第16話 裏切りのステージ
バラ事件が一件落着し、ジンから言われ窪倉の部下である組織の裏切り者のあぶり出しにも成功した
「あとはいい」と言われたから詳細は明からないが…多分消されたのだろう
そしてやっと後始末が落ち着いたころ…
波土禄道がCDを出すと聞き、そのリハーサルを抽選で見に行けるというので試しに応募してみたら…
なんと当選してしまった
最近零さんはベルモットにベッタリだったので、少しでも嫉妬心を和らげようと浮足立って会場にむかったのだが…
ボソッ
『…帰ろうかな…;』
目の前には2つのグループができていた
蘭さん、園子さん、沖矢さん、コナン君
と…
安「あれ?##NAME4##さん?」
『こんにちは透さん(ニコ)』
梓「##NAME3##さん!?どうしてここに!?」
『…いやぁ…実は波土さんファンで…抽選でリハーサル見学できるから応募したら当たりまして…』
安「なんだ…そうだったんですね…」
『(なんだ…?……………あぁ…)』
##NAME2##は梓に近づき、耳元に手を添えながら近づく
『何してるんです?ベルモット;』
べ「あら。さすがにあなたにはバレたわね」
『私がわかったのも、バーボンが“なんだ”って言ったからですよ
私が用事があるといったからベルモットが来たのでしょう?』
べ「ふふ、正解よ
さすがね」
…なぜだろう。いつもならベルモットが近づこうが他の女性と腕を組もうが身体を近づけようが…平気なのに…
梓さんの顔だから?かな…
『……………………あと…、距離近いです…』
最近嫉妬深くなっている気がする、と思いながらも、ベルモットならいいだろうという想いもあり、正直に言ってみた
ベ「!…ふふふっ、あなた可愛いところあるのね」
『からかわないでくださいよっ!
ただでさえあなたに盗られててここ最近会えてないんですーっ(ぷくー)』
ベルモットも自分だから正直に言ったのだと理解してくれている様で、「今日だけ貸して」と言われた
いやここ最近ずっと貸しっぱなしだよ返してよ
と笑顔で心の中で毒づくが、一応「今日だけですよ」とだけ言った
まぁ女優の彼女なら、##NAME2##が嘘をついたことぐらいお見通しだろうが…
安「驚いたといえば、あなたも来ていたんですね…沖矢昴さん?」
沖「えーっと…あなたは確か、宅配業者の方ですよね?」
安「え、えぇ…まぁ」
一先ず、リハーサルにも時間がかかるというので蘭さんたちは帰ろうとしている
自分はどうしようかと悩んでいると、コナン君に問いかけられ、梓は自分もギターが好きだという話をしている
『(あぁ…基本的な情報は知ってても、ギターの話になるとは思わなくてバーボンも話してなかったんだな…
けど、あの様子だとコナン君は梓さんがベルモットだと気づいた…
まぁ彼女がコナン君たちに危害は加えないだろうし、ここは静観でもいいな…)』
コナン君の顔が一層険しくなり、その表情のままコソッとこちらへ近づいてきた
座ったまま、状態を屈めコナンの顔へ耳を寄せる
コ「##NAME2##姉さんも、もしかして組織の任務で…?」
『…いや、本当に私は偶々だよ
最近零さんと連絡も取ってなかったし…
任務の内容も知らない
まさか傷心中の気分転換に出てきたのに本人とはち会うとか…何なんだ…』
いつもと違い、覇気もなく疲れた様子の##NAME2##に、本気で心配になったコナンは続ける
コ「傷心中って;…別れたわけじゃないでしょう?;」
『いやそうなんだけど…むしろ私も任務で体の関係持つとかザラだし…こういう状況になるのも分かってたんだけど…まず目撃するとは思ってなかったし………でも………あれはなくない?』
そう言ってドヨーンとした空気を放ちながら安室と梓を指さす##NAME2##に、さすがにコナンも納得してしまう
コ「…あー…;
でも安室さんが本当に好きなのは##NAME2##姉さんなワケで…;」
『…じゃああれか、お前は蘭さんが自分の友達と楽しそうに腕を組んで談笑しててもなんとも思わないのか(キリッ)』
若干涙目になりながらもコナンへ問いかけると「う゛…;」と唸り声を上げた
そしてしばらくして「すみませんでした;」と気持ちを分かってくれたようだ
『はぁ;…ごめん。八つ当たりだ…ちょっと疲れてて…;』
コ「別に大丈夫だけど…今日は帰ったほうが良いんじゃない?
『ん~…;でもあの2人、なんでここに来たのかは気になるし…』
こんな時でも公安の仕事と捉える私は職業病なのだろうか…
コナン君は離れ、安室さんと談笑していた沖矢さんに、こっそり話しかけに行った
確かに、ベルモットがいるなら彼をここに長居させるわけにもいかないだろう
が、それはベルモットにも言えること…
先程の様な質問をされて蘭さんたちに偽物だとバレる可能性が高い…
そうなると、安室の当初の予定通りバーボンとパルで任務を…
そう考え2人近づこうと立ち上がると、扉を開けて中に入ろうとした警備員2人が悲鳴を上げる
続いて中を確認しようと集まった女性陣から、また悲鳴が上がる
「「「きゃあああああああ」」」
中ではステージ上で、波土さんが首を吊って亡くなっていた
コナン君、安室さん、沖矢さんが中へと駆け出していく
とっさに追いかけようとした蘭さんを、梓さん…ベルモットが止めた
梓「ダメよエンジェル
あなたは入ってはダメ
この血塗られたステージには相応しくないわ」
蘭「エンジェル…?」
梓「あ、ホラ!蘭ちゃんって天真爛漫だし」
園「天使ん…ダジャレ?」
『…;』
理由を知っている##NAME2##だけは、園子とは別の意味で汗を流した