episode1 初めまして
『…軽い運動にはなったかしら?
マスター!』
屍の山を築いた後、マスターに頼んで海軍を呼んでもらった
元海軍とはいえ昔の同僚に会うのも気まずいので町はずれの森の中を歩いていた
『にしてもいい天気
景色もサイコーー!!』
思わず叫んでしまったのだが
後ろからボトッという音が聞こえたような気がした…
…聞こえてしまったような気がした…
恐る恐る振り返ると、白い大きな塊があり
「う~」という唸り声と共に物体がもぞもぞと動き出した
「いてて~」
『…クマ?;』
目の前にいたのは白くま…
だが人間の様におしりをさすりながら立ち上がるし、言葉をしゃべっている
そういえば動物が話す島があるって聞いたことある様な…
腕を組み悩んでいると、白くまが勢いよくこちらを向いた
「あ、えっと!俺ベポって言うんだ!君は?」
『(…本当に喋ってる…)
…##NAME2##・##NAME1##…』
ベ「##NAME1##って呼んでいい?
俺の事もべポでいいよ!」
『…ベポ、ね…よろしく』
ベ「さっきこの木の上で昼寝してたら急に大きな声が聞こえてね!
びっくりして落ちちゃったんだ!」
その言葉を聞いて、##NAME1##は先程の『景色がサイコー!』と叫んだことを思い出した
『ご、ごめんなさい!
きっと私だわ…人がいるとは思わなくて…;』
べ「大丈夫だよ!オレ丈夫だから!」
『そ、そう?;
…所でベポって…
ハートの海賊団なの?』
ベポが着ているツナギにあるマークに覚えがあった
確か問題ルーキーとしてよく話題になっていた海賊団だ
「へぇ よく知ってんじゃねぇか」
『!』
急に上から声が聞こえ、周囲を警戒すると
ベポの隣に大刀を持った男が降り立った
「…さすが、元海軍中将だな?」
『…これはこれは…トラファルガー・ローさんに名前を憶えて貰えるなんて光栄ね』
ロ「へぇ…俺の事、知ってんのか」
『よく話題になってたわ
北の海で”死の外科医”と呼ばれるルーキーがいるってね』
刀に手を掛けながら、注意深くローとベポを見つめる##NAME1##
そんな##NAME1##の目をまっすぐに見つめ返すローは、1つの笑みを浮かべ話しかけた
ロ「ふ、そうか…
で、海軍を辞めたお前がなぜここにいる?」
『…この海を自由に回ってみたかったからよ』
ロ「”自由”って言うわりには、行く先々で海賊を海軍に引き渡してるそうじゃねぇか
…まだ海軍に、未練でもあんのか?」
『勘違いしないで
あっちが勝手に絡んでくるのよ
こっちは正当防衛…
海軍に未練もないしね』
顔を歪め否定すると、ローは手を顎に当て考え込む
顔をあげたかと思えば予想外な問いかけが飛んできた
ロ「…なら、俺の船に乗らねーか?」
突然の勧誘に驚きを隠せない##NAME1##だが、表情を固くして答えた
『…噂のルーキーからのお誘いは嬉しいけど
私は1人でグランドラインを回りたいの
まして初対面のあなたに魅力もメリットも感じられないわ?』
ロ「くっくっく
手厳しいな…
気が向いたらでいい
俺たちは明日の昼までここにいる予定だ」
それだけ言うとベポを引き連れ立ち去ってしまった
『…トラファルガー・ローね』
まぁ私個人としても、"アイツ"にしても…
無関係とはいえないのよね…