第15話 バラの真相









部下達が窪倉を無理矢理立たせ、パトカーへ連行する


それを見届けていると、わっと部下達が駆け寄り降谷と2人で囲まれる形となった




「なんで俺たちに言って下さらなかったんですか!?」


「ビックリ通り越して引きますよ!?」


「撃ち合いなんてヤメテください!!」



「「「「心臓に悪い!!!!」」」




責め立てられ、一歩下がる2人だったが、なぜか風見だけが大号泣していた



『か、風見さん?;

大丈夫「心配かけないでください!!!!」はいっ!;すみません!!;』



うぐ、うぐと泣き止まない風見にどうしたものかと狼狽えていると、降谷の鶴の一声で一瞬にして静まり返った



降「今回の“バラ事件”は…あまりにも被害範囲の広がるスピードが速かったこともあり、早々に##NAME2##が怪しいと目星をつけていた西川が務める帝丹高校へ潜入した」



どうやら説明できなかった部下達に、これまでの経緯を話すようだ



降「それから西川が##NAME2##に好意と興味を持った段階で、少しずつ信頼を得るつもりだったんだが…思ったよりも早く西川が上野を呼び、##NAME2##にバラを使用した」



『でもあまりにも早急だったので、これは私が警察官だと言うこと、目的が私自身であるのかもしれないということ…そうであるならば警察内に裏切り者がいると踏んで捜査を進めていったら…』



降「僕が見た報告書の中に、加美崎警視が亡くなった事件があった…驚いたよ


なんせ報告書を見た前の日、##NAME2##と2人で加美崎警視と接触していたからな」



『しかも、変装術がおざなりで…会った時すでにあの加美崎警視は偽物だとわかった

それに加えて降谷さんが見た報告書…



これは風見さんから聞いていた事なのでみんなも知ってることだと思いますけど…

西川、上野、中岡を問い詰めていった所、マフィアの幹部だと言うことが分かった』



降「被害範囲が広がっている今、時間をのんびりかけられない…と##NAME2##の進言でこの作戦に移った、というわけだ」


『私を陥れようとしているなら、あえてその罠にハマってやりましょう、とね…』


降「以上だ…心配をかけたな」


『ありがとうございました(ニコ)』



一気に今回の事件の裏側を冷静に話す2人を見て、公安部は思った




「「「(化物カップルだ…)」」」




と…









































そしてその夜、##NAME2##は帰る前に寄るところがある、と言い残し工藤邸へと向かった



…帰りは降谷が迎えに来ることとお泊りは決定している…






ピンポーン


沖「はい…おや、##NAME3##さん」


『こんばんわ昴さん(ニコ)
コナンくんがここにいるって伺ったんですけど…』


沖「はい、いますよ

どうぞ中へ」



リビングへ通されると、コナン君がソファでコーヒーを飲みながらこちらを見上げた



コ「…お疲れ様。##NAME2##姉ちゃん」


『ありがとう(ニコ)

コナン君も赤井さんも…今回は助かりました…』



赤「気にするな

それにヤツはジョディ達も調べていた最中だった様だしな…FBIとしても助かった」



『そう言っていただけると、気が休まります…』




##NAME2##もコナンと向き合うように座り、赤井はコナンの隣へ腰を下ろした


注いでくれたコーヒーを口にし、一息ついたところでコナンが問いかける




コ「ずっと疑問だったんだけど…

安室さんと倉庫で会た時のこと…事前に打ち合わせとかしてたの?」



そう問いかけるコナンの横で、赤井も興味津々といった雰囲気だった



『あ~降谷さんとの撃ち合いね…


撃ち合いは決めてたけどどこにどう撃つとかは決めてなかったよ』



コ「え゛…っ」



赤「ほぉー…」



コナンは事実に驚き、固まってしまった


赤井は関心したように、さらに興味深いとでも言うように顎に手を添える



『作戦も、大方の流れは決めてたのよ?


①加美崎をあの倉庫に誘い出す

②降谷さんと仲違いする(お互い撃ち合う)

③あの倉庫に加美崎を降谷さんが誘導する

④私が掴んでいる情報を開示して、ボロを出したら逮捕



って感じに…』




コ赤「「………………」」




あまりにもおおざっぱな作戦に言葉をなくす2人


コナンは半ば呆れながらコーヒーを手に取る




コ「それって作戦って言えるの…?」



『いや、本当は作戦を詰める予定だったんだけど…思ったより早く加美崎が動き出しちゃったから詰められなくて…

かといって私の携帯はハッキングされてる可能性もあるし…連絡が取れなかったのよ』



赤「それでよく合わせられたな…」




2人ともどうして合わせられたか不思議で説明を求める視線を向けられる




『…実はこの作戦を思いつく前に、2人で映画を見たんですよ』


コ「映画?」


『そう。男性警察官と女盗賊の恋物語だったんだけど…

2人は毎日追いかけっこしてて、中々捕まえられなかったんだけど、あるとき共通の友人が敵対組織に捕まって人質に取られるの


その情報を掴んだ女盗賊が警察官に助けを求める


けど警察は動いてくれないから、個人として女盗賊と友人を助けに向かうんだけど…


敵対組織も色んな所にアジトがあるから情報を掴みつつ本拠地へ向かうの


だからしばらくは共同生活をして…その中でLOVEが生まれて晴れて恋人と同士になった



けど本拠地へ到着し、ボスと敵対した時に、友人が女盗賊に言うの“ご苦労だったな”って』




コ「…その友人も組織の仲間だったんだね…

女盗賊は仲間になったばかりだったのかな?」



『そう。友人と女盗賊にとって優秀な警察官である彼が邪魔だったの


で、そこで女盗賊は警察官に銃口を突きつける









“なぜ裏切った?命でも惜しくなったのか?”ってね』
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