第7Q
=誠凛高校1-A教室=
ブブッ
『?(メール?)』
授業中に送られてきたメール
真白はこっそり携帯を開き、中身を見る
―――――――――
from リコ先輩
件 緊急連絡!!
1年生全員、昼休み
2年校舎集合♡
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不審に思いながらも昼休み指示通り、リコ達のいる二年校舎へと向かった
リ「ちょっとパン買ってきて」
『…パン?』
集合させられた一年生に言われたこの一言
リ「実は誠凛高校の売店では毎月27日だけ、数量限定で特別なパンが売られるんだ
それを食べれば恋愛でも部活でも必勝を約束される(という噂の)幻のパン
イベリコ豚カツサンドパン三大珍味(キャビア・フォアグラ・トリュフ)のせ!!2800円!!」
降「高っけぇ!!…し、やりすぎて逆に品がねえ!!」
日「海常にも勝ったし、練習も好調
ついでに幻のパンもゲットして弾みをつけるぞ!ってワケだ!」
リ「だけど狙ってるのは私達だけじゃないわ」
フゥ~と溜め息をつくリコ
リ「いつもより”ちょっとだけ”混むのよ」
日「……………………」
その発言に日向が苦笑いする
火「パン買ってくるだけだろ?
チョロいじゃん、ですよ」
簡単そうな任務に火神は自信たっぷりだった
そんな火神にホイッと封筒を渡す
日「金はもちろん二年生(オレら)が出す
ついでにみんなの昼メシも買ってきて
ただし、失敗したら……
釣りはいらねーよ
今後、筋トレとフットワークが3倍になるだけだ」
笑顔だけど何か雰囲気が怖い日向に一年は
ヒィッと声を上げる
「「「(お昼の買い出し勝負所(クラッチタイム)!?)」」」
伊「ホラ、早く行かないとなくなっちゃうぞ
大丈夫、去年オレらも買えたし」
降「伊月センパイ……」
心配そうにする伊月に一年生達の中で株が上がろうとするが、
伊「パン買う……パン……」
急に考え込む、そして……
伊「パンダのエサはパ…」
「「「行ってきます」」」
得意のダジャレを出そうとした伊月を無視して、一年生達は購買へと足を運んだ
リ「あ、##NAME1##ちゃんは待機!」
『え、あ…はい…;』
火神と黒子の後に続いて行こう歩き出したが、
リコに引き止められた
リ「みんなー!##NAME1##ちゃんの分のお昼もよろしく!」
「「「了解でーす」」」
そうしてリコと他の二年生と共に屋上に向かう
『私待機でよかったんですか?;
一応マネージャーですけど同じ1年なのに…』
リ「あーいいのいいの!
あんな危ないとこに##NAME1##ちゃんを向かわせられないわ!」
『………危ない…?;』
リコ”危ない”発言に困惑する##NAME1##だが、2年生の表情を見ると余計に不安が煽われた
水「…………………」
小「いつも心配しすぎだよ、水戸部ー
オカンか!」
無言でもハラハラとした表情の水戸部に小金井が笑う
日「……ったく、何が”ちょっと”だよ」
リ「えー?」
日「……………」
とぼけたリコに日向と共に##NAME1##は更に顔をヒクつかせる
リ「これから毎年、一年生の恒例行事にするわよ♪」
日「マジか……」
『…あの…そんなに危ないんですか…?』
リ「あ。ここから見えるわよ!」
『………………戦場?』
リコが指さす方を見ると、パンの為にすごい人の数…そして熱気と闘志…
バーゲンセールのおば様達を思い出した
=屋上=
福「買ってきま…した……」
あの争奪戦を潜り抜けた1年生はプルプルと震えていた
リ「おつかれー、ありがとっ」
福「こ…これ……例の……」
買ってきた袋を二年生に渡そうとする
伊「あーいーよ
買ってきたオマエらで食べな」
差し出された袋を伊月が断る
降「え?いいんですか!?」
日「いいって、遠慮するなよ」
日向も同じように断る
2年生は元々食べる気はなく、1年生に全てあげるつもりだった
福「じゃ、順番に……誰からいく?」
降「いやー今回はやっぱ黒子だろ」
リ「ほら、##NAME1##ちゃんも行ってきな」
『あ、はいっ』
ホイッと部員の一人が##NAME1##の幻のパンを差し出す
黒「では、先にいただきます」
パクリと一口、食べる
黒「……これは………
めっちゃおいしいです」
福「うお!?こんな幸せそうな黒子と真白ちゃん、初めて見た!!」
おぉっ!とレアな黒子の緩み顏に部員全員が驚く
降「オレも……!」
黒子は途中の幻のパンを他の1年生に渡した
降「うおウマッッ!!味の調和ってコレ!?
ジューシィな豚にフォアグラの甘みとキャビアの酸味が……!」
河「何言ってんの!?」
『高いだけあってめちゃ美味しいねコレ…』
そして幻のパンで盛り上がっている中、火神だけは1メートル程の長さのBLTサンドを食べていた
火「オレはでかけりゃいいんだ」
「「「なにソレ…」」」
そんな1年生の姿を2年生たちは温かく見守っていた…