第⑦話
夢小説設定
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中尉に見られたので大佐は発火布を外し、セルシアもピアスから手を離した。
中尉が来なかったら確実に錬金術を使っていたのだろう。
『ねぇ、中尉』
「何ですか?」
『帰りに寄り道はダメだよね?』
「当たり前です」
何を考えているんですか、そう言わんばかりに中尉がセルシアを見る。
セルシアが大佐の背に隠れ、しがみついた。
『あ、いや‥‥だってぇ。
夕食の食材がないかなぁって…』
「そういうことですか。
でも、ダメです」
『あう~ι』
「変な声を出さないでください」
『くぅん…』
「何ですか、それは?」
『変な声を出すなと言われたから子犬の鳴き声を』
中尉はため息をついた。
セルシアが不思議そうに首を傾げ、セルシアは変なところで天然で抜けているのだ。
大佐は苦笑いし、セルシアの天然に困ることもあるが、何よりも可愛らしい。
「…何で大佐の家の冷蔵庫を中佐が把握してるんっスか?」
『泊まったことあるから』
「中佐、ストレートに言い過ぎです」
『そう?
お買い物、どうしましょうか?』
「時間が頂けるなら、私が買って来ますが…」
『野菜とか重いと思うんだけど』
「大丈夫です」
『でも…』
「貴方は国家錬金術師です。
私は貴方も守る必要があります」
「すまないが、頼むよ」
「分かりました」
中尉が大佐からお金を受け取る。
「何を買ってくればいいのですか?」
『ここにリストがあるから』
「分かりました」
野菜などのリストが書いてあり、セルシアは中尉に手渡す。
『大佐…』
「中尉なら心配ないよ」
『随分と信頼していますね?』
「妬いているのかい?」
『…ちょっとだけ』
「可愛らしいな」
「コホンッ!」
中尉に見られ、大佐とセルシアは離れた。
「では、行って来ます。
司令部から出ないでくださいね」
「分かってるよ」
「中佐もですよ?」
『…はいι』
「ハボック少尉、頼みましたよ」
「了解っス」
大佐と顔を見合わせ、苦笑いした。
書類の仕事は片付いたが、傷の男の事件はまだ解決していない。
これ以上の被害が出る前に解決させたいのが本音だ。
『大佐、大丈夫ですか?』
「…何がだね」
『無理して明るく振る舞っているように見えたので』
中尉も気づいていたが、見て見ぬフリをしていたことをセルシアは言う。
辛そうなのに見なかったことなんてセルシアには出来なかった。
「リーゼル中佐…
いや、大丈夫だ」
『‥‥無理しないでください。
私は中尉ほど理解することは出来ません。
だから、私は言葉にして伝えます。
大佐も伝えてください。
全部、受け止めますから!!』
ぎゅうっと大佐に抱きつき、泣きそうな顔で見つめる。
「…参ったね。
本当に君は予想外のことをされてばかりだ。
守るはずなのにな」
『守ってばかりでは居られません。
私は中尉のように背中を守ることは出来ませんが、貴方を支えたいです、大佐』
「ありがとう」
大佐はセルシアを抱き締めた。
華奢で小さくて泣き虫なのに、芯は強い持ち主だ。
性別に関係なく、人間は守りたい人がいると強くなれる。
その人が愛する人ならば尚更だ。
優しさは支えであり、また強くて弱いものだ。
大佐もセルシアも優しすぎるから、それが弱点であり、強さでもある。
優しすぎるが故に軍人という仕事では身体を守れても心が傷つくことが沢山ある。
『私は貴方を甘やかすことが好きみたいです、大佐』
「…私はペットか?ι」
『ずっと強くなくていいんですよ。
少しでいいですから、貴方の心を見せてください』
「‥‥あぁ」
甘えるようにセルシアの肩に顔を埋め、そのぬくもりに安堵する。
「まだ気は抜けんが、しばらくは家で過ごすとしようか。
君といろんなことを語り合うのも悪くはないだろうからね」
『…はい。
大佐のこと、知りたいです。
大佐ではなく、正確には“ロイさん”のことですね』
手を絡ませるように握った。
大佐はセルシアの手に口づけ、口元を緩める。
『大佐…!///』
「クスッ…ありがとう。
楽しみにしてるよ」
微かに頬を赤らめ、セルシアは苦笑いを浮かべる。
誰よりも貴方を理解したい…。
どんな時も貴方の心の支えになりたいから‥‥。
-END-
中尉が来なかったら確実に錬金術を使っていたのだろう。
『ねぇ、中尉』
「何ですか?」
『帰りに寄り道はダメだよね?』
「当たり前です」
何を考えているんですか、そう言わんばかりに中尉がセルシアを見る。
セルシアが大佐の背に隠れ、しがみついた。
『あ、いや‥‥だってぇ。
夕食の食材がないかなぁって…』
「そういうことですか。
でも、ダメです」
『あう~ι』
「変な声を出さないでください」
『くぅん…』
「何ですか、それは?」
『変な声を出すなと言われたから子犬の鳴き声を』
中尉はため息をついた。
セルシアが不思議そうに首を傾げ、セルシアは変なところで天然で抜けているのだ。
大佐は苦笑いし、セルシアの天然に困ることもあるが、何よりも可愛らしい。
「…何で大佐の家の冷蔵庫を中佐が把握してるんっスか?」
『泊まったことあるから』
「中佐、ストレートに言い過ぎです」
『そう?
お買い物、どうしましょうか?』
「時間が頂けるなら、私が買って来ますが…」
『野菜とか重いと思うんだけど』
「大丈夫です」
『でも…』
「貴方は国家錬金術師です。
私は貴方も守る必要があります」
「すまないが、頼むよ」
「分かりました」
中尉が大佐からお金を受け取る。
「何を買ってくればいいのですか?」
『ここにリストがあるから』
「分かりました」
野菜などのリストが書いてあり、セルシアは中尉に手渡す。
『大佐…』
「中尉なら心配ないよ」
『随分と信頼していますね?』
「妬いているのかい?」
『…ちょっとだけ』
「可愛らしいな」
「コホンッ!」
中尉に見られ、大佐とセルシアは離れた。
「では、行って来ます。
司令部から出ないでくださいね」
「分かってるよ」
「中佐もですよ?」
『…はいι』
「ハボック少尉、頼みましたよ」
「了解っス」
大佐と顔を見合わせ、苦笑いした。
書類の仕事は片付いたが、傷の男の事件はまだ解決していない。
これ以上の被害が出る前に解決させたいのが本音だ。
『大佐、大丈夫ですか?』
「…何がだね」
『無理して明るく振る舞っているように見えたので』
中尉も気づいていたが、見て見ぬフリをしていたことをセルシアは言う。
辛そうなのに見なかったことなんてセルシアには出来なかった。
「リーゼル中佐…
いや、大丈夫だ」
『‥‥無理しないでください。
私は中尉ほど理解することは出来ません。
だから、私は言葉にして伝えます。
大佐も伝えてください。
全部、受け止めますから!!』
ぎゅうっと大佐に抱きつき、泣きそうな顔で見つめる。
「…参ったね。
本当に君は予想外のことをされてばかりだ。
守るはずなのにな」
『守ってばかりでは居られません。
私は中尉のように背中を守ることは出来ませんが、貴方を支えたいです、大佐』
「ありがとう」
大佐はセルシアを抱き締めた。
華奢で小さくて泣き虫なのに、芯は強い持ち主だ。
性別に関係なく、人間は守りたい人がいると強くなれる。
その人が愛する人ならば尚更だ。
優しさは支えであり、また強くて弱いものだ。
大佐もセルシアも優しすぎるから、それが弱点であり、強さでもある。
優しすぎるが故に軍人という仕事では身体を守れても心が傷つくことが沢山ある。
『私は貴方を甘やかすことが好きみたいです、大佐』
「…私はペットか?ι」
『ずっと強くなくていいんですよ。
少しでいいですから、貴方の心を見せてください』
「‥‥あぁ」
甘えるようにセルシアの肩に顔を埋め、そのぬくもりに安堵する。
「まだ気は抜けんが、しばらくは家で過ごすとしようか。
君といろんなことを語り合うのも悪くはないだろうからね」
『…はい。
大佐のこと、知りたいです。
大佐ではなく、正確には“ロイさん”のことですね』
手を絡ませるように握った。
大佐はセルシアの手に口づけ、口元を緩める。
『大佐…!///』
「クスッ…ありがとう。
楽しみにしてるよ」
微かに頬を赤らめ、セルシアは苦笑いを浮かべる。
誰よりも貴方を理解したい…。
どんな時も貴方の心の支えになりたいから‥‥。
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