第13話 動き出す影
次の日、森田に言われた通り大学の門の前で今か今かと待ち構えていると…
森「##NAME3##さん!!」
『! 森田さん!今日は私のワガママで…すみません」
森「いえ…っ! 僕も是非##NAME3##さんに見て頂きたかったので…!」
『ふふ、ありがとうございます」
森「じゃあ行きましょうか!」
研究室の前に到着し、わずかに匂う甘い香りに森田には気づかれぬよう顔を歪める
『…』
森「どうぞ!ここが僕らの研究室です!」
『失礼します』
中に入ると、人はいなかったが…研究室らしく周りにはネズミが飼育されており薬品の記録が書いてある紙などが散乱していた
森「すみません…毎日研究研究で…ろくに他の人も片づけをしなくって…;」
『いえ、それだけ研究に熱心だと言うことが見てわかります…
少し羨ましいです…これだけ没頭できるものがあるというのは…』
1つの書類に目を落として少し困ったように笑う##NAME3##に、森田は言葉を詰まらせながら話しだす
森「…##NAME3##さんは…研究者になりたかったんですか…?」
『…1つの夢ではありました…
けど、私にはそんな実力はなかったので…(苦笑)』
夢であったことは本当だ
けど、私は今の仕事に誇りを持てる
だからこそ…
森「…実はここ、人数が少ないといいこともあって外部の人に研究を手伝ってもらったりしているんです…
もし、お時間とか大丈夫であれば…手伝っていただけませんか…?」
きた
心の中でほくそ笑みながらも、頬に手を添えて謙遜しながら言葉を紡ぐ
『…お話は大変うれしいのですが…私は森田さんが思っているような立派な人間ではありませんし…
今日も、少しでも森田さんの仕事を身近に感じたかっただけですから…
でも、誘って下さって嬉しいです
ありがとうございます(ニコ)』
あくまでも自然な笑顔で
彼は西川達とつながっている…その情報に確証を得るために来たのだが…
もう手に入れた
この書類の写真を撮っていれば十分だろう
森「…そうですか…でも、##NAME3##さんが優秀だと言うことはお話してるだけでもわかります
まず、こういう研究に関わってこなかったにも関わらず僕の話についてこれていたじゃないですか(ニコ)」
『!…ありがとうございます。森田さん』
森「気が変わったらいつでも声をかけてください
##NAME3##さんなら大歓迎です!」
『ふふ、ありがとうございます
そういえば先程から少し甘い匂いがしてますが…これも薬品の匂いなんですか?』
森「……えぇ!これは僕が開発した薬品なんです!
今はマウスを使った実験で効果を見ているんですが…」
『…これはどういった効果が表れるものなんですか?』
森「これは
どんな病気も良くなる薬です」
『…どんな病気も…ですか?』
森「えぇ、ガンはもちろん、結核にも遺伝子異常にも免疫疾患にも…様々な分野の病気に対応できる薬を…
どうしても、完成させたいんです」
『…これが実現できたら、今苦しんでいる人たちも…』
森「はい…1日でも早く完成に持っていけるよう、今は成分の調合に時間をかけているところなんです…
副作用はないに越したことはありませんからね…」
『本当に、森田さんは凄いですね(ニコ)』
その後、森田の研究室を後にし、一度警察庁へと戻る途中、ジンから電話が入る
『なんの用です?』
ジ「<今から送る倉庫へ行け
そこで荷物を受け取ってこい>」
『…中身は?』
ジ「<てめぇが知る必要はねぇ
受け取り次第連絡しろ>」
『…了解…』
電話を切ればすぐにウォッカから送られてきた倉庫の場所を確認する
ベルモット伝いでジンへ流したタネもこうして花咲いたことだ…
『…さ、気合入れますかね…』