第4Q






「それでは試合再開します!!」


そのコールが響くと、ザワザワと体育館が騒つく


火「やっと出やがったな……」


日「スイッチ入るとモデルとは思えねー迫力だなオイ」


黒「……伊達じゃないですよ、中身も」




リ「(改めて視ると……
  バケモノだわ……

  黄瀬涼太……!)」


海常はとうとう黄瀬を投入

リコの目が黄瀬のパラメータを調べると、どれもずば抜けて高かった


「キャアア!!黄瀬クーン!!」


リ「え!?何なの!?」


『…ここでもか…;』


突然の女子の歓声にリコがビクつく

と同時に##NAME1##は呆れたように、諦めたように項垂れた


『涼太のファンです
 試合に出るといつもこんな感じに…;』


リ「大変ね…モデルっていうのも……」


『一度涼太に助けを求められて彼女役をやったら次の日から下駄箱が画びょうで覆いつくされてたことがあって…
 
 殺されるかと思いました…(遠い目)』


リ「あぁ…だから誠凛の時”妹”設定だったので…
  ##NAME1##ちゃん…お疲れ様」


「ありがとうございますっっ(泣)」



涙でにじみながらも、コートを見ると黄瀬も女子の歓声に応えていた為、キャプテンの笠松にシバかれていた


ざまぁ…と思ったのは内緒


そして、試合再開の笛が鳴る

早速海常がOFに入り、笠松から黄瀬にボールが渡った

黄瀬がダンクの姿勢に入る


黄「こっちもアイサツさせてもらうっスよ!!」


火「………!!
  (コイツ、まさか――!?)」




火神は先程ゴールをへし折った自分のフォームを思い出す






ガシャン!!







黄瀬は火神と全く同じフォームでダンクを決めた


「「おおっ!!」」


見事なダンクに体育館は歓声に包まれる


笠「バカヤロー!
  ぶっ壊せっつったろが!!」


黄「いって!スイマッセン!」


黄瀬が笠松に蹴りを入れられている間に火神は黄瀬がダンクした後のゴールを見る

ギシッギシッと音を立ててリング部分が揺れいた



火「(いや……威力はオレより…)」




黄瀬の力に冷や汗をかいていると、黄瀬が火神に正面から言った


黄「女の子にはあんまっスけど……
  バスケでお返し、忘れたことないんスわ」


そんな黄瀬の言い分にカチンときたのか、火神はゴールに一直線に走っていく


火「上等だ!!
  黒子ォ!よこせ!!」


火神の叫びに黒子が素早くパスを出した


黄「んおっっ!!やべっ!」


笠「~~~~!?」


黄瀬の真後ろを通り、火神にパスが行き渡る

黄瀬は不意打ちを突かれ、笠松は突然現れた黒子に驚いていた


笠「(さっきからどっから出てくんだコイツはーーー!?)」


火神は再びダンクを決める


火「こっちも全開でいくぞ!!」



誠「「「おお!!!」」」








リ「(ちょっ……何よコレ……)」


試合を見ていたリコが呆然としていた




誠凛 16-17 海常




小「なんなんだ一体!?
  このハイペースは!?

  まだ始まって3分だぞ!?」


試合を観戦していた誰かもリコと同じことを思っていたのだろう


リ「(こんなの……ノーガードで殴り合ってるようなもんじゃない…!

  DFは当然、全力でやってる……
  ただそれより、お互いの矛が強すぎる……!!)」






これが……”キセキの世代”同士の衝突……!!







日「……うぉっ!?」


ボールが日向に渡り、海常の選手にマークされていた


日「(けど黄瀬以外の4人もこの圧力……!!
  いっぱいいっぱいもいーとこだぞコレ!!

  情けねー話だけど、黒子と火神がいなきゃ一気にもってかれる……
  いつまで保つんだこの均衡……!?)」


ボールが火神に渡り、ゴール付近まで進む

黄瀬にマークされていたが一瞬の隙をついて、後ろに飛んだ


「むっ!?」


『後ろに……フェイダウェイ!?』


しかし、黄瀬は火神のシュートを防ぐ


火「なっ……!?」


そのまま黄瀬が自チームのゴールに向かい、再び火神の動きをコピーした




火「(フェイダウェイ…!?
  コイツまた……!!

  しかもキレがどんどん増してやがる……!!)」


火神は黄瀬のシュートを防げず、海常に点が入った



『…カントク、TO取った方がいいと思います』


リ「…私も同意見よ」


『流れを切るのは気が引けますが…
 それより選手たちの身体の方が心配です』


リ「そうね
  ちょっと行ってくる」



そう言ってリコは審判の元へ申請していった




『(! テツヤも同じ考えね…
 …”テツヤの方も限界”、か…)』


「誠凛、TOです!!」
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