第5Q





リ「火神くんでも歯がたたない黄瀬くんの弱点がパス回し以外、コート上で最弱の……
  黒子くん…!?」




『そうです…
 いくらキセキの世代と言われる天才でも、”みえてなければ”コピーできない
 それに、涼太にカゲを薄めろ・なんて無理な話ですから』


##NAME1##は帝光時代から、黄瀬の才能の限界に気づいていた


”今のまま”ままでは”キセキの世代”のコピーは不可能
自分の能力以上の才能に加えて、個々のスタイルが違いすぎる


そして、”見ることのできない”黒子のスタイ
ルもコピーができない



『(でも、私のデータではテツヤだけじゃない…今は無理でも将来的には…)』


##NAME1##は1人、まだ見ぬ未来を思い眉を顰める


黄「で?確かに黒子っちのプレイだけは見てもムリっス
  けどそれで何が変わるってゆーんスか?」


黄瀬は火神に不敵に笑った


「第1Q終了ー!
休憩(インターバル)2分です!」


そこへ丁度笛が鳴った

選手達は各々ベンチに戻っていく中、火神と黄瀬だけは未だに対峙していた



火「変わるさ!
  次の第2Qでホエヅラかかせてやる!」


そう言って火神は誠凛ベンチに戻っていった




誠凛 27-35 海常




ベンチに戻った火神は自分が考えた作戦をリコと皆に話す


リ「……なるほど………うん

  いけるかも、ソレ」


『やっと頭冷えたのね………;』


火「いや、オレは最初から……」


「「超ムキになってたよ!」」


ウンウンと頷くリコと##NAME1##に火神が言い訳をするが、先輩二人が横からツッコむ


リ「けど黒子君と火神君、2人の連携が大事よこれ、できる?」


火「……う……なん…とか……」


リコの指摘に火神が微妙な返事をした。



ビスッ!!


そんな火神に黒子が脇腹にチョップを入れた


火「テメ、何いきなり……!!」


プルプルと痛みに堪えながら火神は黒子を睨みつける


黒「黄瀬君を倒すんでしょう?」

  そんな弱気でどうするんですか?」


御尤もな指摘に火神は言葉に詰まる



火「ったりめーだ!!!」



ズビッ!!



お返しとばかりに火神が黒子の脇腹にチョップを入れる


黒「~~~っ!」


リ「んじゃま……」


そんな2人のやり取りに気が引き締まったのか、先程よりチームの顔つきが変わった


リ「逆襲よろしく!」


リコの掛け声と笛の音で再びコートに入っていった










第2Qが始まり、日向はまず海常の陣型を確認した


日「(海常DFはマンツーのまま…よし!)」


パスによって火神にボールが渡る

目の前には火神をマークする黄瀬がいた


黄「…………?
  何か変わったんスよね?」


そんな黄瀬の言葉に何も反応せず、火神はドリブルで抜こうとした


黄「(…………?
  ただのドライブ_?
  またフェイダウェイとか…?)」


しかし火神が突然後ろにパスを出した



黄「!?」


それに驚いた黄瀬がボールに目をつられる



パンッ!



しかし、そこにいたのは黒子




黄「(黒子っちと連携で―――!?)」




火神は一直線に抜くことを止め、黒子を通して黄瀬を抜かせたのだ

黒子のパスで黄瀬を抜き、再び火神にボールが戻る

そのままダンクを決め、誠凛に点が入る





誠凛 29-35 海常





火「っし!!」


『大丈夫そうですね』


リ「えぇ!」


ベンチにも嬉しそうな##NME1##とガッツポーズをするリコの姿があった

再び火神がボールを持ち、ドリブルで黄瀬を抜こうとする

そして、先程と同じように後ろにパスを出した


黄「また……スか!?

  (同じ手には――――…)」




しかし、黄瀬の動きに反応した黒子は火神に……






パンッ!






ではなく、ノーマークだった日向にパスを出した


黄「あっ!!?」


日向はそのままシュートを放つ

ボールは吸い込まれるようにリングに入った


「来たぁ、3Pーー!!」


「3点差!!」


点差が縮まり、どちらが勝つかわからない試合に体育館中が盛り上がる


日「ちょっとは見直しかね、1年二人!」


日向がキラリとかけていた眼鏡を上げ、チームメートの方を振り向いた


日「おお!?」


……が、誰も聞いちゃいなかった

海常は点差が縮まり、警戒が強まった


笠「……いや、相当打ちこんでるぞ、あの4番……後半、気ィ抜くなよ」


キャプテンの笠松がチームに締まりを入れる


笠「それよか10番(火神)だ
  抜くパターンに11番(黒子)の中継パスを組みこんできやがった」


「…………?」


どうやら笠松が言いたいことにチームは分かってないようだった


「パスもらうだけだった10番(火神)がパスするようになっただけだろ?
 そこまで変わるのか?」


笠「えらい違いだよ、バカ!」


そんなチームに笠松が怒鳴る


今までは黒子のパスと火神の1on1はあくまで別々の攻撃パターン…

ただの二択に過ぎなかった

だが、パスが繋がったことでお互いの選択肢が増えて



前より一段上の攻撃力になる!



リ「しかも、その要である黒子君は黄瀬君が動きをコピーできない……いわば天敵!
  火神君と黒子君……この二人なら…」


そんなベンチで力説するリコと真白の目の前で火神と黒子のパスミスが起きていた



リ「まぁ、多分……ギリで……いける!」


『……本気でギリじゃないですか…?;』
1/4ページ
スキ