第14話 敵対








降「…まぁ仕方ない…##NAME2##相手ではな」





『…零さん…』





降「…なぜ裏切った?命でも惜しくなったのか?」



『…私は…あなたが羨ましかったのかもしれない』



降「…」



『警察官として…真っすぐなあなたに…』



##NAME2##が言葉を紡いでいる時、公安部が雪崩れ込んでくる


みんな口々に悲痛な声で名前を呼んでくれる
嬉しく思いながらも、降谷から向けられる殺気に、次第にみんな口をつぐんだ





ギリッ
降「だが、君は犯罪者だ…犯罪者になり下がったんだ!!」




降谷から向けられる…初めてと言える殺気と敵意と…怒り


その自分を射抜く鋭い瞳を見て、泣きたくなる衝動を必死にこらえる



『…そうかもしれない…けど!あなたと過ごした時間は本当だった!!

あなたと一緒に行きたいとっ本気で…っ』



降「ならいつからだ!?いつから僕を騙していた!?

本当は最初から…っ


組織の為に動いていたんじゃないのか!?」




『違う!!私はっ組織を裏切ってでもっ!!あなたと…っっ』




降「…っ…どうやら僕たちに…これ以上の会話は無用の様だな…」



『…その様ね…』



銃口を改めて互いに向けあう2人に、後ろに控えている公安部から声が上がる



「待ってください!!降谷さん!!」



「降谷さんだって!本当は##NAME2##さんが裏切るわけないと思ってるんでしょう!?」



「##NAME2##ちゃん!!本当のことを言ってくれ!!」



「あなたが警察を…降谷さんを裏切るわけがない!!」



風「降谷さん…!!!  ##NAME2##さん!!!!」






悲痛な叫びが響き合う中…2人は一度も視線を外したりなどしなかった





降「…僕を、騙していたんだな…残念だよ…

本気でっ…愛していたのに…っ」




『…私も、残念よ……人生でこんなに愛しいと思える人に出会えたのに…


…あなたに殺されるなら

























悪くないのかもしれない』





























パンッ 



パンッ



















2つの銃声が響き渡り、全員の動きを止めた




降「くっ…!!」



『っ!!』



互いに脇腹で弾を受け止めた


痛みに耐え、##NAME2##は逃走を図ろうとするが、降谷が突っ込んでくる


仕方なく構え、降谷の拳を交わす


が、拳圧が頬を掠める



『っ…相変わらずの拳、で!!』



左足を軸に回し蹴りを顔面目掛けて振り下ろすが、降谷は顔の横で腕を構え受け止める



降「お前の蹴りも相変わらずっ…重いなっ」


『そりゃどう、も!!』



捕まれた右脚も下へ振り下ろしつつジャンプし左足を降谷の鳩尾へ決める



が、それも読まれており降谷の掌に足が収まっている


右脚で着地し、脚をひねって降谷を床へ…と身体を捻るが、その前に懐へ入られた



『っ!!』



降「変わってないな、その戦い方…」




そう言って一本背負いされ床に転がる


##NAME2##にまたがり寝技をかけられそうになるが、##NAME2##はニヤリと笑い足を振り上げた



降「!?;

…足癖が悪いな……………




…今、男の急所狙っただろ;」





「「「!!;」」」



降谷の言葉を聞き、##NAME2##の振りあがった脚のスピードと威力を知っている公安部は、全員自身の息子に手をあてた




『あら、女が身を守る手段の1つですよ?



それに…時間も来たようですし』





##NAME2##が不敵な笑みを浮かべたと同時に、倉庫内に何かが転がってきた





降「…サッカーボール…?」




降谷がそう認識した直後、サッカーボールから煙が噴き出、##NAME2##の姿も公安部の姿も見えなくなる
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