第14話 敵対
降「…逃げられたか…」
そう呟く降谷に公安部が駆け寄る
風「降谷さん!っすぐに病院へ!!」
降「あぁ…そうだな」
風見は降谷の傷を見て顔をしかめ、後ろに控える部下に救急車の手配を指示する
部下に支えられながら歩き出す降谷の背を見つめ違和感を持つ風見
いつもなら、降谷は容疑者を逃がすなと追跡の指示を出す
だが今そんな指示が出たわけでもなく、今目の前で出された指示は撤退だった
まるで手負いとなった##NAME2##を追い詰めない様にするかのような行動…
だが降谷も…言い方は悪いが正気でない…
今は降谷さんの傷の手当てが先だ
そう思いなおし、降谷の背を追う風見と公安部
##NAME2##は傷口を手で押さえながら逃げ切り、裏道を使って工藤邸へと向かっていた
正面から入ると血痕がアスファルトについてしまうので、ひとまず人目につかない裏口へから入る事にした
工藤邸の裏庭にただりついたが、痛みと疲労で壁伝いにズルズルと座り込む
『っっはぁ…っ
さすがに、この傷で零さんとの接近戦はキツかったなぁ…』
コ「本当に、バカだね」
俯いていた顔をあげると、少し怒った顔をしたコナン君と沖矢さんの顔をした赤井さんがいた
『…はは、迎えに来てくれたんですか…?
…でも…すみません…ちょっと、ねむい…な…」
力なく笑った##NAME2##だったが、そのまま意識を手放した
コ「まったく…;」
赤「彼女のタフさは公安にはもったいないな…」
呆れながら称賛し、彼女を抱き上げ家へと運ぶ赤井に、コナンは一度夜空を見上げてからその後を追う
予め強いておいた毛布の上に彼女を寝かせ、服を胸下までめくりあげ処置をしていく
コ「…どう?」
赤「問題ない
内臓(大腸)に当たらないギリギリのところを弾が貫通している
これなら、傷が塞がればすぐにでも動けるようになるだろう」
コ「…安室さん…」
浮かない顔で俯くコナンをみやり、再び##NAME2##へ視線を落としながら確信をもって言う
赤「…だがこれで、彼女たちの作戦通り…」
コ「うん…動くはずだよ…真犯人が、ね」
前を見据えるコナンに、口角を上げる赤井
すると下からうめき声が聞こえた
『う…っ』
コ「! ##NAME2##姉ちゃん!」
ゆっくりと目を開け、コナンと赤井を視界にいれる
顔を上げられる元気はまだないが、腹部の圧迫感からして処置もしてくれたのだろうと結論付け、安心した表情で2人にお礼を述べる
『…コナン君…赤井さん…
…ありがとうございます。処置までしてくださって…』
赤「気にするな」
コ「弾は内臓を逸れてたから傷口が塞がればすぐに動けるって!」
コナンは##NAME2##の傷口の状態を伝えると、少し笑って『そっか…』とだけ呟き、再び瞼を閉じた