第6Q
『…大丈夫?テツヤ…;』
黒「…はい…」
『…;
ちょっと外の風当たろうか;』
黒「…はい…」
『(ダメだこりゃ;)』
カラン………
黒「くるしい……」
『しっかり~;』
「あーーーっ!!」
『Σ!?;』
黒子を外に連れて出ると
突然聞こえた叫び声
……ものすごく聞き覚えがある
むしろさっきまで聞いていた声…
黄「黒子っちー!##NAME3##ー!
あ……ちょうどよかった
二人ともちょっと……話さねぇスか」
急に真剣な目になった黄瀬に
先ほどの冗談とは代わり、こちらも真剣になる
『いいよ』
黄「……てかこうしてちゃんと話すのも、久しぶりっスね
ケガ、大丈夫スか?」
黒「……はい。大丈夫です」
黄「そういえば、緑間っちに会ったっスよ
##NAME3##といた時」
黒「んー。正直、あの人はちょっと苦手です」
『見てれば分かるよ;』
若干呆れ気味に言い放つ##NAME1##
黄「あはは。そういやそうだったッスね…
けどあの左手はハンパねースよ
ジッサイ、かに座がいい日は特に」
黒「……はい」
黄「ま、今日は見にきただけらしースわ
それより……黒子っちにフラれ、試合も負けて、##NAME3##にもいいところを見せれなくて
ダメ元でも一応マジだったんスよー!?」
ベンチの背の上に座り、両足を挙げながら額にボールを乗せバランスを取る…
…身体能力のムダ使い…
そんな黄瀬に黒子が注意する
黒「ひっくり返りますよ……
すいません」
黄「冗談スよっ、そんなことより話したかったのは、理由を聞きたかったんスよ」
黄瀬はそこで言葉を一度区切り
今まで弄んでいたボールを黒子に投げた
黄「なんで……全中の決勝が終わった途端、姿を消したんスか?」
黒「…………わかりません」
黄「へ?」
期待と違った素っ頓狂な応えに、これまた素っ頓狂な声を上げた黄瀬
黒「帝光の方針を疑問に感じたのは、確かに決勝戦が原因です
あの時ボクは、何かが欠落していると思った」
黄「スポーツなんて勝ってなんぼじゃないスか!それより大切なことなんてあるんスか!?」
『(ま、まだ懐に落ちる、ってとこまではいかないか…
あくまで今日のはキッカケ、だしね)』
未だ理解してなくても、近い将来理解してくれると確信している##NAME1##は、とりあえず2人の様子を見守ることにした
黒「ボクもこの前までそう思ってました
だから、何がいけないかは、まだハッキリ分からないです
ただ…」
そこで一度途切れた黒子の言葉
俯いた顔
噛み締めるように言葉を続ける
黒「ボクはあのころ、バスケが嫌いだった
ボールの感触
バッシュのスキール音
ネットをくぐる音
ただ好きで始めたバスケなのに
だから、火神君に会って、ホントにすごいと思いました
心の底からバスケットが好きで、ちょっと怖い時や、クサった時もあったみたいだけど
全部、人一倍バスケに対して真剣だからだと思います」