episode2 よろしく
随分奥の方まで来たなぁと思いながら歩いていると、手術中というランプがついた部屋のすぐ横の扉にペンギンが向き合い、「ここだ」と告げてここが船長室だということを教えてくれた
コンコン
ぺ「キャプテーン!##NAME1##を連れてきましたよ~」
ペンギンが扉の先に向かって呼びかけると、中から「入れ」という声が聞こえた
その声を確認し、ペンギンが扉を開けて##NAME1##を先に中へと入れた
『失礼いたします』
ロ「来たか…お前は戻って良いぞ」
ベッドに腰掛けていたローがペンギンにそう言うと、「はい」と言ってペンギンは部屋を出て行ってしまった
この部屋には、##NAME1##とローの2人だけ…
『それで、何か私にご用が?』
煮え切らず、ローにそう問いかければ、ローは足を組み替えて##NAME1##を見据える
ロ「仲間になったからには、キャプテンとしてお前のことを知っておく必要がある…
話したくねぇならそれでもいい
だが、話せるなら話せ
お前がなぜ、”幼少の頃から海軍にいたのか””そんなお前がなぜ、海軍を辞めたのか”
それと…”あの人”のこと、をな…」
いつかは聞かれることだと覚悟はしていた
ましてや…"アイツ"が命をかけて守った命だ
『…いつかは話さなくちゃいけないと思っていましたので、問題ありません
話す前に1つ、聞かせて下さい』
ロ「なんだ」
『なぜ私を誘ったんですか?
"アイツ"から私が手助けしてくれると言われていたから?
私が元海軍中将だから?
私が…##NAME2##一族だから?』
##NAME1##の鋭い視線に、なぜかローは再び笑ってみせていた
するとおもむろに立ち上がり、こちらへ距離を詰めてくる
それを目で追いながら待っていると、すぐ目の前まで来て、##NAME1##を見下ろす
ロ「俺は、”元海軍中将”にも”##NAME2##一族”にも興味はねェ
お前を勧誘したのは、単純に
お前を気に入ったからだ(ニヤリ)」
至近距離で言われたからか…ローの顔面偏差値のせいなのか…
##NAME1##の顔はわずかに赤く染まる
今まで、能力や出生から興味を持たれることはあっても、純粋に##NAME1##本人を見て気に入ったと言ってくれたのは”彼ら”以外初めてだった…
だからこそ、疑問に思った
『…でも、私があなたに気に入られる要素なんて…』
ロ「あ?随分自分を過小評価してるみたいだな?
そうだな…
強いて言えば、お前が戦っている姿が目に止まったんだ」
『え?』
トラファルガーと出会ったのは森の中散歩をしている時だが…その時戦闘はしていなかったはず…
そう考えを巡らせていると、「見えたんだ」と答えてくれた
『…見えた?
…もしかして、私が海賊に絡まれてたとこを見てたってことですか?』
ロ「くく、そういうことだ」
つまり、私の実力を見たいから海賊に多勢に無勢状態でも放置して高みの見物をかましていたと…
『……さすが、悪名高き"死の外科医"ですね、キャプテン?』
若干の怒りを滲ませながら、嫌みを込めてそう言えば…キャプテンは口に手を当てて楽しそうにくくくと笑いながら##NAME1##を見下ろす
ロ「あまりにあっさり倒しちまうんで、見応えはなかったがな」
『あんなのザコの部類ですよ』
ロ「くく、頼もしいな
さァ、俺は答えたぞ?」
そういって見つめてくるキャプテンの目を見て、この人なら大丈夫だと本能的に悟った
何より、##NAME2##一族について知っている様な口ぶりなのに無理に話させようとしているわけじゃない
『…キャプテンって意外とクルーには優しいんですね?』
顔を逸らして、うつむきながら冗談を言えば、上からローの不機嫌そうな声とこちらを気遣う言葉が聞こえた
ロ「そりゃあお前の勘違いだな
…嫌なら話さなくても良い」
『いいえお話しします…
あ。もう1つだけ、聞いても良いですか?』
ロ「あァ」
『…あなたは…復讐を望んでいるのですか?』
誰に、とも言わなくても、ローは全てを理解し、口を開いた
ロ「…俺はアイツに一矢報いるために、殺すために生きてきた」
そう答えたローの覚悟は、目を見ればすぐに理解した
目の奥に宿る、真っ赤な炎を垣間見た気がした…
『わかりました
では、お話しします
私も、個人的に"彼"に用があるので』
ロ「!? 何…?」