episode5 私の過去





シャぺべ「「「『かんぱーーーい!!!』」」」



5人でビールを片手に乾杯し、シャチ、ベポ、ペンギンは勢いよく飲み干した


居酒屋と言っても、ローが騒がしい場所を好まないので、個室にしてもらった


シャべぺ「「「ぷはーー!!」」」


『いいのみっぷりだね(苦笑)
すみませーん!生3つくださーい!』


店員「はーい!」


ぺ「##NAME1##、気を遣う必要はないぞ」


シャ「そうそう!ほら##NAME1##も飲んで食えよ!」


そう言っておつまみをズイっと渡すシャチに、##NAME1##も礼を言いながらつまんでいく


そんな4人の姿を、ローは黙って見守っていた





だいぶお酒が進み、今までの航海や島の話しに花が咲いてきたところでシャチが切り出した



シャ「そういや、なんで##NAME1##は海軍を抜けたんだ?」


その言葉に##NAME1##は手を止め、ローに少し目配せをしてからグラスを置いた


『…みんなに、聞いて欲しいの
私の過去…何で軍を抜けたのか、なんでガープさんと出会ったのか…

その上で判断して欲しい


私が本当に…仲間になっていいのかを…』



##NAME1##の表情に気づいたペンギンは「俺たちが聞いていいのか?」とローと同じ事を聞いてきた



『…今までの話だと、ペンギン達が一番キャプテンと付き合いが長いでしょ?

だから、みんなに見極めて欲しいの


私が、キャプテンの足かせにならないか


みんなの…重荷にならないかを』



ぺ「…わかった」


べ「##NAME1##…」


シャ「…話を聞く前に、これだけはいっておくぞ」



『?』


シャ「お前はもう、俺たちの仲間なんだからな!キャプテンが降りろととか、お前がもう嫌だ!って言わない限り、俺たちはずっと仲間なんだ!」


『! シャチ…』


ぺ「シャチにしては良いこというじゃないか」


シャ「…おい…」


ぺ「でもまぁ、シャチの言うとおりだ

##NAME1##の話しを聞くのも、知りたいと思うのも、これからを共にする仲間だからだ
そこは、何があっても変わらないからな(ニカッ)」


べ「俺もだよ!ずっと一緒だよ!」


『ペンギン…ベポ…』


ロ「言っただろ、俺のクルーに、そんな器が小せぇやつはいねーよ」



自慢げに口角を上げるキャプテンに、##NAME1##は4人の顔を見渡して再度話す決心を固めた



『キャプテン…皆、ありがとう…

でも、本当に重荷だと思ったら、言ってね…


私は…



世界政府に追われてるから…』




「「「「!!」」」」



シャ「せ、世界政府!?」


ぺ「…##NAME2##一族の力と、関係があるのか?」


『そういうこと…っと、その前に…


"リプロダクション""ナギナギ"』



ロ「!!」


『"サイレント"』



ブゥンッ



『これでいいわね』


ロ「…お前っその技…!!」


『…えぇ…3人も知っているのかしら?』


ロ「…あぁ」


『なら名前を出しても大丈夫ですね…

この技は、コラソン…ロシナンテからコピーしたものよ』


シャベ「「え!?」」


ぺ「コラソンって…船長の恩人っていう…!?」


『私とコラソン…本名はロシナンテって言うんだけど、彼はセンゴクさんの部下、私はガープさんの部下で、上司同士が仲が良かったから良く一緒に稽古したりしてたの

境遇も、お互い上司に拾われた身だから意気投合してね…


まぁ、私も当時3歳だったから子供の面倒を見る感覚だったんでしょうけど(苦笑)


彼とキャプテンと出会ってからも、私がロシナンテとセンゴクさんの連絡係だったから、よくキャプテンの話は聞いてましたし、1回だけ見たことがありますよ』



ロ「!…ってことはお前、あの時近くにいたのか…?」


『えぇ、まぁ私のコピコピの実を持ってすれば楽なモノですよ』


ぺ「…##NAME2##一族と海軍との衝突の話しはきいたことがある…

確か輪廻転生っといって"前世の記憶"を引き継ぐんだろ?」


『そう…私達はログがとれない動く島に住んでいたんですけど…
海軍にみつかり"輪廻転生"を危険視され


バスターコルによって海軍…
大将赤犬にみんな焼き尽くされました』



ぺシャベ「「「!!」」」


シャ「バスターコール!?」


『…さすがに当時私も幼くてね…
両親に逃がされて、たまたま森で出会えたのが前世でも知り合いだったガープさんに保護してもらって、海軍に入隊しながら育ててもらったってワケ』



ぺ「なるほどな…」



『けど、上層部からガープさんへ出た指示は
"海軍入隊を許可する代わりに研究に協力すること"だった


だから海軍の上層部と取引をしたの


“実験に協力して任務にも参加するかわりに、私の衣食住の保証と後見人であるガープさんの処遇を不問にすること”ってね』



ぺ「そうか…殲滅対象であった##NAME1##を保護するってことは、海軍としちゃマズイよな」


べ「よく保護してくれたね」


キャ「さすが海軍中将ってとこか?」


『まぁ中将の肩書きもあったんだろうけど…
“英雄ガープ”の肩書きが一番大きかったんじゃないかな?


私も保険としてそう条件を出したけど、あんまり意味なかったっぽいし…』


そう言ってお酒を仰いだ##NAME1##に、横目でキャプテンが質問をしてきた



ロ「…お前が言っていた“研究”
それがお前が海軍から逃げた理由か?」



『…さすがキャプテン

…まぁ、実験内容はあまり気分がいいものじゃないから大まかに話すけど…


最初は“##NAME2##一族の前世の記憶についての調査と他人への譲渡について”が目的だった

それが年数が経つにつれて“不老不死”にたどり着くという目的に変わっていった』



ロ「(不老不死…)」



『その頃に担当者の研究者メンバーも総変わりして実験も過激になってきてね…

1回逃げようかと思ったことがあったんだけど…
“ガープとお前の弟たちがどうなってもいいのか”って人質とられちゃって(苦笑)』


ロ「弟?」


キャ「え、だって…##NAME2##一族は…」


『あぁ、弟って言っても血の繋がった弟じゃなくて義弟ってこと

知らないかな?
東の海の“麦わらのルフィ”』


ロ「!」


べ「え!」


ぺ「…知ってるも何も、話題の賞金首だろ…」


キャ「え?あいつが##NAME1##の弟なの!?」


『ルフィ!!がガープさんの孫なの』


ぺキャべ「「「え!?;」」」


ロ「…モンキー・D・ガープとモンキー・D・ルフィ、か…」


ぺ「あ、確かに名前が一緒だ…」


『ガープさんが私の後見人になってから、よくルフィの特訓の相手をしててね…


ちなみに言うと私達は4姉弟でね


1人は海に出たときに世界貴族のせいで殺されちゃったけど…
白ひげ海賊団の“火拳のエース”も義弟だよ
だから私がメラメラの能力を持ってたの』



ぺ「…もう、凄すぎて驚きもしねぇよ…;」


キャ「え?え!?じゃあ##NAME1##の義弟って2人とも海賊なのか!?」


『そういうことになるね
まぁ今となっては無事姉弟で海賊になったから、海で会ったら戦うけど…

当時はまだルフィが8歳?とかだったから

さすがに人質にとられちゃ私も身動きとれなくって(苦笑)


2人が海に出るタイミングを待ってたのよ』



ぺ「なるほどな…」


つまり##NAME1##は大切な人を人質に取られて、その身を犠牲にして守り、命からがら海軍から逃げてきたのだ


重い話しに静かになるペボ達に、##NAME1##はできるだけ明るく話して少しでも空気を軽くしたかった



ロ「…おい」


『? はい、キャプテン…?』


ロ「無理して笑おうとすんな」



ローの一言に"ドキッ"とする##NAME1##だったが、ここで再び空気を重くするわけにはいかない、と表情を変えることはしなかった


『…無理してないですよ
まぁさすがに万単位の電流流され続けたときは心折れかけましたけど(苦笑)

でも耐えられましたし「そうじゃねぇ」…え?…』


ロ「体は回復してたかもしれねぇが…心は、違うだろ

しかも何年じゃなく二十数年間だ

お前のことだ


“自分が泣いている姿を見せたら心配掛ける”

とでも思って、1人で耐えてきたんだろ



立派だよ、お前は」



『…』



ぺ「…っ、##NAME1##…」



気づけば私は


4人の驚愕する視線を受けながら


涙を流していたらしい
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