第6Q




火「オマエは!何を考えてんだ!!
あのままケンカとかになったら勝てるつもりだったのかよ!?」




黒「いや、100%ボコボコにされてました
  見てくださいこの力コブ」



火「テメッ……ねーし!!」



圧勝したはいいものの
無茶な行動をした黒子に、火神くんからお説教タイム


『まぁ圧勝したしボコボコにできたし、結果オーライってことで…』


火「だからな!オレ達が行くならまだしもって話しだよ!!
  コイツ一人で何できる!?」



黒「それでも、あの人達はヒドイと思いました
  だから言っただけです」



火「だからその先を考えろ!」



黒「………忘れてました」



ギャーギャー黒子を攻める火神に対して、##NAME1##は横でただ眺めていた


少しは自業自得、と思っているのかもしれない


3人を見ていた黄瀬は、僅かに口元を緩ませるとバッグを持った





黄「じゃっ、オレはそろそろ行くっスわ」


『! 行くの?』


黄「!珍しいッスね?
  離れたくないんスか~?(ニヤ)」


『…少し…』


黄「! え…っ」


冗談で言った黄瀬だったが、珍しく真面目な返事が返ってきて思わず頬を赤らめた


『…;』


黄「何困った顔してるんスか!
  ##NAME3##が珍しく真面目に返事してくれるから…っ!」



『いや…まだ好きでいてくれたのかと…実感しまして…;』


黄「もうずっとそう言ってるじゃないッスかー!!泣」



そんなやりとりをしていたが…

黄瀬が##NAME1##に告白したのは卒業の時

その時は当然、##NAME1##には彼氏がいた


黄瀬はそれを知った上で告白した

それでも、自分の気持ちを知っててほしいと


そして##NAME1##も、辛い時助けてくれたのは彼氏ではなく、黄瀬だった

だから恋愛感情が生まれた

という話しではないが…黄瀬は弟の様な感覚で

##NAME1##にとって可愛い存在だった



『ありがとう、涼太』


黄「! どういたしまして!」



黒「2人だけで盛り上がらないでください」


黄「『!?;』」



いきなり2人の間からにょきっと黒子が出てきた

ビックリして##NAME1##は文句を言っているが、黒子は無視して黄瀬と視線を合わせた



黒「…(じっ)」


黄「…無言で睨みつけてくるの、やめてほしいッス;

  しょうがない……今日の所は引き下がるっス
  けど今度は負けないっスよ!!
  あと、リベンジの方も忘れてねっスから!!

  火神っち、予選で負けんなよ!!」
 


火「Σ火神っち!?」


黒「黄瀬君は、認めた人には”っち”をつけます
  よかったですね」


火「Σやだけど!!」


黄「じゃあねゆかっち!また1on1やろーね!」


「うん!またねー!」






黄瀬を見送り、こちらも帰る準備をしていると、ずっと探してくれていたのだろうか


誠凛の面々がやってきた



リ「あっ!!いたー!もう!!」



『あ!!リコ先輩すみませーん!;」』


##NAME1##がリコたちの下へ走っていく後姿を見つめながら、黒子は火神に問いかけた


黒「火神君、一つだけ聞かせてください
  あの話を聞いていましたか?」


火「決別するとか、しないとかか?
  てゆーかそれ以前に、オレ、別におまと気ィ合ってねーし
  一人じゃ無理だって言ったのはおめーだろ
  だったらいらねー心配すんな………それに」


そこで言葉をきる火神


二人の間に、静かに風邪が吹く



火「いつも主役(光)と共にある、それが黒子のバスケだろ」



黒「火神君も、けっこう……言いますね」



火「Σうるせーよっ」




ボクは、誰も救えなかった


ボクの隣にいたはずの彼は、いつの間にか前を走っていた


最初は届いていたはずの拳が


いつしか届かなくなった


拳を合わせなくなった


でも…


それ以上に



彼女はボクより後ろにいた


這いつくばりながら手を伸ばしてた


けど



ボクは


ボクらは



彼女を置いて走ってしまった



気が付いた時には…



彼女は…
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