第10話 私と降谷さん



※あえて会話のみにします









『…懐かしいですね

初対面で武術の授業で“女だからって手加減しないぞ”って言われたの初めてでしたよ(クスクスクス)』



降「あ~;…君も警察官になるというのはもう決まっていたことだが


“女性”であるがゆえに危険な目にも合うし今度なめられることの方が多いだろうと思っての忠告でもあったんだ」



『知ってます

まぁ最初は“なんだコイツ”って思いましたけど(笑)


でも、接していくうちに“誰よりも日本を守るという信念を持っていて、とても優しい人なんだ”ってわかりましたから(ニコ)』



降「…君に言われると、照れるな…;////」



『ふふ、そういえば松田さんたち、降谷さんのこと“不器用なやつ”ってよくいってましたね』



降「…あいつらは本当に余計なことしか言わなかったな…(怒)

(…まぁ、あのころから##NAME2##を好いてると見破ってたところはさすが友…といったところか…)」





『そういえば私が初首席取った時、降谷さんと諸伏さんの部屋にこっそりお邪魔して祝賀会しましたね(笑)』



降「あぁ、あったなそんなこと

伊達と松田がエロ本探してそれを君と坂田さんが冷めた目で見る、っていう…」



『ありましたね(笑)

今だから言えますけど、祐実、松田さんのこと好きだったんですよ』




降「…伊達とヒロ以外は気づいてたぞ」




『あはは!やっぱり!

そうだと思いました!


松田先輩も好かれてる自覚ありましたもんね?』




降「あぁ。まぁアイツは年下より年上が好みらしいがな」







『はぁ、ほんと懐かしい…


でも正直、降谷さんと同じ部署で働く日が来るとは思いませんでした』



降「…俺は、君が来るならココだろうと思っていたよ」



『でも降谷さん、本当は私の事嫌いでしたよね?笑』



降「…」



『あはは!図星だ!

まぁいいですよ。入ってしばらくはそのままでしたけど…

組織に入ってからは、気にかけて下さってたこと、知ってますから』



降「…正直言おう

最初君が来たときは“やっぱりな”と同時に“務まるわけない”と思ったんだ


##NAME2##は…優しすぎるからな…


でも、必死に組織の中枢へ行こうとする君を見て、本気で日本を守りたいと思っている決意と覚悟が伝わった


…今では感謝しているよ


俺のフォローまでしてくれて、助かってる」




『…光栄です

でも、私もまだまだですから…


降谷さんに置いていかれないように、精進します』



降「これ以上優秀になってどうするんだ?」



『そのままそっくりお返ししますよ』




















本当は怖い


いつ自分はこの世界からいなくなるのか


組織の任務をしていると実感する


裏の世界の恐ろしさと冷たさ…残虐さを…


でも、それを表の世界に持ち込まれたくない


ましてや表も、裏も、死んでいい人なんて1人もいない









両親を殺されたあの日から



あの組織をつぶすことだけを考えてきた









両親は元・警察官だった…


直接面識はないが、松本警視や目暮警部とも親しかったらしい



2人とも公安で潜入捜査中に亡くなったと警察官になってから知った









正直、両親は信念を貫いたと思うし、復讐で動いているつもりはない



ただ、大好きな…大切な人が突然目の前からいなくなる悲しさ、寂しさ、空虚感…


ぽっかり胸に穴が開いたあの感覚は、もう二度と味わいたくない


味あわせたくない




特に…降谷さんには…




守りたい





好きだから












あぁ…
















相当惚れ込んでるな、私
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