第⑧話
夢小説設定
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大佐はセルシアを抱き締め、優しく頭をなでていた。
「否定しないってことは期待してもいいのかな」
『そ、それは…』
大佐が含み笑いを浮かべる。
「大佐、中佐を困らせないでください。
それから、イチャつかないでさっさと仕事してもらわないと困ります」
中尉によって引き剥がされ、大佐は渋々ながらも自分の席に着いた。
「…中佐」
『あ、はい』
「最初から手伝ってもらう上官がいますか!
中佐もすぐに手を貸さない!!」
中尉の雷に同時に逃げてゆく。
セルシアの手にはちゃっかりと大佐の書類があり、手伝う気満々である。
「中佐っ!」
『ダメ…?』
「‥‥先に自分の書類をしてくださいね」
『はーい』
これではどちらが上官か分からない。
(中尉が負けた…)
(無意識の上目遣い作戦が大成功?)
天然のセルシアはある意味、最強だとハボック達は思うのであった。
セルシアはにっこりと満足そうに笑い、席に着いて仕事する。
『ん~…資料が必要かな』
「俺が取りに行って来ますよ」
『あ、そう?』
「はい!」
『じゃあ、悪いけど…ここに書いてある番号の資料を取って来てもらえる?』
セルシアはハボックにメモを渡す。
「…随分と多いっスね?」
『私が今やってる書類だけの資料じゃないもの』
「‥‥大佐のも含まれてるんですね?ι」
にっこりとセルシアは笑う。
(いつ見たんだか。
中尉といい、中佐といい、凄いな…
口には絶対に出したくないけど‥‥大佐も含めて)
ハボックが苦笑いしながら執務室から出て行く。
「書類が嫌になって、資料室に行ったな」
「あぁ、今してるのはハボック少佐が苦手な書類ですからね」
「頭使うのは苦手だからな」
ハボックの机を覗き、納得したように全員が頷く。
「学生時代も苦労してたんですかね?」
「何だか想像つきますね」
ハボックには悪いが、安易に想像がつく。
しばらくしてハボックが資料を抱えて戻って来た。
『お疲れ様』
迷いもなく、大量の資料から抜き取る。
『大佐の資料はこちらですから。
ちなみに今の書類にはこちらを見れば分かりますので』
「ありがとう」
セルシアはほとんど把握していた。
「そういや、昨日の雷は凄かったっスね」
「そうですね」
「落ちるかと思ったな」
思わず、セルシアの肩が震える。
「今、雷が鳴る訳じゃないぞ?」
『そうですけど…
怖いものは怖いんです』
苦笑いして大佐がセルシアの頭をなでた。
セルシアは既に涙目になっている。
「まぁ、昨日は可愛かったけどな。
いつも可愛いけど、昨日は特に」
『‥‥っ‥』
後ろから抱き締められ、耳元で囁かれる。
「大佐、執務室でイチャつかないでください。
迷惑ですから」
呆れたように中尉が言い放つ。
スカー捜索は誤報もあり、思うように捜査は進まない。
焦っていても仕方ないと思いつつも、ため息が零れる。
「中佐、手伝い過ぎるのもどうかと思うのですが…」
『厳しいのは中尉1人で充分よ。
これが私のやり方なの』
にっこりとセルシアは笑う。
その手には大佐の書類。
正確には嫌味で届いた大佐宛の書類。
しっかりと大佐の字に似せて書いている。
「中尉、諦めたらどうっスか?
大佐を甘やかすのは中佐の趣味みたいなもんだし」
「そうは言っても甘やかされ過ぎては困るのよ」
『必要な時に動いてくれない上官よりは何倍もいいわよ?』
「「あ゛…」」
「中尉~、中佐の変なスイッチを押さないでくださいよ!」
「そうですよ、不敵な笑みに殺気まで放ってるじゃないですか」
「私も押すつもりはなかったのよ」
ダメな元上官のことを思い出したらしい。
君のことを知る度に感情が高まる…。
今はまだ“特別”としか言えない‥‥。
-END-
「否定しないってことは期待してもいいのかな」
『そ、それは…』
大佐が含み笑いを浮かべる。
「大佐、中佐を困らせないでください。
それから、イチャつかないでさっさと仕事してもらわないと困ります」
中尉によって引き剥がされ、大佐は渋々ながらも自分の席に着いた。
「…中佐」
『あ、はい』
「最初から手伝ってもらう上官がいますか!
中佐もすぐに手を貸さない!!」
中尉の雷に同時に逃げてゆく。
セルシアの手にはちゃっかりと大佐の書類があり、手伝う気満々である。
「中佐っ!」
『ダメ…?』
「‥‥先に自分の書類をしてくださいね」
『はーい』
これではどちらが上官か分からない。
(中尉が負けた…)
(無意識の上目遣い作戦が大成功?)
天然のセルシアはある意味、最強だとハボック達は思うのであった。
セルシアはにっこりと満足そうに笑い、席に着いて仕事する。
『ん~…資料が必要かな』
「俺が取りに行って来ますよ」
『あ、そう?』
「はい!」
『じゃあ、悪いけど…ここに書いてある番号の資料を取って来てもらえる?』
セルシアはハボックにメモを渡す。
「…随分と多いっスね?」
『私が今やってる書類だけの資料じゃないもの』
「‥‥大佐のも含まれてるんですね?ι」
にっこりとセルシアは笑う。
(いつ見たんだか。
中尉といい、中佐といい、凄いな…
口には絶対に出したくないけど‥‥大佐も含めて)
ハボックが苦笑いしながら執務室から出て行く。
「書類が嫌になって、資料室に行ったな」
「あぁ、今してるのはハボック少佐が苦手な書類ですからね」
「頭使うのは苦手だからな」
ハボックの机を覗き、納得したように全員が頷く。
「学生時代も苦労してたんですかね?」
「何だか想像つきますね」
ハボックには悪いが、安易に想像がつく。
しばらくしてハボックが資料を抱えて戻って来た。
『お疲れ様』
迷いもなく、大量の資料から抜き取る。
『大佐の資料はこちらですから。
ちなみに今の書類にはこちらを見れば分かりますので』
「ありがとう」
セルシアはほとんど把握していた。
「そういや、昨日の雷は凄かったっスね」
「そうですね」
「落ちるかと思ったな」
思わず、セルシアの肩が震える。
「今、雷が鳴る訳じゃないぞ?」
『そうですけど…
怖いものは怖いんです』
苦笑いして大佐がセルシアの頭をなでた。
セルシアは既に涙目になっている。
「まぁ、昨日は可愛かったけどな。
いつも可愛いけど、昨日は特に」
『‥‥っ‥』
後ろから抱き締められ、耳元で囁かれる。
「大佐、執務室でイチャつかないでください。
迷惑ですから」
呆れたように中尉が言い放つ。
スカー捜索は誤報もあり、思うように捜査は進まない。
焦っていても仕方ないと思いつつも、ため息が零れる。
「中佐、手伝い過ぎるのもどうかと思うのですが…」
『厳しいのは中尉1人で充分よ。
これが私のやり方なの』
にっこりとセルシアは笑う。
その手には大佐の書類。
正確には嫌味で届いた大佐宛の書類。
しっかりと大佐の字に似せて書いている。
「中尉、諦めたらどうっスか?
大佐を甘やかすのは中佐の趣味みたいなもんだし」
「そうは言っても甘やかされ過ぎては困るのよ」
『必要な時に動いてくれない上官よりは何倍もいいわよ?』
「「あ゛…」」
「中尉~、中佐の変なスイッチを押さないでくださいよ!」
「そうですよ、不敵な笑みに殺気まで放ってるじゃないですか」
「私も押すつもりはなかったのよ」
ダメな元上官のことを思い出したらしい。
君のことを知る度に感情が高まる…。
今はまだ“特別”としか言えない‥‥。
-END-