第12話 緋色シリーズ
そして次の日の朝、丁度##NAME3##が担当する時間がないときで高校に出勤する必要がなかったため、降谷と一緒に登庁する
降「おはよう」
『……………………おはようございます』
爽やかに挨拶する降谷の背中を、少し重い腰を労わりつつ睨みつけながら、##NAME2##も先輩たちに挨拶をする
そのまま自分の席へ着き、時間まで書類整理をする
時間になったと同時に降谷さんから「集合」と号令がかかり、降谷さんの机の前に警察庁公安部職員全員が集まる
降「…急で悪いが、俺と##NAME1##の班は今日、FBI捜査官・赤井秀一の確保に向かう」
「「「!!」」」
降「皆思うところはあるだろうが…責任は俺が取る
“俺達”についてきてほしい」
「「「はい!!」」」
降「ありがとう
…作戦だが、俺と##NAME1##の班で別行動をとる
今からおおまかな流れを説明し、その後各班で作戦を詰めてくれ
…##NAME1##、説明を」
『はい
まず、赤井秀一をおびき出すために___』
それから拡販で作戦を詰め、拳銃の装備などの準備を済ませて一度解散した
その間に降谷さんとお互いの作戦を報告し、穴がないか徹底的に確認、修正を繰り返す
そしていよいよ決行の時…
『では、私は先にジョディ捜査官とキャメル捜査官の乗る車を尾行します』
降「ああ。頼んだぞ」
『お任せを』
そこから部下を引き連れ、ジョディとキャメルが乗った車をある程度の距離をとって追う
そして来葉峠に入っていくのを確認し、降谷へメールで確認したと連絡を入れる
そしてここよりも先で待機している部下達へ『そっちに行きました。銃を構えて待機』と連絡する
同時刻、工藤邸にて
ピ ン ポ ー ン
沖「はい…」
<宅配便です!>
出てきた沖矢に対し、不敵な笑みを浮かべて自己紹介をする安室
安「こんばんは…初めまして…
安室透です…」
沖「はぁ…」
安「でも…初めましてじゃ…ありませんよね?」
しばらく追跡していたが、こちらに気づいたようでスピードを上げた
『…こちらもスピードを上げて下さい』
「はいっ」
そして待ち伏せていた部下たちの車を見て、動揺を現すかのように車体が少し揺れた
「…このまま停まるんじゃ…」
『…いえ、彼は卓越したドライブテクニックを持つと聞いています
降谷さん並みだとしたら、車体を斜めにして…』
運転する部下に油断するなと説明していると、道端に落ちている岩に片輪を乗り上げ、片方の2輪で車体を横にし、バリケードを張っていた車の間を縫っていく
『っ!! 運転、代わって下さいっ』
そういって急いで##NAME2##と交代した部下に短く礼を言い、こちらは岩に乗り上げることなく車体を斜めにし、同じく車と車の間を縫っていった
車体を下ろし、またカーレースに戻ったところで無線でバリケード担当の部下達に『すぐに続いてください!!!』と言い放ちスピードを上げる
一方、工藤邸
安「連絡待ちです
現在、私の連れがあなたのお仲間を拘束すべく追跡中
流石のあなたもお仲間の生死がかかれば素直になってくれると思いまして
でもできれば連絡が来る前にそのマスクを取ってくれませんかね沖矢昴さん…
いや、FBI捜査官…赤井秀一」
沖「君がそれを望むなら…仕方ない…」
沖矢は言われた通りにマスクを外すが、安室が意図していた行動ではないのでもう一度言いなおす
安「そのマスクじゃない…
その変装を解けと言っているんだ!!
赤井秀一!!」
沖「変装?
赤井秀一?
さっきから一体 何の話です?」
沖矢はゴホゴホと咳込みながら言った
安「一体何を企んでいる?」
沖「企むとは?」
安「ざっと見た感じだが…玄関先に2台、廊下に3台、そしてこの部屋には5台の隠しカメラが設置されているようだ
この様子を録画してFBIにでも送る気か?
それとも…」
安室はひとつの隠しカメラに視線を向ける
安「別の部屋にいる誰かが…この様子をみているのかな?」
沖「そもそも赤井秀一という男、僕と似ているんですか?声とか顔とか」
安「フン…顔は変装…声は変声機…」
沖「変声機?」
安「隣人である阿笠博士の発明品で評判がよかったのに急に発売を止めた物はないかってね…
それはチョーカー型変声機…
首に巻けば自在に声が変えられて…ストーカーの迷惑電話にお役立ち…
そう…大きさは丁度…そのハイネックで…
隠れるくらいなんだよ!」
安室が無理矢理沖矢さんのハイネックを下げる
が、しかしそこには何もついていなかった
一方##NAME2##班
『…向こうは車のタイヤに不具合が出てスピードが落ちてます…
すみません。また代わってもらえます?』
「はいっ」
再び助手席へと座り、目前に迫った車を見て銃に手を伸ばしほくそ笑む
が、急に車の屋根が開いた
『!!(なんでここにっ!?)』
ジョ「シュ、シュウ!!」
キャ「あ…赤井しゃん…っ」
『ちっ!!』
##NAME2##は大きく舌打ちをし、降谷へと電話を入れる