第17話 パル






『さて、さっさと終わらせますかね・・・』




そう呟き、##NAME3##意を決し、会場の扉を開いた



中に入れば、先程と同様各テーブルで談笑していた




中には壁際へ避難していたり、逆に壁際で声を掛けられるのを待っていたりと十人十色




そして遠目に、毛利さん達といるバーボンをみつけた




一瞬気配を広げると、こちらに気がついたバーボンがちらりとこちらを見る



目が合い、人の良さそうな笑みを浮かべると、バーボンが1つ笑みをこぼし、再び毛利達との会話を楽しんでいた



コナンも視線をこちらへ向けたが、今の私は金髪に黒ベースに青いラインが入ったドレスを着ている



瞳もカラコンでブルーにしてしまえば、もう立派な別人だ



さすがにコナンも気づかず、すぐにみんなとの会話に戻った



そして壁際でワインを煽っていると、高身長のワイルド系な顔をした男性が近づいてきた




・・・今回のターゲット



入間順平



若手のイケメン実業家として、メディアでも取り上げられる彼


近々タレントとしても活動の輪を広げるという噂もある


だが、彼の裏の顔は・・・







賄賂に薬の売買






そして、海外ともコネクションを持っており、薬の売買もそこから入手していて、その薬ルートから黒の組織に興味を持ったらしい



つまり、ベルモットから聞いていた“情報を掴んでいる”というのは自分が組織に入りたかったら、その情報集めの一環ということらしい



このことから、パル・バーボン・ベルモットに接触してくる可能性は高いを踏んでいた



が、なぜ姿を変えたパルに近づいてきたのか・・・



普通、組織とコネクションを持ちたいなら、姿を変えていないバーボンに行くのが自然な流れだろうに・・・





それともただの女好きか・・・




そう思考を巡らせていると、「こんばんわ、美しい人」と声をかけられた




『・・・あら、今話題の“若手のイケメン実業家”である入間様にお声がけ頂けるなんて、光栄ですわ(ニコッ)』



今回のこのパーティーは、彼のような実業家や政治家が多く参加しているため、私はおっとりとした箱入り娘のお嬢様、といった役どころである


人当たりのいい笑みを浮かべ、少し首をかしげると、「いやぁそれほどでも」と全く謙遜しない言葉が返ってきた





・・・いや零さんの方がカッコイイですから





心の中で毒づいていると、「あちらのバーで、少しお話ししませんか?」と手を差し出された


本心では早く終わらせたいので、ハニトラ仕掛けてさっさと部屋へ連行したいのだが・・・



パルと気づいて近づいてきたのか・・・




それともただの女好きか・・・





それにこの男・・・何か引っかかる・・・







そう結論づけて、少しバーで探ろうと決めたのだが、予定ではこのまま部屋へ向かうよう仕向ける予定だったため、一応バーボンへ合図を送ろうとしたのだが・・・



『・・・(コナンくんめっちゃ見てくるじゃん・・・;)』



何か気になったのか、こちらをじーっとガン見してくるコナンがいるため、迂闊にバーボンへ合図が送れないでいた


諦めて、バレてでも合図を送ろうと決意した時、女性がコナンにぶつかった



「あぁ!ごめんなさい!ボク、大丈夫だった!?」



ふ、と女性が気になり視線を向けると、こちらを女性が一瞬見た



・・・なるほど、ベルモットだったか・・・



どうやらわざとコナンにぶつかり、コナンと蘭、園子、毛利の注意を引いてくれたようだ



コ「え、あ・・・うん・・・大丈夫だよ」



「よかったぁ・・・すみません。私の不注意でお子さんにぶつかってしまって・・・」



毛「はっ!・・・いえ・・・それより、あなたの麗しい脚は大丈夫でしたか?」



毛利がいつもの調子でベルモットに絡んでいるスキに、バーボンがこちらへ視線を向けてきた



と同時に中指を人差し指に絡ませて耳に髪をかける動作をしながら、少し顔から離し見えるようにハンドサインを送る



それにバーボンはゆっくり瞬きをし、了解、の合図が送られてきた



そのまま彼らの横を通り過ぎた直後、1人の中年女性が駆け寄ってきた




「あら!入間さんじゃありませんか!」


入「・・・! 翼様!ご無沙汰しております!」


「ふふ、そうね
・・・あら?そちらの方は・・・?」


入「あぁ、今さっきお会いしたばかりで・・・これから口説く所です(苦笑)」


「まぁ!そうだったの!?
ごめんなさい私お邪魔しちゃって・・・

では入間さん、また・・・
頑張って下さいね(ニコッ)」



入「えぇ、ありがとうございます


・・・すみません。一通り挨拶は済ませてからお声がけさせて頂いたと思ったのですが・・・」



『いえ、お気になさらないで下さい

入間様のように人気のある方では、こういったパーティーで注目の的になるのも仕方がありませんから・・・///』


口に手を当て、顔を背けながら言うと、入間は気をよくしたように笑い声を上げた


入「僕も少しは、あなたのお眼鏡にかなっているようで嬉しいです(ニコッ)」



『と、当然ですっ

入間様は・・・女性の憧れでいらっしゃいますから・・・///』



両手で顔を隠しながら肩をすくめると、その肩に手を置きながら寄り添ってきた



入「参ったな・・・

バーで少しお話してからと思っていましたが・・・あなたと2人きりの空間で、お話ししたくなっちゃいました」



『ぇ・・・えっと・・・///』



入「あぁ、もちろん、お話しをするだけ、ですから・・・

無理にとは言いません


貴方の気持ちが最優先ですから・・・」



『・・・では・・・私でよろしければ・・・///』



入「ありがとうございます」



そう言って手を差し伸べてくる入間にメロメロになったように演技をしながら、再びい会場を後にした
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