第16話 裏切りのステージ
警察が到着し、遺体が運び出されたところで事情聴取が始まる
どうやら波土さんの胸ポケットに「ゴメンな」の文字が入っていたらしく、筆跡鑑定をするらしい
『(…ベルモット、梓さんの苗字知らないんじゃ…)』
そう思い近づこうとするが、梓さんがコナン君に近づく
遠くからだが、聞こえた声は梓さんのものではなく、蘭さんの物だった
コナンも蘭が話したと思い振り返ったが、一瞬で驚愕の表情に変わる
問題なかったか、と判断し、##NAME2##は動くことを止めた
すると安室が梓へ近づいていったので、あまり直視したくないと思い偶々隣にいた沖矢の陰に隠れる
沖「どうしたんです?波土さんがこうなってしまったのは残念ではありますが…
あなたをそんな顔にさせているのは、また別の人物のようだ」
『……………………いいんです。しょうがないですから』
少し冷たい言い方になってしまっただろうか
だが正直、今そんな余裕はない
自分はこんなに子供だったかと自分で呆れるほどだ
だが、今ここにいるメンバーは自分が気を許している相手ばかり
ベルモットの前で何かミスをしたところで、きっと彼女はジンに報告も何もしないだろう
沖矢が隣で名前と「ゴメンな」の文字を書いていると安室が近付いてきた
安「左利きなんですね」
沖「えぇまぁ…いけませんか?」
安「気にしないでください
殺したいほど憎んでいる男がレフティなだけですから…」
『…』
安「…##NAME4##さん」
『!…はい』
安「この後、お時間頂けます?
お話したいことがありまして(ニコ)」
『……………………えぇ、わかりました』
一瞬、何か仕事で話すことが?いやでも非番にこんな事件に巻き込まれて疲れてるから断っても…でも重要なことかもしれないし…
と考え、最終的には了承した
安室はまた、事件の手掛かりを探しに離れ、沖矢もいつの間にか隣から消えていた
公安警察 降谷零
FBI捜査官 赤井秀一
高校生探偵 工藤新一
この3人がそろって解けない謎などはなく、事件は無事解決した
『やっと帰れる~』と小さくため息を漏らした時、ふと視界に止まったのは、蘭さんが梓さんに話しかけている所だった
ずっと怪しんでいて梓を見つめていたから、もしかしたら本物の梓ではないとに気付いたのかもしれない
心の中でベルモットにエールを送る
2人で何かを話したあと、ベルモットは私の方へ近付いてきた
梓「ちょっと、わかってたなら助けてよね」
『あはは、すみません…でも、蘭さんにバレた所で、何ともありませんから…』
梓「そりゃあそうだけど…
あなた案外嫉妬深かったのね…気を付けるわ」
『(あら、零さんを取られてたイヤガラセだってバレちゃった…)
ふふ、そうですよ?ジンにも伝えてください?
あまり私から、バーボンを取らないでね、と』
少し気分が晴れたのでベルモットにジンへの伝言をお願いすると、後ろから急に抱きしめられる
安「おや随分興味深い話をしてますね?」
『!;バ、…透、さん;』
安「…今僕のことコードネームで呼ぼうとしたでしょう」
『あ、あはは;』
ベ「はぁ、はいはい。ご馳走様、お腹いっぱいよ
…さっさと帰るわよ」
安「えぇ、わかってますよ」
『…では私はここで…
またお会いしましょう』
そう言って2人に背を向けると、安室に手を捕まれた
『…透さん?』
安「話があると言ったでしょう?
彼女と一緒にあなたも送りますよ」
『…わかりました…』
まだこのツーショットを見ていないといけないのか…と心の中で涙を流しながら2人のあとについていった