第13話 動き出す影
先程顔を見られてしまったので、ひとまずお風呂に入り##NAME3##の顔になってリビングへ赴いた
先程のお詫びも兼ねて簡単にドーナツを作ってあげると喜んでくれたので内心ほっとする
そして探偵団の子たちが帰ったのを見計らって3人でダイニングにて話し始めた
コ「で?説明してくれるよね?」
『あ、あはは~;』
赤「ここはボウヤにも協力してもらったらどうだ?
俺もボウヤには命を救ってもらった」
コ「そ、そんな大したことじゃないよ…;」
『…はぁ、わかった
まぁ何かあれば協力してほしいって言ったのは私だからね…』
風見達から逃げるため久々に全力疾走をした…
さすが現役警察官、体力がいつものターゲットや犯人たちとは大違いで逃げるのに苦労した
しかも無線で応援を呼ばれそうになったので、仕方なく3人には気絶して頂いた
ちゃんと近くの公園のベンチに寝かせてやったのだから許してほしい
『(まだまだこれから…でも、これで証拠さえつかめれば…)』
そこから周囲を警戒しながら工藤邸へと戻り、冒頭へと戻る
『___とまぁそういうワケで、倉庫でパルとして安室さんと警察と鉢合わせしちゃったから…
今の私は##NAME3##として警察に追われている身、というワケ』
コ「なるほどね…」
顎に手を添えて考え込むコナンを横目に、赤井が2人に疑問を投げかける
赤「そういえば、ボウヤとはどういう関係なんだ?
姉と慕うくらいには仲が良いのだろう?」
コ「え…っと…
(やべぇ…その辺の説明とか赤井さんには俺が工藤新一だって知られてねぇって言い忘れてた;)」
『あぁ。大丈夫だよ、コナンくん…
私、中3の時に両親を亡くしてまして
親戚だった工藤夫妻が引き取ってくれたんです
でもずっとお世話になっているわけにもいかないので…大学に入ったのをキッカケに工藤家とはそれきり…メールや手紙でやりとりはしていたんですけど…
コナンくんとは工藤家にお世話になっている時に遊びに来ていたので仲良くなりまして(ニコ)』
コ「う、うん!そうなんだ!
(さすが潜入捜査官だな…俺が黙ったのを両親が死んで言い出しにくかったからと思わせてくれた
危なかった…;)」
安堵の表情を見せるコナンを見て微笑む##NAME2##
##NAME2##の過去を知り考え込む赤井に、その答えを言ってやる
『…私の両親はMI6と公安警察官でしたよ』
赤「!!…やはり、そうか…」
コ「え?そうだったの?」
『うん(苦笑)
だから、交通事故とかじゃなくて…殺されたの…
ジンにね…』
コ赤「「!!」」
不意に告白された衝撃的な事実に驚きを隠せない2人
赤「そこまでわかっているのか…」
『えぇ。調べましたから…私が公安に入ってすぐ…
2人とも、今の私の様に組織に潜入していた様ですが、NOCだとバレて…
その資料を見てる時に降谷さんに見つかったので、彼は私の過去については知ってます』
コ「…復讐…しようとしてるの…?」
コナンが心配そうに、すると言えば止めるという意思が伝わる程の真剣な力強い瞳でこちらを射抜いてくる
『…私もね、最初はそう思ってた…
けど降谷さんに言われたの…
“気持ちはわかる…だがその気持ちだけでこれから先生きていくなら…俺が止める
それに俺の部下になったのに復讐の為だけで働くなら…お前はここに必要ない
だが、お前は優しい…きっと、組織から人々を、日本を守りたいと思ったから警察官になろうと思ったし、ココに来てくれたんだろう
お前は1人で戦う必要はない
俺も、他の連中もいる…1人で抱え込むな
…わかったら、日本の為に…
存分に働いてくれよ?(ニヤリ)”
…って……止めらると思ってたのに、まさか復讐することを否定されないなんて思ってなかった…
まぁそれならいらないって言われたけど(苦笑)
自分でも気づいていなかった奥底の感情に、降谷さんが気づいてくれるなんて…びっくりしすぎて言葉も出なかった…
けど、復讐だけで生きるつまらない人生なんて止めろって…そう言ってくれてるんだって理解できた…
だから私は日本の為に働くし、零さんの為に動く
そう決めたんです
だから安心してください?
私、そんなつまらない人間じゃないですよ?(ニコリ)』
赤「…そうか…」
コ「…##NAME2##姉ちゃん」
『?』
コ「安室さん…降谷さんと出会えて
よかったね!(ニカ)」
『!…ありがとう…コナン君(ニコ)』
屈託ない笑顔で、あのまぶしい笑顔でそう言われて…一瞬、新一の顔とカブった
それだけで嬉しくて…昔の自分を知っているコナンにそう言われて嬉しくなった##NAME2##
そんな彼女が…次の日、血だらけで帰ってくるなんて
想像もしていなかった