第12話 緋色シリーズ
退院してさっそく学校へ謝罪をしに行ったのだが、校長が「退院したばかりで無理はいけません」と午前中で帰ることになった
…本当に申し訳ない…
ただこの職場は温かい人ばかりで「銀行強盗に巻き込まれたって!?」「撃たれたって!?」「ケガは!?」「痛くない!?」と心配する声しか聞こえなかった
ありがたい
こういう人たちを接すると、この国を守らないと、と思う
安室さんもそうなのだろうか?
あの喫茶店にいる安室さんは、潜入捜査であるとはいえ、本当に楽しそうだ
…同じだったら嬉しいなぁと思いながら帰宅していると、電話が鳴った
『はい』
降「<今どこにいる?>」
『え~っと…〇〇公園の近くですけど…』
降「<!…わかった。恐らくそこにベルモットとFBIとコナンくんがいるから、少し時間を稼いでくれ
終わったら公園の先を左に曲がったところで待ってる>」
『……………………了解しました』
何だそのめんどくさい三つ巴…と思ったが上司の言葉に逆らうわけにもいかず、そのまま歩いていた
すると人が集まっていることに気がつき目を凝らす
そこに知った顔を見かけた
『…あれ?目暮警部に高木刑事、とコナンくん?』
コ「!!」
目「ん?おぉ!##NAME3##先生!
もう身体はよろしいのですかな?」
『えぇ、お陰様で(ニコ)
ただ、今日退院だったんですけど…学校へ出勤したら、退院したばかりで無理しないで!と校長に怒られちゃいまして;
今帰りなんです』
高「えぇ!?今日退院だったんですか!?;」
『えぇ…私が休むと生徒に申し訳ないので…ところで…そちらの方々は?それにその血って…』
高「あぁ、彼女たちはFBIの方で…ジョディ・スターリング捜査官とアンドレ・キャメル捜査官です」
2人がペコと頭を下げてきたので、こちらもそれに倣い、少し興奮気味にジョディの手を握り話しかけた
『まぁ!FBIの方だったんですね!
よく映画とかでみます…わぁ、お会いできて感激です~』
ジョ「ど、どうも…;」
キャ「…」
『…?私の顔に、何かついてますか?』
キャ「い、いえ…」
こちらを凝視するキャメルを見、わざとらしく笑顔を作って話しかける
戸惑ったように顔を背けるキャメルだったが、コナンが後ろから話しかけてきた
コ「##NAME3##先生はなんでここに?
先生の家からはちょっと遠いんじゃない?」
『あぁ、ちょっとこっちの方に用事があってね』
コ「用事って?」
『友達に会いに(ニコ)
あ…ジョディさん、ちょっとこちらに…』
ジョ「え?」
コナンの尋問を避け、ジョディの手を引き男性たちから少し離れる
ジョ「な、なんですか?」
『ジョディさん、スカートに汚れが…;」
ジョ「え゛…っ;」
『後でトイレに行かれた時にでも拭き取ったほうが…;』
ジョ「そ、そうね;ありがとう;」
『いえ…あ。そろそろ行かなきゃ…
すみませーん!時間なので失礼します!』
少し大きめの声で目暮警部たちに声をかけ、ジョディにも『それじゃあ』と声をかけ小走りに去る
左の角を曲がると、安室の車が止まっていたので“後部座席”に乗り込む
降「…よくわかったな?ベルモットと一緒だと」
普段は助手席に乗る##NAME2##が後部座席に乗り込んだことで、ベルモットと一緒にいると察した##NAME2##に、なぜわかったのか問いかけた
『…ベルモットとコナン君とFBI、と零さんから言われれば必然的にバーボンとベルモットでFBIとコナンくんどちらかに用があると察しはいますし…
ちらっと見えたベルモットの位置からして、誰かの変装をする準備…
今、零さんが掴もうとしている最後のピースを掴むためと仮定すれば…
あの血をつけた人が運ばれた杯戸中央病院で何かを仕掛けるため、ベルモットがジョディ捜査官に化けるための資料集め
ってところですか?』
降「…さすがだな」
すると横の階段から降りてきたベルモットが助手席へと乗る
べ「助かったわ。さすがね、パル」
『いえ』
バ「? 何をしたんです?」
現場を見ていないバーボンは2人の意図が読めず首をかしげる
べ「彼女、手前にいた大柄のFBIの陰に隠れちゃって…移動しようとも思ったんだけど、気づかれそうだったからどうしようかと思ってたんだけど…
パルが気づいて彼女をこちらに誘導してくれたのよ」
バ「なるほど…さすが、優秀ですね」
『当然のことをしたまでです
それより、これから何をしようとしてるんです?』
急に巻き込んだのだから当然教えてくれますよね?という意味も込めて
バ「わかってますよ
強引に誘ったのは僕ですから…パルにも、手伝ってもらいます」