第二話 トリプルフェイス










『…そろそろよろしいのでは?』



降「あぁ、そうだな」




カバンの中で小型の盗聴・盗撮発見器を始動させ、問題ないと判断してから“降谷”に声をかけた




安室から降谷


##NAME3##から##NAME1##へお互い切り替えた






降「まさかお前の任務先が帝丹高校だったとはな…」



『私も驚きましたよ;
ポアロってどこかで聞いたな~と思ったら…

まさか…












ふっふふっ…あ、“あむぴ”がいるとは…っっっ!』













耐えきれず笑いが漏れると、降谷の視線は前方に向けながら##NAME2##にパンチが飛んできた



『いたっ!?
数ヶ月ぶりに会った部下に肩パンチですか!?』







降谷さんのパンチは痛いんだよ!!?


ゴリラの自覚持ってください!





と心の中で叫んだ


降谷は呆れ半分、怒り半分で



降「数ヶ月ぶりに会った上司を笑いの種にするとはいい度胸だ」



『度胸だけが取り柄です♡』



顔に手を添え、照れたように(もちろんフリ)答えるとため息をつかれ「もういい」と呆れ顔で言われた



降「それより“組織”の方はどうするんだ?」












組織



通称黒づくめの組織、黒の組織と言われる闇の組織



活動目的などはなぞに包まれているが、人身売買、銃の取引、薬の開発や取引と多岐に渡っている



真の目的がわからない組織



唯一わかっているのは幹部のコードネームはお酒の名前にちなんでいるということ



そこに私と降谷さんは潜入している



先輩は“バーボン”


私は“パル”として


降谷さんが先に入り、その数年後に追って##NAME1##も入った


…“欠員の補充”だった


欠員は…私の警察学校の先輩でもあり、降谷さんと同期の…諸伏先輩…






降「おい、##NAME2##」


『! すみません
あちらの任務も問題ありません

ベルモットにやたら絡まれるぐらいですかねぇ…』



思いにふけっていたら降谷さんに促されてしまった…

ベルモットについて話すと…少し拗ねたような表情になった



降「…あいつはお前の事を気に入ってるからな…」


『まぁ、情報が入ってくるので助かってますけど…

ジンが“ネズミが入り込んでいる”と気を張っているみたいです』



ピクッ
降「…わかった
お前の方で何か任務は言われたか?」




ジンの名とその内容に反応を示し、組織の任務について問われた



先週行った任務を思い出す


確かアメリカ系外界の一手を担うお偉いさんの暗殺だった…


彼は決して悪ではなかった


だが組織にとってその人は邪魔でしかなかったのだ




『…アメリカの方で…』


降「…そうか」



“バーボン”は情報収集など頭脳の方で頼られている


“パル”もハニートラップを使った情報収集が得意だが、戦闘能力も相当なものだ


特にナイフ術が


なのでよく暗殺の任務が言い渡される


普段なら公安に協力を求めて、逃がせるときは逃がすのだが…今回はベルモットの監視の下だったし、彼も完全なる悪でもなかった…


何より、裏では麻薬の製造に関わっていた


守る理由もなかった…のだが…


…日本警察官が、裏では暗殺任務を行っているなんて


冗談にもほどがあるよ…


一応“ゼロ”では“個人の責任”精神があるので問題はない


“組織的には問題ない”


そう。これは“私の問題だ”




…いつか…私の身体がこの国に役立たないと思ったら…





そっちに行くから…





言葉を濁した私の顔をチラリと見て察してくれたのだろう

それ以上は聞いてこなかった


正直、ありがたかった


安室は##NAME1##の表情から事情を察した






安「…(日本の為とは言え、善人を殺すのは何度やっても慣れないものだ…特にこいつは優しすぎる…)」





##NAME1##の表情がこわばりから悲しみに変わっていることに気が付いた


そんな##NAME1##に何もしないという思考はなく、とりあえず頭に手を置き、優しく撫でた



『…(気持ちいい…)』


##NAME2##の気分が落ち込んでいると、よく頭をなでてくれた


降谷なりの気遣いだろう


警察庁公安部での女性職員は私を入れて2人


しかもそのもう1人は実践向きではないので、主に書類処理をしている


…本音を言えばただでさえ少ないのだから努力せい!と言いたいところだが…


誰しも向き不向きはある


しょうがない


まぁそういうわけで女性職員は少ない


つまり降谷達男性職員は女性職員の扱いに慣れてないのだ


だからこれは降谷自身が女性をなだめるときに使っているのだろう



『(何だろう…降谷さんの手って…



  安心するんだよね…)』




そのまま目を瞑りたくなったが、上司の前でいかんいかん



『ところで…何か聞きたいことがあったんじゃないんですか?』



安「…さすがだな
でも、##NAME2##もだろう?」




『えぇ…なら私から











江戸川コナンくんと灰原哀ちゃん










一体
















何者なんですか?』
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