第⑥話
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大佐と共にセルシアも車に乗り込む。
「…どうだ?」
『ダメです、雨で匂いを感じ取れません。
すみません』
「セルシアのせいじゃない。
出してくれ」
大佐達を乗せた軍の車も発車した。
『‥‥この匂い』
「どうした?」
『血の匂い…
タッカー氏の血。
もしかすると、傷の男が兄弟に接近しているのかも。
血を浴びたなら体に匂いは残ります。
雨で流されて本当に僅かな‥‥』
「リーゼル中佐?
大丈夫か?」
『…見つけた。
エルリック兄弟の匂いです!
場所は時計台方面、移動している模様。
傷の男に追われてる可能性が高いです!!』
「時計台方面に!
急げ!!」
軍の車が時計台方面に向かう。
「あれは…っ」
『憲兵の死体‥‥』
「くそっ、急げ!
兄弟は傷の男に襲われてる可能性がある!!
油断するな!」
憲兵の死体は憲兵に任せ、車が走り出す。
建物が破壊され、残骸も見えた。
銃声が響き、空に向かって大佐が銃を撃った。
その後ろには銃を向けている中尉とライフル銃を手にしたハボックの姿があった。
「そこまでだ。
危ないところだったな、鋼の」
「大佐!
こいつは…」
「その男は一連の国家錬金術師殺しの容疑者‥‥
だったが、この状況から見て確実になったな。
タッカー邸の殺害事件も貴様の犯行だな?」
大佐の言葉を聞き、エドは側に立つ傷の男を睨み付ける。
「…錬金術師とは元来あるべき姿の物を異形の物へと変成する者…
それすなわち、万物の創造主たる神への冒涜。
我は神の代行者として裁きをくだす者なり!」
「それがわからない。
世の中に錬金術師は数多いるが、国家資格を持つ者ばかり狙うとはどういう事だ?」
「‥‥どうあっても邪魔をすると言うのならば貴様も排除するのみだ」
「…おもしろい!」
大佐の眼が鋭く光った。
大佐は持っていた銃を中尉に投げ渡す。
「マスタング大佐っ!」
「おまえ達は手を出すな」
発火布を装着する。
「マスタング…
国家錬金術師の?」
「いかにも!
“焔の錬金術師”ロイ・マスタングだ!」
「神の道に背きし者が裁きを受けに自ら出向いて来るとは…
今日はなんと佳き日よ!!」
「私を焔の錬金術師と知ってなお、戦いを挑むか!!
愚か者め!!」
大佐に足を引っ掛けて転ばせ、中尉が傷の男に銃を撃つ。
「いきなり何をするんだ、君は!!」
「雨の日は無能なんですから下がっててください、大佐!」
「あっ、そうか。
こう湿ってちゃ、火花出せないよな」
中尉の言葉に続き、ハボックの悪気ない言葉にショックを受ける大佐。
『ハボック少尉…』
「す、すみませんっ!」
ハッとしてセルシアから放たれる怒りのオーラにハボックは謝る。
穏やかな時は終わりを告げて雨と共に血が流れる…。
勝利の女神はどちらに微笑むのか‥‥。
-END-
「…どうだ?」
『ダメです、雨で匂いを感じ取れません。
すみません』
「セルシアのせいじゃない。
出してくれ」
大佐達を乗せた軍の車も発車した。
『‥‥この匂い』
「どうした?」
『血の匂い…
タッカー氏の血。
もしかすると、傷の男が兄弟に接近しているのかも。
血を浴びたなら体に匂いは残ります。
雨で流されて本当に僅かな‥‥』
「リーゼル中佐?
大丈夫か?」
『…見つけた。
エルリック兄弟の匂いです!
場所は時計台方面、移動している模様。
傷の男に追われてる可能性が高いです!!』
「時計台方面に!
急げ!!」
軍の車が時計台方面に向かう。
「あれは…っ」
『憲兵の死体‥‥』
「くそっ、急げ!
兄弟は傷の男に襲われてる可能性がある!!
油断するな!」
憲兵の死体は憲兵に任せ、車が走り出す。
建物が破壊され、残骸も見えた。
銃声が響き、空に向かって大佐が銃を撃った。
その後ろには銃を向けている中尉とライフル銃を手にしたハボックの姿があった。
「そこまでだ。
危ないところだったな、鋼の」
「大佐!
こいつは…」
「その男は一連の国家錬金術師殺しの容疑者‥‥
だったが、この状況から見て確実になったな。
タッカー邸の殺害事件も貴様の犯行だな?」
大佐の言葉を聞き、エドは側に立つ傷の男を睨み付ける。
「…錬金術師とは元来あるべき姿の物を異形の物へと変成する者…
それすなわち、万物の創造主たる神への冒涜。
我は神の代行者として裁きをくだす者なり!」
「それがわからない。
世の中に錬金術師は数多いるが、国家資格を持つ者ばかり狙うとはどういう事だ?」
「‥‥どうあっても邪魔をすると言うのならば貴様も排除するのみだ」
「…おもしろい!」
大佐の眼が鋭く光った。
大佐は持っていた銃を中尉に投げ渡す。
「マスタング大佐っ!」
「おまえ達は手を出すな」
発火布を装着する。
「マスタング…
国家錬金術師の?」
「いかにも!
“焔の錬金術師”ロイ・マスタングだ!」
「神の道に背きし者が裁きを受けに自ら出向いて来るとは…
今日はなんと佳き日よ!!」
「私を焔の錬金術師と知ってなお、戦いを挑むか!!
愚か者め!!」
大佐に足を引っ掛けて転ばせ、中尉が傷の男に銃を撃つ。
「いきなり何をするんだ、君は!!」
「雨の日は無能なんですから下がっててください、大佐!」
「あっ、そうか。
こう湿ってちゃ、火花出せないよな」
中尉の言葉に続き、ハボックの悪気ない言葉にショックを受ける大佐。
『ハボック少尉…』
「す、すみませんっ!」
ハッとしてセルシアから放たれる怒りのオーラにハボックは謝る。
穏やかな時は終わりを告げて雨と共に血が流れる…。
勝利の女神はどちらに微笑むのか‥‥。
-END-