第8話 ミステリートレイン
バ「…組織としては任務成功だ
戻るぞ」
『…了解』
バーボンはベルモットにメールを打ちながらみんなが避難している車両へと向かう
途中、あの少年を見かけた
と同時に、ここにいるはずのない人がいた
『(っ有希子…さん!?)』
そこには元大女優・工藤有希子
工藤新一の母であり、工藤優作の妻
『(なんで彼女が…
っ!!
まって…私、もしかしたら…答えは初めから目の前に落ちていたんじゃ…?)』
列車を降りホームへ出ると、後ろからベルモットが近づいてきたので、バーボンの袖をつかみ知らせる
バ「赤井が死ぬ前後のファイル、もう一度見せてくれないか」
べ「えぇ」
バ「(どうやら、いちから調査し直す必要がありそうだ…)」
『…すみません。ちょっと別行動します』
バ「わかった。俺はこのまま東京へ戻る
チケットは取っておくから、終わったら連絡しろ」
『了解』
そのまま降谷と別れ、ホームを出た所で見かけた彼女へ声をかける
もちろん、ジンやベルモット達の姿がないことも、盗聴器の類や視線がないことも確認済みだ
とんとん
有「?…!?」
『お久しぶりです。有希子さん(ニコ)』
振り向いた彼女はとても驚いた顔をしたが、すぐにいつもの明るい笑顔を向けてくれた
有「##NAME2##ちゃん!?
わー!久しぶりね!元気だった!?」
『えぇ、おかげさまで…ところで有希子さんもミステリートレインに?』
核心を突くと、嘘が苦手な彼女が「えっと…っん~」と歯切れが悪くなってしまった
一応、彼女を安心させようとこちらの情報を伝えておこう
『…私、今警察官になりまして…ある組織に潜入中なんです』
有「!…そう…##NAME2##ちゃん、夢を叶えたのね」
『!…えぇ、これも有希子さんと優作さんのおかげです』
工藤家とは高校2年の頃に知り合った
実際は##NAME2##の両親が殺害され、その事件の協力者として優作さんが呼ばれた
そしてその後、両親を失い、親戚との仲も良好ではなかった##NAME2##を見かねて卒業までの1年間、工藤家にお世話になった
その時、新一くんとも仲良くさせてもらっていたのだが…
有「それより、組織ってまさか…っ」
『えぇ…新一くんに迷惑をかけてしまった例の薬の…』
有「っ、そう…##NAME2##ちゃん、自分の身を大事にしなさい」
半信半疑だったが、カマをかけたかいはあったようだ
これでずっと疑問だった謎が1つ解けた
小学生にしては鋭い洞察力と知識、行動力、推理力…
あの事件吸収体質…
そして時折見かける彼が私に向ける目
『(ようやく腑に落ちた…)』
江戸川コナン=工藤新一
これで確定、ね