第7話 探偵隊の夜想曲





全員で寝室へと入り、パソコンの前に毛利さんが座る


しかし、パソコンには当然ロックがかかっていた


…安易に机の周りにパスワードを伏せんとか紙に書いてる人はよくいるけど…



しゃがみこんで机の下を覗き込むと、案の定付箋が張ってあった




『あ。ここにっ「しっ…」…』



同じく隣にしゃがんできた安室…いや、降谷さんに口を塞がれ、視線で制された


…なんだかイラッとしたので口をふさいでいる手(掌)にちゅっとキスをする


わかった、という意も込めて


すると予想外の行動をとった##NAME2##にわずかに目を開き、可笑しそうに声には出さずに笑って立ち上がった


それに倣い(ならい)私も立ち上がる



そして安室はパスワードの話を2人に振った




…なるほど、そういうことか



安「あー、お2人はパスワードとかどうされてます?」


蘭「せ、生年月日とか…」



毛「俺は“小五郎さん”で5563だが…」




ほしかった情報を取った安室は、心の中では満足しているだろうが…そんな素振り微塵も見せずに、顔に笑みを貼り付ける



安「あ、いや。とても覚えきれない長いパスワードの場合ですけど…」


蘭「うーん、携帯のメモ帳とかに…」



毛「俺なら紙に書いて誰も見ねぇようにこういう場所に…ん?お?あった!パスワードゲットだぜ!」



3人で毛利さんを褒めそやすが、##NAME2##は心の中で謝っていた




『(毛利さんごめんなさい…また今日事務所に侵入する人がいます…;)』



その間にもパソコンの中身を調べ、先日の銀行強盗の計画書を見つける




安「大胆にも3人揃って拳銃を持ってる写真まで載せてますね…」


蘭「ヤダ…真ん中の男の人、探偵事務所で自殺した人じゃない?」


毛「右端の男はスーツケースに入ってた男だ!」



安「じゃあ左端の女性がもう1人の強盗犯でしょうか…」


その女性とメールのやり取りをしており、ちょうど引っ越したばかりらしく住所も入手出来た


その女性を殺しに樫塚さんは向かったのだろうと結論付け、一行はこの住所へと向かうのだった


そして残る1人を手にかけた後、彼女はおそらく…



安「行ってみましょう!」



安室が声をかけ、私たちはおそらく“樫塚圭”であろう男の部屋を後にした

エレベーターに乗り下へ降りる





駐車場へ来ると、私の愛車の隣にはヤマハのXT400E アルテシア

これは…と思いナンバーを確認すると、2新宿 ま・5 31…この単車は世良真純さんのものだ


先日お茶をしたときに彼女の単車の話になり、ナンバーは指定じゃないけどこの番号を言っていたはず


助手席に乗り、後部座席に蘭と毛利が座る






しばらく走っていると、蘭の携帯が着信を告げる


蘭「哀ちゃん?え!?こっちに戻ってきてる?青い車って言っても…」



どうやら浦川芹奈の車は何らかのトラブルで来た道を戻っているようだ


つまりこの街道の反対車線を走行中


##NAME2##は対向車を凝視した



『!安室さん!あの車!!』


安「…! 何かに捕まって…!」



彼女の車を発見するや否や、彼はハンドルを切り反対車線へと移る


それに連なるように赤いスバル360と白いマツダRX-7、その後ろにヤマハのXT400E


そこで安室の車が一気にスピードを上げた





スピードを上げ、自分たちより先に反対車線へと移っていた赤い車を追い抜く


安室と##NAME3##は窓越しに車の運転手と対峙した


細目で眼鏡を掛けた男に見覚えは無い…が、何故か胸がざわつく…どこかで会ったのだろうか…


しかし今はコナンの身の安全が最優先の為、頭から消し去り前の車に集中した


彼は再びアクセルを強く踏む



安「毛利先生はシートベルトをきつく締めて、蘭さんはもう少し先生の方へ寄ってください

##NAME4##さんはベルトを外してこちらへ…」




全員を左側へ寄せたことで、彼が何をしようとしているのか察してしまった


冷や汗が頬を伝う






『…安室さん…まさか…;』



安「…わかっていただけているなら、覚悟を決めてくださいね?(ニコ)」



『はぁ;』と諦めてベルトを外せば、安室は##NAME2##の腰に手を回して自分の方へと抱き寄せる



安「…目、閉じてろ」



安室ではなく、降谷として声をかけてくれた


少し怖かったので安室の服をぎゅっと握りこの後来る衝撃に備える



そしてそのままハンドルを切き、車体を横へ向け


犯人の車を衝突させることで強制的に停めさせた



毛「ええぇ!!?」



蘭「うわあぁ!!」



安「けがは?」



『っ大丈夫です…が、無茶しすぎです;』



安「ははは」



そして、慌てて出てきた強盗犯の女は、先程から彼らを追いかけていた世良さんにバイクで吹っ飛ばされた



ちょうど車から降りた時にその光景を見てしまい、思わず頭によぎったのは…











『(始末書がぁぁぁぁあああ!!!!)』












…………………起こってしまったことは仕方がない。諦めよう



なんなら降谷さんに押し付けよう、と心に決め、コナンの方へ視線を移す


蘭「コナンくん!」



毛「ボウズ!!」



小五郎と蘭は車から降りるとコナンの元へと駆け寄った


幸い怪我もなく五体満足のようだ



その様子を見て##NAME2##はほっと胸を撫で下ろし…視線を感じる橋へと身を向けた



『…(相変わらず美人だなぁ)』



呑気なことを考えていると、パルの方にも電話がかかってきた



『…Hi』


ベ「<Hi、パル
素敵な王子様に守られて無事みたいね?>」




電話を取りながら毛利さんたち…特にコナンくんと距離を取る



『王子様、ねぇ…あっちは姫とは思ってないと思いますけど?』


べ「<あら、それはどうかしら>」


『…どういう意味です??』


べ「<さぁ?それは自分で考えなさい?>」


『はぁ…まぁ安心してください

あなたの“宝物”に危害を加える気はありませんから』


べ「<…なら、あなたの王子様にも伝えておいてね?>」


『もちろんです。では』





ベルモットとの電話を切ると、橋の上にいたベルモットがこちらに軽く手を振った


こちらが手を振るわけにはいかないので、ベルモットが去るまで見届けた
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