第9話 密室にいるコナン














警察が到着し、現場検証が一通り終わったところで##NAME2##の携帯が鳴る






PULLL PULLL


『少し、失礼します』



コ「…」




電話に出るため外へ出ると、コナンくんから不審な目を向けられる



どうらや私と降谷さんを疑うことを隠す気はないらしい




『…Hi、ベルモット』



ベ「<Hi、パル


今いいかしら?>」



『えぇ、大丈夫ですよ』




念のため森へ入りつつ盗聴器発見器を発動したが反応がないのでコナンくんに聞かれている可能性はないだろう





ベ「<実はジンからメールがあってね…>」



『…バーボンに関することでしょうか?』




ベルモットから事情を聞いた時、ならばこちらからもとお願いをした



コードネーム付き、特にバーボンに関して何か情報が入ったら教えてほしいと



ベルモットにはNOCだということは言っていない


降谷さんがつかんでいる秘密があるとしても、こちらが不利になる情報は少ないほうが後々いいだろう



理由としては『バーボンはお気に入りですし…自分の知らない所で情報が飛び交っているうちに気づかずに始末される、なぁんてオチは勘弁してほしいので♡』と言ってある



実際知らぬ間にジンに指示されたコルンやキャンティに撃ち殺される、なんて勘弁してほしい






ベ「<さすがね>」



『あなたが任務、と言わなかったので…それに他のコードネーム付に関してならその説明から入るでしょうから』



ベ「<…バーボン、最近ジンに煙たがられてる様なんだけど…NOCじゃないかと疑われているわ>」



『…なぜですか?』


べ「<まぁ、私も人のこと言えた義理ではないのだけれど…1人で動きすぎ、その目的も分からない、ってとこかしら?>」


『…ジンにしてはあまりに性急ですね…焦っているんでしょうか?』



べ「<最近組織に侵入してくるやつらが多いからかしらね…まぁ、警察関係者じゃなくてただの一般人だけど>」





あの慎重なジンがベルモットと同じく1人で動いているからNOCだと決めつけるには無理がある


実際、ベルモットは情報を集めるためだ


バーボンも同じと考えてもいいだろうに…



そしてジンに怪しまれる動きを降谷さんがするとは思えない…仕方ない…




『…では、ベルモットからジンに“そういえば”というていで話しててくれませんか?


“バーボンはパルと共に、先日侵入を許した__の周囲関係を捜査中”とね』




ベ「<__?そんな男、いたかしら?>」



『コードネームも与えられてない下のやつだったので…でも実際、面白い情報も入ってきてますよ(ニヤリ)』




べ「<そう…わかったわ


あぁ、そうそう…この間パルが話してた男、あれからどうなったの?>」



『へっ!?////』



いやあれからそんな日にち空いてないですよ!?


そんな急展開したらこっちも苦労しないしそもそもまだそこまでの関係になりたいとはーーー!!!!/////




べ「<ふふふ、その様子だと、まだ何も進展してないようね?>」



『いやっだって…っ

あれからまだ数日しか…っ』



べ「<あら、男女関係なんて、1日2日あればすぐよ

あなたcuteなんだから攻めちゃえばイチコロよ>」




『せっ、攻め…っ!?』



ベ「<ふふ、からかいすぎたわね

Goodluck!Bye!>」 プツッ





『…どんな顔して戻れば…////』














とりあえず熱が冷めるまでしばらくここにいようと座り込む



心を落ち着けるためにひとまず木に登り風で涼む





30分ほどで落ち着きを取り戻したので別荘へと向かった







中へ入るともう事件は解決しそうなところのようだ











部屋へ入るとコナンくんが元気よく声を出す姿を捉える



コ「だったらさー、鍵を入れたとたんに凍っちゃうような…魔法の水があればできるかもね!!」



毛「バーカ!そんなマンガみてーな水があるわけが…」



『ありますよ?』



急に出てきた##NAME2##に驚いたようで一斉に視線がこちらへ向く


だがまぁ理科教師としては生徒たちに教えても不思議はないだろう




『過冷却水…

水が氷るはずの凝固点、0度以下になっても氷にならないで液体のままでいる水の事で…振動などの刺激を与えると急速に凍り始める


作り方は均一に冷えるようにペットボトルをタオルで巻き、マイナス5度くらいの冷凍庫に4、5時間ベ貸せるだけ…

振動を与えるとペットボトルの表面にそって上の方から凍り始めるので…』




話しながら安室の隣へ移動し、説明が終わるころ安室へ視線を向けると一度目を閉じてから事件について説明し始めた



安「恐らく琴音さんは過冷却になったスポーツドリンクの中に鍵を入れて振動させ、上の方が凍ってからひっくり返して…


鍵をドリンクの中央に寄せてから全体を凍らせて、園子さんに飲ませたんでしょう


スポーツドリンクは薄い色がついてますし、ジェル状に凍るので中の鍵は見えなかったというわけです…」



横「じゃあそのスポーツドリンクを溶かせば…」




安「ええ…出てくるでしょうね…琴音さんが石栗さんを殺害したという痕跡がね…」




琴「…」




終わるな…と他人事のように聞いていた



どうやら瓜生くんを殺したのが石栗くんだったようで、瓜生くんを好きだった琴音さんが復讐のために行った事らしい




その後、安室と帰ると告げて早々に引き上げた




道中の車で、バーボンがベルモットに報告をする




バ「事件は解決しましたよ…

毛利探偵のおかげでね…」



べ「<あら、そう…ところでいつまであの探偵とつるむ気なの?


キールの一件でシェリーとかかわっている疑いのあるあの探偵に張り付きたいって貴方が言うから色々サポートしてあげたけど…


もう用はないんじゃない?


幸運にもシェリーの情報が舞い込んできて…


そのシェリーも葬る事ができたんだから>」





バ「いや、俄然興味が湧いてきましたよ…




眠りの小五郎という探偵にね…」







『…(きっと、この人も気づいてるんだろうなぁ…眠りの小五郎の“正体”に…)』




ベ「<あぁそれと、パルに“ジンの方は問題ない”って伝えてもらえるかしら?>」



バ「? えぇ、わかりました」




そう言って電話を切ったバーボン…もとい降谷が話しかける




降「ベルモットから、“ジンの方は問題ない”と伝えてくれと言われた」



『!…そうですか。ありがとうございます。』



まぁこの人ならジンに疑われてると言っても警戒は怠らないだろうし、バーボンは探り屋だ


単独行動しないほうがおかしいだろう


そういう意味であえて“パル”と、と付けたのだ


ハニトラで情報を探るのに協力体制にあると…お互い不審な動きがあれば気づき、ジンに報告が行くだろうという意味も含めて


まぁこれはどちらか片方がNOCである場合のみ有効で、私と降谷さんの関係では意味がないが…


ジンがこれで納得したと言うことはバーボンは疑っているがパルは信頼してくれてるのだろう


…この前の一件に関しては許してないが…


だがどちらかがジンの信頼を得ていればいざという時にどちらかがフォローできるだろう





降「…お前の事だ

どうせバーボンへの不信感をジンから払拭してくれたんだろう?」





…ほんと、優秀だ我が上司は…





降「すまない。助かるよ」



『いえ、当然のことです


それより、今日は本庁へは戻らないのですか?』




いつもならこのまま本庁へ連行だが…



道がいつもと違う





降「あぁ…お前、このあと予定は?」



『特にありません

(あえていうなら本庁の書類…)』



だが今はそんな気になれない



むしろ早く帰って寝たい



昨日は次に潜入する所の情報収集で寝てないのだ





降「なら、このまま家に行くぞ」



『い、いえ!そこまで甘えるわけには…っ』



上司に家まで送らせるのは流石に…!という一心で降谷を見やるが、降谷は「いや、お前の家じゃなくて…」と続ける




降「俺の家だ」










『………………………え…?』
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