第15話 バラの真相
『やっと会えましたね
加美崎警視』
加「何を言っている?君がここで山田一郎と密売をしている時に会っているだろう?」
『それは“加美崎警視”として、ね…
でも、本名は違うでしょう?
窪倉隆也(くぼくらりゅうや)さん』
加「窪倉隆也?私が?…私は加美崎『それはあなたの苗字じゃないでしょう?』…なるほど、全てお見通しというわけか」
『…中国マフィアのボス・窪倉隆也
日本と中国のハーフ生まれで戸籍は中国
父親は先代ボスで今はあなたが引き継いでいる
母親はあなたを生んですぐに死亡
人身売買と麻薬で金儲けしている
…本物の加美崎警視は、数ヶ月前に公安が遺体で発見していたけど、あなたは知らなかった様ね?
公安が調べていたところで、あなたが四課に普通に出勤していたし…本当に驚いたわよ
ま、あなたたちの予定ではまだ加美崎警視は見つからない予定だったんでしょうけど?
たまたま別の事件でその周辺を捜索中に捜査一課がみつけてくれて助かったわ
まぁ、私は素人変装術のお陰で本物の加美崎警視ではないとわかっていたから、あなたが偽物だという事はバレバレだったけどね?』
加「ふ…そこまで…さすがだな」
加美崎は観念したように両手を上げ不敵に笑うと、自分の変装マスクをはぎ取っていく
…日本より中国の血が濃いようだ
現れた顔は明らかな中国人の青年だった
20代後半か30代前半といった所だろう…
『…でもなぜボスであるあなた自身が?
それにバラを流行らせて大儲け…は理解できるけど…別に中国でも新種だし流行ったはず…なぜ日本で?』
窪「…今回日本に来た目的は、あなたですよ
“パル”…いや##NAME3####NAM4##?
それとも、##NAME1####NAME2##さんですかね?」
『…なるほど、だから倉庫の時あなたは私が山田組と一緒にいたのに、部下に連行しろと言わなかったし、わざわざ降谷さんと祐実をあの倉庫で居合わせるよう祐実を呼び出し、安室さんに依頼をかけた…
全てあなたが仕組んだのね』
窪「えぇ…あなたを私の妻にしたいと思って連れ帰ろうと刺客も送ったのに…ことごとく返り討ちにあっていたので、私自ら赴いたわけです」
『だからかしら? 最近やけにストーカーが多いと思ったたのよ
あの銀行強盗の奴らもあなたの部下でしょ?』
腕を組み鋭く睨みつける##NAME2##の眼光を嬉しそうに笑顔で受け入れる窪倉だったが、部下が口を割ったのかと眼光を鋭くした
窪「まさか、あいつら口でも割りました?」
『いいえ?私には優秀な“探り屋さん”がいるもので(ニコ)』
窪「…なるほど、降谷ことバーボンか…」
…降谷=安室はバレているとわかってたけど…
バーボンのことも知られてるのか…
逃がすと面倒だ
確実に捕えなければ…
『あなたが西川、上野、中岡に指示を出していたことは、彼らの携帯を調べれば一発でした
そして薬を作っていた森田直弥の事や、そのサークルメンバー全員があなたのファミリーだということも、ね』
窪「…やはり君は優秀だ
どうだ?僕の元へ来ないか?」
そう言って手を差し伸べる窪倉だが、##NAME2##は腕を組んだままあざ笑う
『おあいにく…私にはもう心に決めた人がおりますので』
そういう##NAME2##の言葉に声を上げて窪倉は笑う
クスクスクス
窪「そうはいっても、君の彼氏はもう君を裏切り者として捨てた様だが?」
『………だ、そうですよ?
零さん』