第6Q
火神くんをみてると、あからさまに感じる
”アイツ”は、ただバスケが好きだった
バスケをすることが楽しくて、我武者羅に練習して、”みんな”で勝利を勝ち取った
”それが”楽しかった
いつからだろう
あいつはいつも私の隣にいた
それが…
いつからだろう
恋人の時以外、アイツの背中を見るようになったのは……
黄「……やっぱ、分かんねっスわ」
黄瀬の言葉に、意識が引き戻される
黄「黒子っちと、火神は……いつか…決別するっスよ」
『!』
黄「オレと他の四人の、決定的な違い……それは身体能力なんかじゃなく
誰にも……オレにもマネできない才能をそれぞれ持ってることっス
今日の試合で分かったんス
火神はまだ発展途上…
そして”キセキの世代”と同じ…オンリーワンの才能を秘めている
今は、まだ未完成な挑戦者っス
ただガムシャラにプレイして、強敵と戦うことを楽しんでるだけのね
けどいつか必ず……”キセキの世代”と同格に成長して、チームから浮いた存在になる
その時火神は……今と変わらないでいられるんスかね?」
『…っ』
黄瀬のその言葉は
思いのほか##NAME1##の心に重くのしかかった
脳裏に今も焼き付いている
笑顔で楽しそうにバスケをするアイツ
私に1on1で負けて悔しがるアイツ
私に勝って本気で喜ぶアイツ
私の隣でウキウキして走ってるアイツ
…いつからだろう
隣をみれば君がいた
隣に手を伸ばせば届いた拳
いつからだろう
背中が遠く、手を伸ばしても、精一杯走っても
届かなくなったのは…
火「テメー、何フラフラ消えてんだよっ」
バシコッ
突然黒子の背中を叩いて、現れた火神
『火神君…』
火「………よう」
黄「聞いてたんスか?」
火「聞いてたかじゃねーよ
オマエ何いきなり黒子と##NAME2##ラチってんの!?」
黄「は?ちょっとぐらいいいじゃないっスか!」
火「Σ帰れねんだよ!!」
ぎゃーぎゃーと言い合っている黄瀬と火神を横目に、こちらもまた酷い荒声が聞こえてきた方を見る
『…ねぇ、アレ…』
隣のコートでは、ガラの悪い連中が最初からいた人たちからコートの使用権を無理矢理奪おうとしていた
そして始めたコートを賭けたゲームは、なんとも酷いもので敵わないとわかったら暴力に走るという、最低極まりない行為を行いだした連中
『…クズね』
黄「ホント、あれはいただけないっスね」
火「…………つーか黒子は!?」
さっきまで側にいた黒子が
いつの間にか消えた
先ほどの場所を見ると…
黒「どう見ても、卑怯です」
黒子が指先でボールを回し、相手の鼻先にあてている所だった
「アッツ……!!?ってかなんだテメ……どっからわいた!?」
黒「そんなバスケはないと思います。何より暴力はダメです」
火「(Σなぁああにをやっとんじゃあーーー!!)」
黄「(Σ黒子っち~~ー!!?)」
『(Σっ!?;…まぁテツヤらしい、か;)
2人共、行こう!』
##NAME1##がそれぞれの腕を掴んで
黒子の下へ向かった
「はぁ!?いきなりなんだテメー!?」
「ハッ、ハハッ。いんだね今ドキ
いーぜ別に、じゃあバスケで勝負してやるよ………て」
黄「あのー、オレらもまざっていいか?」
黒「つーか、何いきなりかましてんだテメー」
『まぁテツヤらしいというか…;』
影の薄いチビを相手にしていたら、いきなり現れた巨体2人に女が1人
「「(Σでででぇケェ~~!?
なんじゃ~~!?)」」
『5対4でいーよ
かかっておいで?(ニッコリ)』
火「Σお前もやんのか!?
ってかその格好で!?」
##NAME1##は今制服姿
海常で来ていたジャージは汗でびちょびちょになってしまったため着れない
着替えはあるが…そんな時間はない
となればこのままがベストだろう
黒「火神くん、##NAME2##さんはそんなこと気にしませんよ」
黄「そうそう、こっちが気にするだけムダなんスよ~
だから見れるもんは見とこうじゃないっスか!」
ぐっと親指を立て、変態発言をかます黄瀬の脇腹に1発入れる##NAME1##……真顔で
黄「Σぐっ!
そりゃないッスよ##NAME3##…っ;」
『呪うなら、自分の変態さを呪うんだね』
そんなこんなで始まったゲーム
結果は
「「(瞬殺ーーーーっ!!?)」」
あっという間に片付きました
『当然♪』