episode4 初上陸








「島に着いたぞーーー!!!」


朝食を優雅にいただいているうちに、なんと島に上陸したようだ


『キャプテン、島に着いたら船番と捜索隊で分かれるんですか?』


ロ「基本そうだな」


『なら私、捜索隊に加わっても?』


ロ「…なんだ、ノリ気じゃねぇか」


『そりゃあ
"ハートの海賊団として"の初めての島ですから(ニカッ)』


ロ「…ふ、そうか」


シャ「おーい!##NAME1##〜!」


『はーい!
キャプテンはどうします?』


ロ「…行くぞ」


命令口調だが、ローの参加も決まったようだ










上陸した島は"春島"ユラリ島と言うらしい


海岸に降りてみると、目の前には菜の花が一面に広がっていた



『うわ〜…!綺麗!』


シャ「さすが春島だな〜!」


『お店とかあるのかな!?』


ぺ「目の前にある山の向こう側…ここから反対側には少し街があるみたいだな」


ベ「あ!ほんとだ!煙が見えるよ!」


イ「でも、海軍がいるかもしれないから…
##NAME1##、大丈夫?」


昔の仲間に会うことになるかもしれないと心配してくれるイッカクに、何の未練も持っていない私は笑顔で『大丈夫!』と答えた


ロ「イッカク、船は任せる
##NAME1##、ペンギン、シャチ、ベポ、来い」


手短に言われたキャプテンの命令に、みんなが「「アイアイ!」」と返事をしてそれぞれが動き始める


呼ばれたペンギン、シャチ、ベポの後を追うようにローへと近づいた


…私も"アイアイ"って返事したほうがいいのかな…?








街に行くには山を越えないといけない


山を越えるには…坂道を歩かなければならない


シャ「あ゛ぁぁあ〜〜〜〜〜!!!
しんどい!!!」


ベ「山道って長いんだね… ##NAME1##は平気?」


『まぁ…海軍時代は1日中山道往復したりしてたからね…
…私の能力で飛ぶ?』


シャぺベ「「「賛成!!!!!」」」


『キャプテン、いいですか?』


ロ「あぁ…」



ローも見かけによらず体力はあるようだが、さすがにこの山道は堪えるものがあったらしい


船長の許可が出たところで能力を発動する


『リプロ "フワフワ"』


シャ「おぉ!!!」

ぺ「おぉ!」

ベ「凄い!!浮いた!!」

ロ「…」


4人は自分の身体が無重力のように浮かび上がってはしゃいでいた


ローも珍しく目を見開いて驚いていた


そんな4人の姿を微笑ましく眺めながら、先を促す



『じゃあこのままひとっ飛びしますよ〜』


グンっと上に引っ張られる感覚が4人を襲うが、木が避けているのではないかと錯覚するほどに何も当たらず、ぐんぐん頂上へと近づいて行った


楽しそうにはしゃぐシャチ、ベポ、ペンギンの姿を見て嬉しくなった##NAME1##は、そのままスピードを上げ、木々を追い越し大空へと向かって行った


シャ「ちょ、ちょちょちょちょ##NAME1##!?どこまで行くんだ!?」


ぺ「うおぉー!?」


ベ「わ!わ!!早いよ!!!」


ロ「っ、」


『下、見てみて』


シャ「え?下…?」


ペ「すげー…」


ベ「わ〜〜!!凄い!島が全部見えてるよ!」


『ふふふ♪』


3人の喜ぶ姿に嬉しそうに笑う##NAME1##

そんな##NAME1##に、ローも楽しそうに声をかける


ロ「楽しそうだな」


『はい!みんなの笑顔が見れて満足です!』


しばらくの間空の旅を楽しんだ後、ローの「街を見る時間がなくなるぞ」という言葉に反応し、急降下を始めた



そう、急降下



シャ「わーーーわーーーわーーーわわわーーーーーー!!!」


ペ「##NAME1##!!速度を!!速度を落としくれーーー!!!!」


ベ「俺もう死ぬんだ…」



シャペ「「諦め早いな!!!?」」




『え〜?だって時間なくなるみたいだし…』


ロ「…おい」


『わかりましたよぉ〜…(しゅん)』


キャプテンの不機嫌な一声で速度を落としてゆっくりと地面に近づく##NAME1##達


だか、ここでも悲劇が襲うのだ



ぺ「ぜぇ、ぜぇっ、ぜぇ…
や、やっと地に足ついたぜ…っ」


シャ「し、死ぬかと思った…;」


ベ「でも、お花綺麗だったな〜」


シャペ「「呑気だなぁお前は!!」」


ぺ「すみません」


シャぺ「「打たれて弱っ!!」」



ロ「こっからは坂道だ
もう能力は使わなくていい」


『あ〜せっかくの浮遊旅行だったのにぃ…
〈ブゥゥンッ〉ん?』


ロ「どうした?」


『…いや、なんでも〈ブゥゥンッ〉…え…』


固まる##NAME1##の横で、男4人がコソコソと話し出した


シャ「なんかブンブン言ってねぇか?」


ぺ「そうだな…なんだ?」


ベ「蜂じゃないかな!」


ロ「山ん中じゃ珍しくもないだろ
とりあえず、お前ら動くな『いやー!!!ムリー!!!』っ、おい!」


ローの静止の声も聞かず、坂道を爆走する##NAME1##に、ロー達は慌てて追いかけ出す


『虫はムシできないのよー!!!ムリムリムリムリぃーーーー!!!!あっち行ってぇぇええ!!!!』


ぺ「落ち着け!!蜂は動かなきゃ襲ってこないんだ!」


『嘘だもん!近づいてきて刺されるもん!!!』


ロ「ちっ!"ROOM""シャンブルズ"!」



ローが能力で離れたところにあった石ころと蜂を入れ替えたことにより、蜂の大群は標的を見失ってその場から離れて行った


が、##NAME1##はどんどん離れてゆく



『ムリムリムリムリムリムリムリムリムリムリムリムリムリムリムリ!!』


ロ「いい加減っ止まれ!
"タクト"!」


再び発動したローの能力によって今度は##NAME1##が宙に舞う番だった


『え…?』


ロ「人の話しを聞け!このバカが!」


『バっ、バカって何ですか!虫は本当にダメなんですよ!!』


ロ「もういねぇよ!」


『嘘ばっか…あれ?ほんとだ…』



宙に浮いたままローと口論していた##NAME1##だったが、ローの一言で冷静さを取り戻し、周りを見渡せば蜂の姿はどこにもなった


次に視界に入ったのは息を切らしたペンギンたちだった


シャ「ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ、ゴホッゴホッ
お、お前っ、足早いな…っ」


ベ「俺もうダメっ」


ペ「はぁっ、はぁっ、はぁっ、」


流石に3人の姿を見てバツが悪い##NAME1##に、ローは責めるような視線を向けてきた


ロ「…何か言うことはあるか」


『ごめんなさい…;』


ロ「っはぁ、ったく…
もう街に着いたみたいだな」


『え?…おぉ!本当ですね!』



地上に下ろしてもらい前を見据えると、そこには綺麗な街並みがあった


洋服店、本屋、薬屋、武器屋…なんでも揃っていそうだ


『どこから行きますか?キャプテン』


ローへ問いかけると、ローの顔は前を見据えて険しくなっていた




『…?キャプテン…?』




「あいかわらずのお転婆っぷりじゃのぉ〜


##NAME1##」




4人が声がした方へと振り向くと、そこには十数人の海兵を引き連れながら近寄ってくる白髪の男がいた



シャ「海軍!?」


ベ「なんかいっぱいいるよ!?」


ぺ「しかも先頭にいるのは…っ」



ロ「海軍の英雄・ガープか…」




『! ガープさん!』



##NAME1##が突然走り寄り、ベポが制止をかけるもののガープも両手を広げて待っていた



そしてその胸に飛び込んで笑顔で抱き上げられる




ガ「っはっはっは!元気そうじゃなぁ!!我が孫よ!」



シャぺべ「「「ま、孫ォォォォオオ!!!?」」」



「「「ま、孫ォォォォオオ!!!??」」」



ロ「…お前、聞いてねぇぞ」



海軍との距離を保ったまま声をかけたローに##NAME1##はガープに抱き上げられたまま答える



『船長に話した、助けて育ててくれた"前世の知り合いの海兵"がガープさんなんですよ!』


そういって久しぶりの再会を喜ぶ2人をハートは若干引き気味で見守っていた



ガ「はっはっは!また美人に磨きをかけよって!
お前が逃げるとしたら北の海じゃと思うたわい!」


『え、ガープさん私を追ってきて下さったんですか?』


その言葉に思わず警戒するローたちだったが、ガープは敵意もない笑顔をみせながら「当然じゃ!」と言い放った


ガ「可愛い孫が、その身ひとつで海へ飛び出していったんじゃ…
心配したんじゃぞ」


『!…ごめんなさい。急いでたから何も言えなくて…
センゴクさんたちにも…』


ガ「なぁに。あいつらはわかっておる
やつらも、お前の身を案じておったわい」


『…ありがとう、ございます(苦笑)』


ガ「で、風の噂ではお前は海賊団になったと聞いとったが…
どうじゃ?上手くやっていけそうか?」


##NAME1##の事情を知っているとは言え、自分を連れ戻す話しになるかと思っていたが、まさかこのまま見逃してくれる話の流れになり目を見開く##NAME1##



そんなガープに##NAME1##中将を知る海兵達は声を上げる


「ガープ中将!何を!」


「##NAME2##中将が見つかった今!本部へお連れしなければ!」


ガ「じゃあかぁしい!!黙っとれ!!!」



『…ほんと、甘いですね、ガープさん(苦笑)
元気でやっていけそうですよ
珍しく、早い段階で感じましたから』


ガ「…そうかい…
するとお前たちがこいつの仲間か!」


ロ「…あぁ」


##NAME1##を抱き上げたままロー達を見るガープの顔は、1人の親の顔をしている


ガ「…ふん、"死の外科医"か…
またお前も物好きじゃのぉ!

わしはてっきり、北の海に身を隠したあと
ルフィのところへ行くと思うとったんじゃが…」


ロー達を見た後すぐに##NAME1##に問いかけるガープ


その言葉に『言われると思った』と想定内の言葉に苦笑しながらも応えた##NAME1##



『ルフィにはルフィの冒険がありますからね


見守りはしますが、仲間になるかは別問題ですよ(苦笑)』



ガ「わっはっは!お前さんらしい!」


『でも、本当に私に会いにきただけですか?』




ガ「それがな…」




『…』






ガ「お前に会いにきただけじゃ!」






ズゴーーーーっ




ロー以外の外野全員が綺麗にずっこける中、ローと##NAME1##は呆れ顔を隠せなかった



そして、ガープの後ろに控える右腕・ボガードへと顔を向ける



『…お疲れ様です。ボガードさん』


ボ「…いつものことさ
それに、君の身を案じる者は海軍に多い
一目会えて、安心したよ」


『!
ありがとうございます』


ボガードさんと少し会話を交わし和んでいると…


ロ「…"ROOM""シャンブルズ"」


シュンッ


『っと…キャプテン…?』


ボソッ
ロ「いつまでも抱かれてんじゃねぇ」


『…え、何「黙れ」はい…;』



何故怒られたのか理解できないが、ローの機嫌が悪くなったことだけはわかった


そんな2人の姿を見たガープは、ローヘ声をかける



ガ「トラファルガー・ロー」


ロ「!」



ガ「その様子じゃあある程度話しは聞いておるようじゃの

##NAME1##はわしの大事な孫じゃ


本音を言えば今すぐ海軍に連れ戻し、わしの側に置きたいところだが…


訳あって無理に連れ戻すことはできん


トラファルガー・ロー


わしの大事な孫を…

##NAME1##を泣かせてみろ


その時は、わしが全力をもってお前を殺しに行くぞ(ギンッ)」



ガープが殺気と共ににらみを飛ばし、ローへと向けられる


あまりにも強い殺気に、ローも少し怯むものの視線を外すことはなかった


そして、ローとともにその殺気を受けた##NAME1##も、ガープの真剣さ、本気を垣間見た


ロ「あんたに言われなくても
こいつは俺のクルーだ

日が浅いとはいえ、俺の仲間は俺が守り抜く」


『!(キャプテン…
ほんと、人に恵まれてるなぁ…私…)

ガープさん』


ガ「!」


『次に会った時、あなたの敵として前に立つかもしれません
けど、私の想いは昔から変わっていません


私は、私の大切な人を守りたい


今の私は海賊だけど、自分の信念に従って生きていきます


今まで、お世話になりました

そしてこれからもよろしくね

ガープさん(ニコッ)』


ガ「!…はぁ、全く、敵わんのぉ…
お前が元気ならそれでいい!

達者だな!」


『はい!ガープさんも!』



そしてガープ達は、##NAME1##達背を向けて立ち去っていった
3/4ページ
スキ