episode3 能力
『…そこで前世にお世話になった海兵がたまたまいて、助けを求めたら保護してくれて、今までその人に育ててもらってたんです
あのままあの人に出会えなかったら、私は当時から能力者だったので海に飛び込むこともできずに死んでいたでしょう…』
ロ「…お前、能力者だったのか」
『あれ?ご存じありませんでした?』
キョトン、とした顔でトラファルガーへ視線を向ければ、コーヒーに手を伸ばしながら言葉を返した
ロ「…知らねェな…
そもそも、俺が知ってるお前の情報は"元海軍中将""##NAME2##一族"…
"あの人が信頼しているやつ"ってだけだ」
『…それもそうですね
私も、"北の海出身のルーキー""死の外科医""オペオペの実の能力者""あいつが守った子"しか知りませんし…
お。私の方が1つ多いですね(ニヤリ)』
##NAME1##はローの情報を1つ多く知っていたことに勝ち誇った顔を向けるが、当のローはどこ吹く風、だ
ロ「…で、お前の能力は」
『私の能力は「敵襲ー!!敵襲ーーーー!!」…一旦お話しはあとですね』
ロ「そのようだな」
2人はシャチの声であろう「敵襲」という声に刀を持って立ち上がり、早足で甲板へと向かった
ローの後ろについていく##NAME1##だったが、甲板に近づくにつれて騒がしい声が大きくなってきた
『…これは、もう始まってますかね?』
ロ「だろうな。ったく、せっかちなやつらだ」
そう言って甲板への扉を開けると、ハートの海賊団全員で抵抗中だった
ちらりと相手の海賊船のマークを確認するが、見たこともまいマーク…自分が覚えていないと言うことは大したことは無いのだろう
少なくとも、ハートの海賊団よりは下とみた
抗戦を見ていても、ハートのクルーが押されている感じもない
これは自分と船長の出番は無いな…と思った時だった
ペ「キャプテン!」
ロ「どうした」
ぺ「左からキャッツ海賊団が近づいてきます!!」
慌ててローに駆け寄るペンギンの言うとおりに左の顔を向けると、ドクロにネコをモチーフとしたマークが目に入った
あれは確か手配書があったな…船長の名前、忘れたけれど…
明らかにこちらへと距離を縮めてきている船に、ペンギンが「賞金首ッスよ!」とローに耳打ちしている
ペンギンは参謀の様なポジションなのかな?
ロ「チッ、めんどうだな…」
『…よろしければ、私が沈めてきましょうか?』
明らかに不機嫌になったローの舌打ちを後ろで聞いていた##NAME1##が小さな声で、しかしハッキリとそう言えば
ローはニヒルに笑いながら振り向いた
ロ「お前1人で沈めるのか?」
『…腐っても、元海軍中将ですので』
ローの笑みに若干口元を引きつらせた##NAME1##だが、中将の頃は海賊船を1人で沈めるのは日常茶飯事だった
これくらいは余裕だ
それに…
『私の能力を見せるには、良い実験台になるんじゃないでしょうか?(ニヤリ)』
暗にあんなザコには負けない
と言ってみたつもりなのだが、ローはその回答が気に入ったのか「くっくっく」と楽しそうに「なら、行ってこい」と許可をもらった
『では、行ってきます』
ぺ「でもあそこまでどうやって…」
こちらに向かってきているとはいえ、キャッツ海賊団の船とはまだ距離がある
ペンギンがキャッツ海賊団の船との距離を見た後に、心配そうに声をかけるが、視線を戻したときには##NAME1##は自身の背中からコウモリの羽のようなもので出して宙に浮いていた
ぺ「え、えぇ!?ええええぇぇぇえええ!?!?!?!」
ローもさすがに浮くとは思っていなかったのか、目を大きく見開いて##NAME1##を凝視した