないが、疲れてしまったのも事実。
身体というよりは精神的な部分で圧倒されそうになってしまい、見てるだけでも疲れたのだから戦っていた大佐とセルシアは尚更だろう。
中尉の問い掛けにも返事が出来なかった。
「飲み物をお持ちしました。
どうぞ」
「…すまない」
『少し、落ち着きましたね』
「‥‥あぁ」
息を吐き、苦笑いを浮かべた。
「さてと、グラマン将軍に報告しに行くか…」
『同行した方がよろしいですか?』
「あぁ、来なさい。
中尉はここを頼む」
「はい」
中尉に頼み、執務室から出てグラマン将軍に報告に行った。
「お帰り、待っていたよ。
その顔はいい報告のようだね。
マスタングくん、リーゼル中佐、ご苦労様」
「『はっ!』」
報告前にどうやら伝わっていたようだ。
「それにしても疲れた顔してるね」
「安心したら疲れが…」
『精神的なものなんですけど』
「ワシは錬金術は分からんが、何やら大変みたいだね」
まるで他人事のようなグラマン将軍。
よほど酷い顔をしていたのか、何かあれば連絡すると言われて中尉に自宅に帰された大佐とセルシア。
「中央司令部が引き取りに来るようです」
「それまでは油断は出来んな」
『中央司令部から迎えが来るまで預かってろってことね』
普段は滅多なことがないとしないのにセルシアは疲れてるのか、車内で甘えるように大佐の肩に寄り掛かっている。
大佐も自然と受け入れてセルシアの肩を抱いている。
(スカーが逮捕されたから護衛は解除されることになる。
そうなると‥‥)
期間限定の同居生活も終わりが近いと感じていた。
「セルシア…?
眠って構わんよ」
『ん…』
大佐の優しい声色と頭を撫でるぬくもりに安心し、セルシアは睡魔に襲われる。
肩だと寝づらいだろうと大佐はセルシアを膝枕する。
「運転はゆっくりな。
起こしてしまわないように」
「…はい。
大佐も寝て構いませんよ。
着いたら起こしますから」
「いや、大丈夫だ」
微かに笑みを浮かべ、大佐はセルシアの頭を撫でていた。
その笑みは中尉が見て来た中で一番優しい微笑みだった。
中尉に送ってもらい、大佐はセルシアを抱えて家に入る。
「お疲れ様でした」
「あぁ、お疲れ様」
セルシアを起こさないように小声で挨拶を交わし、大佐が家に入ったのを確認して車を発進させる。
軍服の上着だけ脱がせて寝室のベットに寝かせた。
大佐はベットに腰掛け、セルシアの髪に触れた。
愛しそうにセルシアを見つめている。
「言いたい言葉は沢山あるのにな…」
言ってしまえば今より更に手放せなくなり、何よりも失う恐怖もある。
そして、ロイは負い目を感じていて幸せになってもいいのかと未だに自問自答と自己嫌悪の日々。
それでも未だに答えは出なかった。
「それを言ってしまえたら、どんなに楽なんだろうな。
君は待ってくれているのに…」
ロイはセルシアのぬくもりを感じたくて起こさないようにセルシアの手を握った。
犯人逮捕と共に揺れる心…。
互いに想う心と愛しさが溢れる‥‥。
-END-