第4Q




「それではこれから、誠凛高校対海常高校の練習試合を始めます!!」



選手が揃い、練習試合が始まる

誠凛のレギュラーがコートに立った


「……や…あの……だから始めるんで…誠凛、早く5人整列して下さい」


海常も5人揃ったところで審判が始めようとするが、誠凛側には4人しか姿が見えない


と、思えるのだが……




黒「あの……います、5人」


「「「……おおぇ!!?」」」


存在を気づかれていなかった黒子が自己申告すると、審判も海常の選手も心臓が止まるくらいにビックリしていた


「うおっ……なんだアイツ!?」


「薄っすいな~カゲ……!」


「あんなんがスタメン…!?」


周りで練習していた選手も目の前にいる海常のレギュラーも黒子のカゲの薄さに驚いたが、


「(うっわ、目の前にいて気づかなかったし……!)」


「(ショボ……こりゃ、10番(火神)だけだな、要注意は)」


「(てか、バスケできんの!?)」





大したことないと思い、気にも留めなかった


監督「話にならんな……
   大口たたくから、もう少しまともな選手が出てくると思ったが」


監督が呆れた顔で誠凛の選手を見る



黄「……どうですかね」


海常側で唯一黒子の実力を知っている黄瀬は楽しそうに笑った


黄「まあ、確かに……まともじゃないかもしんないスね」












=誠凛ベンチ=



『…………』


リ「(…………あららら~~~!?
ちょいと……ヤバくね!?)」


試合開始直前、リコの目が海常の選手の体を分析し始めた



『どうしました?カントク』


リ「服の上からじゃ全部は視えないけど…

フィジカルは完全に負けてるかも…


正直、さすが全国クラスってカンジね……
  

(コッチも黒子君と火神君がいるとはいえ……あの二人の力がどこまで通用するか…!?)」



『大丈夫ですよ
 まだ連携が未完成とはいえ、テツヤと初めてやる時点で流れはコッチのものです』






ブザーが鳴り、試合が始まった

ジャンプボールで先に取ったのは海常



笠「っし!」


キャプテンの笠松がそれをキッチリ取り、まずは態勢を立て直す


笠「んじゃ、まず一本!
  キッチリいくぞ!」


ドリブルしながらチームメートに指示を出す



スパンッ



その直後、黒子が一瞬にして笠松からボールを弾き飛ばす


笠「なっ…にぃ~~~~!!?」


そして、そのまま自らがドリブルをしてゴールへと向かう

笠松は突然のことに驚いたが、素早く黒子の元へと走っていく




笠「(……っと思ったらなんだ…コイツ遅ぇ!!)」


笠松が黒子のマークに入った直後、黒子がパスを出す



笠「あ!?」


その先にいたのはほぼ黒子と同時に走り出していた火神

黒子のパスを受け取った火神はそのままゴールに向かってダンクの姿勢を取る




火「(くらえ!!)」




『(あれ?あれって年季入ってて…火神くんのあの勢いとパワーじゃ…)』








バキャ








ダンクと同時に嫌な音が体育館の中に響いた



火「お?」



火神は床に着地するとその手に持っていたものを改めて見る



火「おお?」



その手には本来なら絶対あるはずのないゴールのリングが握りられていた

火神のダンクの衝撃でリングを根元から折られていたのだ


「おおおぇぇ~~!?
ゴールぶっこわしやがったぁ!!?」


体育館中がザワザワと騒ぎ立てる


「あっぶね、ボルト一本サビてるよ…」


「それでもフツーねぇよ!!」


海常のベンチ、誠凛のベンチでも両監督が口をあんぐりと開けていた


そんなリコの隣では予想通りになって肩を震わせている##NAME1##が…



『(ヤバイお腹痛い…ww)』



火「どーする黒子、コレ」


リングを弄びながら火神が黒子に言う


黒「どーするって……まずは謝って、それから……

  すみません
  ゴール壊れてしまったんで、全面側のコート使わせてもらえませんか」


黄瀬が二人の様子に薄っすらと笑みを浮かべた
3/9ページ
スキ