第15話 バラの真相









##NAME2##が降谷に声をかけ、瞬時に倉庫内へ公安が大勢入り込み窪倉と##NAME2##を囲むように輪を作った



そしてその輪の外からゆっくりと近づいてくる足音が聞こえ、姿を捉えた窪倉は明らかに動揺していた



窪「な、なんで…お前が…ここに…っ」













降「はぁ…

だからあんな揺さぶる演技は必要ないといったんだ…


どれだけ俺が肝を冷やしたと思ってる…」



『すみません(苦笑)

でも、効果はテキメンだったようですし、結果オーライですよ♡』



降「はぁ…;」




窪「…っ…あの時の倉庫でのやり取りも演技だったというわけか…っ!!」



降「あぁ…##NAME2##の提案でな…」

















































降「正気かお前は!?;」



『正気です』


作戦内容を詳細に決めていたわけではないが、西川たちが口を割り、森田の研究所をハッキングしたデータや室内に散乱していた書類



これらの情報から、加美崎が窪倉であるという確信が得られた



そして確証を得るためには、ざっくり##NAME2##が警察と仲違いし、降谷とも仲違いする…その為には降谷と##NAME2##がお互いに撃ち合えば第3者の目から見ても明らかな決別のパフォーマンスになるだろう



と説明した第一声が“正気か”だった




黒「…いくらお前とは言え…危険だろう…」


『イケます』


降「根拠を言え…;」


『…自惚れや自意識過剰でなければ、加美崎…窪倉は私に好意を寄せています

となれば、あのプライドが高く強欲で計算高いあいつなら、恋人である降谷さんとの仲を裂くように仕向けつつ私を警察官の裏切り者として帰る場所をも奪う気でしょう…


なら、あっちが再び私に接触しやすいように…お望み通り仲違いするフリをすればいいんですよ』



黒「…お前の言うことも一理ある」



降「理事官!」



黒「だが、そのためにお前が追われる立場のフリをする必要も、降谷と撃ち合う必要もないだろう…」


降「仲違いというなら、俺がお前を撃つ必要ないだろう?

お前が俺を撃てば窪倉にとって俺との決別のパフォーマンスには十分なはずだ」



『いいえ。やつはしつこいです…それはもうジン並みに疑ってくるしめんどくさいです

バーボンならどう考えます?

もし、窪倉の立場がジンだったとしたら…』



降「…確かに、ジンだとすればお互いに撃ち合いにならないと信用しないだろうな…」


##NAME2##の言葉にもっともだと腕を組み説得されそうになる


思わずはっと顔をあげ##NAME2##の顔を見おろすくらいには動揺している



『理事官、許可を…』


黒「………………許可する」



降「理事官!」



降谷は抗議しようと黒田に迫るが「ここまで言うんだ。力になってやれ」と言われてしまえば従うしかなかった



会議室を出た瞬間怒られたのは記憶に新しい
























窪「そうか…まんまとハメられたという訳か…

森田もそうか?」




『えぇ…撃ち合いはやりすぎかとも思いましたけど…あなたには十分効果があった様で安心しました(ニコ)



西川から森田を繋げるのには苦労したわ…

でも、森田のおかげでアンタたちが中国マフィアのファミリーだとわかったんだけどね?』



窪「…ほぉ…?
どうやって?」




『あの研究室に入る前にバラ独特の甘い香りがしたから、ココで作られていることは明白…

室内は書類がばらまかれていた

いくら掃除してないからと言ってもあれだけ散乱しているのはおかしい…


それに、実験内容の書類が大半だったけど、あんたたちの事が書いてある書類や敵対しているであろうマフィアの情報が書かれていた


そして血の匂いもしていた


だからわかったのよ


数時間前、ここでマフィア同士の小競り合いがあって負傷者か死者も出た

そしてその目的はバラを奪う事だとね』




窪「…確かに、森田からは襲撃があったと報告を受けているが…

それなら君を招く必要がないだろう?」



『いいえ?私も一緒に研究を、と言っていたから、あそこではいと答えたら別室に移動してそこで私を拉致する予定だったんでしょう?

あいにくと、人の悪意には敏感なの』



窪「なるほど…本当に君は優秀だね…
是非、手に入れたい」




下唇を舐め、ニヤリと妖しく笑う窪倉に寒気を覚える


だが気づけば、後ろから温かい腕の中に包まれていた




降「俺はコイツを手放す気はないし、奪われる気もない

それに…この状況でその余裕…お仲間でも待機しているのか?」



窪「…くくく、こちらもさすが##NAME2##の上司だ

その通り。私が合図を出せばすぐにでも『来ませんよ』…何」



『申し訳ありませんが…


周辺にいたあなたのお仲間は私達の部下と…







FBIが片付けておきました』







窪「!? FBIだと!?

バカな!!なぜ他国のやつらがっ」



急に出てきたFBIというワードに動揺を隠せない窪倉


そんな窪倉を冷めた目で見る##NAME2##が冷たく言い放つ



『あら、ご存じありません?

あなたの部下、FBI捜査官と銃撃戦になって発砲…負傷者が出たんですよ』



窪「な…そんな報告は…っ」



『ちなみにその部下の名前、森田直弥って言うんですけどね?(ニヤリ)』



窪「…バカな…」




呆然とする窪倉を降谷と##NAME2##は鋭い眼光で睨みつける


降谷は##NAME2##を腕から解放してやり、軽く背中を押す


振り返った##NAME2##の顔は少し驚いているが、降谷は優しい笑みで小さく頷いた


##NAME2##はその降谷のエールを受け取り、懐から手錠を取り出す



『窪倉…麻薬取締法違反と殺人の容疑で逮捕します』




ガチャンッ
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