第5Q




黄「黒子っち……!」


悔しそうな表情で黒子と火神を睨む黄瀬


黒「…………黄瀬君は強いです
  ボクはおろか、火神君でも歯が立たない

  …けど、力を合わせれば…

  2人でなら戦える」


黒子の言うことに黄瀬は納得がいかない



黄「……やっぱ黒子っち変わったっスね…
帝光時代にこんなバスケはなかった

  ……けど、

  そっちもオレをを止められない!
  そして、勝つのオレっスよ……!

  黒子っちの連係をお返しすんのはできないっスけど……
  黒子っちが40分フルに保たない以上…後半ジリ貧になるだけじゃないスか」


パシッと黄瀬は回ってきたボールをキャッチする

しかし、火神は慌てない


火「…………そーでもねーぜ!」


火神が黄瀬のマークをするかと思いきや……


黄「なっ……!?」


目の前に立っていたのは黒子



笠「黒子が……黄瀬のマーク!!?」


海常の選手が全員驚く


黄「……まさか夢にも思わなかったっスわ
  黒子っちとこんな風に向き合うなんて」


黒「……ボクもです」


ボールを持った黄瀬にどんなことをするのか海常の選手、監督がジッと見つめる


黄「一体……どーゆーつもりか知んないっスけど……
  黒子っちオレを止めるのはムリっスよ!!」


ダッとアッサリ黒子を抜いた黄瀬だが、次に前にいたのは火神


黄「………………!」


火神が前に現れたことにより黄瀬の動きが一瞬止まる

ベンチにいたリコが上手くいったとばかりに嬉しそうにした




『(残念涼太
 本当の狙いは…)』



リ「”止める”じゃなくて
 ”獲る”のよ!」




パシッ!




黄「なっ!!?」


黒子が一瞬の隙をついて、黄瀬の後ろからバックでボールを弾いたのだ



黄「(バックチップ―――――!?
  火神のヘルプでひるんだ一瞬を……!?)」




火「オマエがどんなすげぇ技返してこようが関係ねぇ
 抜かせるのが目的なんだからな」


そしてまた火神がレイアップで決め、誠凛に点が入る

そう、黒子がマークに入ったのはわざと

わざと抜かせ、火神のヘルプと連係してボールを奪う作戦だった


笠「……やっかいだな、クソ…
  ダブルチームの方がまだマシだぞ」


海常は2人の連携に焦る


『テツヤのカゲの薄さで、後ろからの攻撃はいくら涼太でも反応できない』


しかし、黄瀬は諦めていない


黄「そんなの抜かなきゃいいだけじゃないスか
  誰も言ってないスよ」


黄瀬はシュートの体制に入る


黄「外(3P)がないなんて」


だが、ここも作戦通りだった


『私がいるのに、予想できないとでも思ったの?』


黄「…………!!」








バコッ!!






火神が黒子の頭に手をついてジャンプ

黄瀬のボールを防ぐ




黄「(やられた……!!
  つまり平面は黒子っちが、高さは火神がカバーするってことスか…!!)」


その様子を見ていた笠松も驚愕の目で二人を見た


笠「(外からのシュートはモーションかかっからな…
  やっかいだぜ、やっぱコイツら……!

  そもそもこの流れを作ってんのは11番だ
  コートで一番のヘボで一人じゃなんもできねーはずが…
  …信じらんねーーー!!)」



日「行くぞ!速攻!!」


黄「っちっ……!」


黄瀬が誠凛の速攻を止めるべく、勢いよく振り返った







ガッ!







その時、偶然黄瀬の拳が黒子の頭に直撃する


『!!』


黄「あっ!!?」


リ「黒子君!!」



黒子は勢いよく床に倒れこんだ



「レフェリー、タイム!!」


すぐに仲間達が黒子の側に駆け寄る

黒子が顔を上げると額から血が流れていた


日「大丈夫か黒子!?」


黒「……フラフラします」


リ「##NAME1##ちゃん!救急箱!!」


『はい!』


火「おい……大丈夫かよ!?」


火神が恐る恐る黒子に状態を聞く


黒「大丈夫です
  まだまだ試合はこれからで………しょう……」








パタン……








誠「「黒子ォーーーー!!」」


倒れてしまった黒子を皆で運んでいるのを笠松は残念そうに見る


笠「不本意な結末だが……終わったな…
  あの一年コンビが欠けた以上…あとは点差が開くだけだ」




黄「(黒子っち……)」



怪我をさせてしまった罪悪感から黄瀬はチラリとしか黒子の方を見ない
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