第⑦話
夢小説設定
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気配を感じて目を開けると何故か目の前に大佐の顔。
「‥‥起きたか。
残念、キスで目覚めさせようかと思ったんだがな」
セルシアはきょとんと首を傾げ、再び目を閉じる。
「…いいの?」
『キス、したそうだったので』
「クスッ…半分は当たり。
よく分かってるね」
『もう半分は?』
「さぁね?」
含み笑いを浮かべ、大佐はセルシアの唇にキスをする。
2人きりではないので触れるだけのキスではあるが…。
中尉は呆れたようにため息をつき、それを見てヒューズは苦笑いする。
『ん…っ』
「目覚めた?」
『‥‥王子様みたいですね』
ポツリと何気なく呟いたセルシアの言葉に大佐は微かに頬を赤らめた。
「ロイ、なに赤くなってんだよ!」
「あ、赤くなどなってない!!」
勢いよく軍の車から飛び出して行く。
どうやら既に司令部に着いてたらしく、セルシアを起こそうとしてたのだ。
「あ、忘れてた…」
『きゃっ///』
振り返り、大佐はセルシアを軽々と抱えた。
半ば強制的にお姫様抱っこで連れて行かれるセルシア。
周りの軍人達に見られ、更に噂が流れるのは言うまでもない。
「忘れてた…って。
中佐はおまえの物か?ι」
「………。」
呆れたように思いつつ、大佐を追う。
イシュヴァールの民はイシュヴァラを絶対唯一の創造神とする東部の一部族だった。
宗教的価値観の違いから国側とは度々、衝突を繰り返していた。
13年前、軍将校が誤ってイシュヴァールの子供を射殺してしまった事件を機に大規模な内乱へと爆発した。
暴動は暴動を呼び、いつしか内乱の火は東部全域へと広がった。
7年にも及ぶ攻防の末、軍上層部から下された作戦は国家錬金術師も投入しての“イシュヴァール全滅戦”。
「私もその1人だ。
だから、イシュヴァールの生き残りであるあの男の復讐には正統性がある」
セルシアがもう少し早く国家錬金術師の資格を得ていたら、確実に駆り出されていただろう。
セルシアは座りながら大佐を見つめていた。
(大佐‥‥貴方はずっと悔やんで自分を責めているんですね。
それが、たとえ“命令”だとしても)
どんなに小さなことでも大佐の支えになりたいとセルシアは改めて思う。
「くだらねぇ。
関係ない人間も巻き込む復讐に正統性もクソもあるかよ。
醜い復讐心を“神の代行人”ってオブラートに包んで崇高ぶってるだけだ」
「だがな、錬金術を忌み嫌う者がせの錬金術をもって復讐しようってんだ。
なりふり構わん人間ってのは一番厄介で怖ぇぞ」
「なりふり構ってられないのはこっちも同じだ。
我々もまた死ぬ訳にはいかないからな。
次会った時には問答無用で潰す」
大佐の目が鋭く光った。
「――リーゼル中佐」
『分かっています。
天候のことを聞きたいんですよね?』
「…あぁ」
最初から大佐に隠すつもりはなかった。
『風で雲を動かして一定の部分だけを晴らしただけです。
言葉では簡単ですが、精神力と体力の消耗が激しいです』
「かなりの高度な術なんだな?」
『はい』
「…それをして命に問題は?」
『酷い過労感はありますが、ありません。
長時間行えば命に関わるかもしれませんが…』
大佐はため息をついた。
「‥‥起きたか。
残念、キスで目覚めさせようかと思ったんだがな」
セルシアはきょとんと首を傾げ、再び目を閉じる。
「…いいの?」
『キス、したそうだったので』
「クスッ…半分は当たり。
よく分かってるね」
『もう半分は?』
「さぁね?」
含み笑いを浮かべ、大佐はセルシアの唇にキスをする。
2人きりではないので触れるだけのキスではあるが…。
中尉は呆れたようにため息をつき、それを見てヒューズは苦笑いする。
『ん…っ』
「目覚めた?」
『‥‥王子様みたいですね』
ポツリと何気なく呟いたセルシアの言葉に大佐は微かに頬を赤らめた。
「ロイ、なに赤くなってんだよ!」
「あ、赤くなどなってない!!」
勢いよく軍の車から飛び出して行く。
どうやら既に司令部に着いてたらしく、セルシアを起こそうとしてたのだ。
「あ、忘れてた…」
『きゃっ///』
振り返り、大佐はセルシアを軽々と抱えた。
半ば強制的にお姫様抱っこで連れて行かれるセルシア。
周りの軍人達に見られ、更に噂が流れるのは言うまでもない。
「忘れてた…って。
中佐はおまえの物か?ι」
「………。」
呆れたように思いつつ、大佐を追う。
イシュヴァールの民はイシュヴァラを絶対唯一の創造神とする東部の一部族だった。
宗教的価値観の違いから国側とは度々、衝突を繰り返していた。
13年前、軍将校が誤ってイシュヴァールの子供を射殺してしまった事件を機に大規模な内乱へと爆発した。
暴動は暴動を呼び、いつしか内乱の火は東部全域へと広がった。
7年にも及ぶ攻防の末、軍上層部から下された作戦は国家錬金術師も投入しての“イシュヴァール全滅戦”。
「私もその1人だ。
だから、イシュヴァールの生き残りであるあの男の復讐には正統性がある」
セルシアがもう少し早く国家錬金術師の資格を得ていたら、確実に駆り出されていただろう。
セルシアは座りながら大佐を見つめていた。
(大佐‥‥貴方はずっと悔やんで自分を責めているんですね。
それが、たとえ“命令”だとしても)
どんなに小さなことでも大佐の支えになりたいとセルシアは改めて思う。
「くだらねぇ。
関係ない人間も巻き込む復讐に正統性もクソもあるかよ。
醜い復讐心を“神の代行人”ってオブラートに包んで崇高ぶってるだけだ」
「だがな、錬金術を忌み嫌う者がせの錬金術をもって復讐しようってんだ。
なりふり構わん人間ってのは一番厄介で怖ぇぞ」
「なりふり構ってられないのはこっちも同じだ。
我々もまた死ぬ訳にはいかないからな。
次会った時には問答無用で潰す」
大佐の目が鋭く光った。
「――リーゼル中佐」
『分かっています。
天候のことを聞きたいんですよね?』
「…あぁ」
最初から大佐に隠すつもりはなかった。
『風で雲を動かして一定の部分だけを晴らしただけです。
言葉では簡単ですが、精神力と体力の消耗が激しいです』
「かなりの高度な術なんだな?」
『はい』
「…それをして命に問題は?」
『酷い過労感はありますが、ありません。
長時間行えば命に関わるかもしれませんが…』
大佐はため息をついた。