第5Q





日「…………どうする」


黒子が倒れ、チーム内の空気は重くなっていた


リ「黒子君はもう出せないわ
  残りのメンバーでやれることやるしかないでしょ!」


「「(やれることって……黒子いなきゃ…キツくね?)」」


だが、そう思っていたのは一年生のみ
リコがテキパキと作戦を立てていく


リ「OFは二年生主体でいこう!
  まだ第2Qだけど、離されるわけにはいかないわ
  早いけど”勝負所”よ、日向君!」


日「!」


リコの指示に日向が反応した


リ「黄瀬君に返されるから、火神君はOF禁止!  DFに専念して
  全神経注いで黄瀬君の得点を少しでも抑えて!」


火「そんな……それで大丈夫なんで…すか?」


異議を唱える火神に日向が後ろから話しかける


日「大丈夫だって、ちっとは信じろ!」


火「でも……!」


日「大丈夫だっつってんだろダアホ!
  たまにはちゃんと先輩の言うこと聞けや殺すぞ!」


火「………………!?;」


日向の口からスラッとトンデモない単語が出てきたのに火神が冷や汗をかいて振り向いた


日「行くぞ!」


しかし、気にしたのは火神だけで他のメンバー(2年生)は日向の掛け声でコートに戻っていく。


『…キャプテン、いいキャラしてますね』


##NAME1##は良い関係になれそうだとキラキラした視線を向けていた

リコがクスリと笑う


リ「そういえば、一年生は日向君達のこと詳しく知らなかったわね」


そして、再開された試合

黒子がいなくとも次々に点を入れたり、海常の攻撃を防いでいく


リ「あいにく、ウチは一人残らず…
  …諦め悪いのよ」


優しい時は並の人!!
スイッチ入るとすごい!!けど怖い!!
二重人格クラッチシューター

日向 順平 4番 SG



日「ざまぁ~」


3Pを決めた日向がニヤリとした




沈着冷静慌てません!
クールな司令塔!
かと思いきやまさかのダジャレ好き!

伊月 俊 5番 PG



『伊月先輩ってイケメンの部類ですよね…』


「サロンパスで……ナイスパス
 やべぇ、きたコレ」


『…おしいな…』


話すと残念だった…おしい…






仕事キッチリ、縁の下の力持ち!
でも声誰も聞いたことない!

水戸部 凛之助 8番 C





なんでもできるけど、なんでもできない!
Mr.器用貧乏!

小金井 慎二 6番 F






小「ひでぇ……泣」


『…褒めてるようで全く褒めてない…』


誠凛の個性的なメンバーの活躍により、海常との試合は順調に進んでいく








第3Q、残り3分



誠凛 68-74 海常



黒子がいないながらも何とか食らいつく誠凛

だが体力も削られ、どうしても逆転が出来ない

圧倒的不利な状態で##NAME1##とリコの顔も険しくなっていた


『………………』


「カントク…何か手はないんですか?」


ベンチに座っていた他のメンバーがリコに問いかける


リ「……前半のハイペースで策とか仕掛けるような体力残ってないのよ
  せめて黒子君がいてくれたら……」


黒「……わかりました」


リ「「え?」」


リコの言葉に反応した黒子がムクリと起き上がり、ベンチから立つ


黒「おはようございます
  じゃ……行ってきます」


黒子が何事もなかったこのようにコートに入ろうとするのをリコと##NAME1##が引き止める


『ダメ!!まだ落ち着いたばかりだよ!?;』


リ「てか、フラついてるじゃない!!;」


黒「? 今行けって、カントクが……」


リ「言ってない!
  ”たられば”がもれただけ!」


黒「……じゃ、出ます」


リ「『オイ!』」


2人が説得しても黒子は引き下がらない


黒「ボクが出て、戦況を変えられるならお願いします


  ……それに約束しました



  火神君の影になると」



リ「『………………!』」


黒子の意地がヒシヒシと伝わる一言だった

そんな黒子にリコは溜め息をつく


リ「わかったわ……!
  ただし、ちょっとでも危ないと思ったらスグ交代します!」


『…はぁ。ほんと、こうと決めたら頑固なんだから…
 こっち来て
 ケガの具合、マシにしてあげるから』



第4Q、残り5分

黒子がコートに入り、戦況が変わった

黒子の見えないパスが敵を翻弄する



笠「慣れかかっていたのにまた元のウスさに戻ってやがる……!
  第2・3Q丸々20分ひっこんでたから……!?」





誠凛 80-82 海常





誠凛の攻めに体育館内も騒ぎ出す


「うおお!!マジか!?
 点差が詰まってる……!?」


日向にボールが渡り、また誠凛がシュートを決めた


「まさか……ウソだろ……!?」








誠凛 82-82 海常








「…………同点……!?」


「同点だぁー!?
誠凛、ついに追いついた!!」


体育館中と誠凛側のベンチが大盛り上がりする

ただ一人、その事実に呆然とする者が…




黄「(―――同点!?)」




黄瀬がニヤリと笑い、火神と黒子を見据えた

コートの外で見ていた##NAME1##がその変化に気づく



『…(涼太…!?)』




それはコート内にいた火神と黒子にも伝わった




火「(コイツ……フンイキが変わった…!?)」




ボールを手にした黄瀬が予想外の速さで黒子を抜いていく

火神は先程と同じように黄瀬のマークをした


火「黒子……!」


黒子がまたバックチップするため、背後から黄瀬のボールに狙いを定める

だがその瞬間、黄瀬はボールを反対側に持ち替えた


火黒「「………………!!」」


リ「なっ……!」


それはベンチ側でも衝撃が走る




『(テツヤの気配を本能的に察知した!?)』




黄瀬は固まっていた火神の横を通り、ダンクを決める


黄「オレは負けねぇスよ
  誰にも、黒子っちにも」


ずっと前の黄瀬の余裕ある表情が一変、鋭い目つきになり攻撃的になった




火「(コイツ、ここに来て……まだ強くなんのか!?
  黒子も見切ったってのかよ!?)」


『(というより…負けというレッテルが見えてきて怖がってるだけ…涼太…)』


黄瀬の変化に火神だけでなく、日向達も警戒する


日「やべえな……全員気ィ付けろ
  こっから試合終了まで、第1Qと同じ……」






点の取り合い(ランガン勝負)だ!!
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