第10話 私と降谷さん
その後、2人でベッドで降谷さんの腕を枕に寝てしまっていた様で、気がついたら朝だった…
『…(綺麗な顔だな…)』
目が覚めて一番最初に目に入ったのは、降谷さんの綺麗な寝顔だった
視線に気づいた降谷さんが「ん…」と眠たげな声を出して目を覚ます
降「起きてたのか…」
『おはようございます』
降「傷は、痛むか?」
『昨日よりだいぶマシです
念の為今日は病院に行きます』
降「そうしてくれ
今日は俺も午後からだから、送っていく」
頭を撫でられながらの問いかけに気持ちよくてまた眠気に襲われたが、送っていくと言い額にキスを落とされ再び眠気がふっとんだ
そうだっ
昨日私…っ 降谷さんに…っ!!
かあぁぁと顔が赤くなった自覚がある中、降谷さんがクスクスと笑った
降「はは、やっぱり可愛いな、##NAME2##」
『なっ///』
降「いつも男を虜にしてるパルが、こんなに可愛くなるのは予想外だったよ(クスクスクス)」
『っ、ふ、降谷さんだって、そんな綺麗に笑うとか反則です…っ!!////』
降「誉め言葉か、##NAME2##に言われると悪くないな
…それと##NAME2##」
『はい?』
降「“降谷さん”じゃなくて“零”だろ?(ニコ)」
『っ////』
そう、昨日の眠る間際に…
降「そうだ。恋人になったんだし…これからは“零”って呼べよ?(ニコ)」
『え………………努力します…///;』
降「敬語もなし」
『えぇ!?///;』
ということがあったのだ
『………………れ…』
降「ん?」
『れ、れい…さんっ////』
降「…まぁ、一先ず合格」
ちゅ
額に再びキスを落とし、そのまま唇にキスを落とした
『れ、れいさん!
早く準備しないと!』
降「? 今日はお前休みだろ?公安の方が俺がいるから休んでも問題ないし…」
『いや、高校の方にっ』
降「…」
この##NAME2##の言葉で全てを理解した
降「(こいつ、腹に銃弾受けといて潜入先に普通に出勤するつもりなのか…;)
とにかく、高校の方には俺から連絡を入れるから今日は休め」
『いやっでもっ』
それでもと食いつく##NAME2##に、再びキスを落とす
降「今日は休んでくれ…頼むから…」
抱きしめながら言えば『…わかりました』と小声で了承してくれた
声色から少し拗ねていると感じ取れたので苦笑しながら頭を撫でる
降「##NAME2##の真面目で責任感の強い性格は、俺も好きだが…
今日くらい休んでくれ
その方が、俺も安心する」
『…はい…』
ようやく諦めてくれた様で、朝食の用意をする
そして真っすぐ警察病院へと向かった
視線を鋭くし
『…(結構血、出てたんだ…;)』
助手席についている血痕に目を向け、申し訳なく思っていると「後ろに座ってくれ」とふる…零さんに言われ大人しく後部座席へと座る
周囲に人の気配がないかを確認し、裏口から中へ入ると、運よく知り合いの医師に会った
『先生!』
「……………また銃弾を受けたんですね(呆)」
『あ、あははは;』
降「お久しぶりです。先生」
「お久しぶりです…“安室さん”」
降「! …ほんと、助かります」
この医師は公安が良くお世話になっている先生で、潜入捜査や現場の最前線で動く2人はよく顔を合わせていた
そしてこの先生に限っては、公の場では降谷、##NAME1##とは呼ばないように今の名前は伝えてあった
それを覚えてくれているとこが流石だ
「それで、“今回は”大人しく入院してくれるんですか?」
『…できれば早く復帰したいんですけど…;』
「なら、せめて2日は安静にしてください
安室さんと一緒に来てこの時間…応急処置はしてくださっているのでしょう?」
降「…先生には頭が上がりませんね(苦笑)」
「長年、伊達にあなたたちと付き合ってませんよ…
では、こちらへ」
降「あ。なら僕はここで…
##NAME2##、絶対に動くなよ」
鋭い視線を向けられ、高圧的に言ってくる零さんには逆らえず『はい…;』と小さく答えた
そのまま先生に一礼して再び裏口から出て行った
「では、処置室へ直行しますか」
『はぁい』
そのまま処置を終え、個人部屋でゆっくりしていると、##NAME1##の携帯が鳴った
画面を見ると風見さんからだ
『はい。##NAME1##です』
風「<お休みの所、申し訳ありません>」
『いえ、どうされたんですか?』
風「<…今拘置所にいる中岡ですが…>」
中岡はこの間園子さん狙いで高校で私が始末書地獄を送るハメになった犯人だ
中岡恵介
といっても、めぼしい情報はなく拘置所で西川たちと共に処分待ち、なのだが…
『何か喋りました?』
風「<それが…________>」
『…は?』
まだ始まらない物語の前奏曲
この時から流れていたのかもしれない