第一話 潜入開始





5時限目からは、校長から“慣れるように”とのことで書類整理をしていた



もう少しで終わる。という頃には、もう放課後になっていた



蘭「##NAME3##先生!」



『…あれ?…毛利、さん…?
え?もう放課後?;』



園子「30分前に授業は終了!
掃除も終わってますよ!」



蘭「気づかれなかったんですか?」



『あ、あはははは;』




いけないいけない



集中しちゃってた…




なんせ、目星の人の履歴書をみつけちゃったし、ね





…こんなところに保管してていいのか;






どうやら集中してたらいつの間にか放課後になり、扉の所で私を探したが見つからず


校長が気を利かせて職員室奥にある書類棚まで案内してくれたようだ



毛利さんも鈴木さんも少々呆れ顔…




…まぁ、そうですよねー;





校長からは「初日ですし、この書類整理が終わったら、今日はゆっくり休んでください」とありがたい言葉をいただいたので、今日はこのまま上がれる


ちなみに私が警察だと言うことは校長は知っている



『ここも終わったから、さっそく行こうか』



蘭園子「「はい!」」



校長と他の先生に「お先に失礼します。お疲れ様でした。」と大きめの声で声をかけ、学校を後にした

















道中、毛利さんと鈴木さんから色々聞かれたが…ほぼ恋愛話しだ




女子高生だなー若いなー



などと考えていたが、「先生美人だから彼氏もいるんでしょ!?」と鈴木さんから興奮気味に聞かれた



…聞かれたというより“いる”と決められている気がするが…





だが、一応設定通りに答えておこう






『実は今片思い中なの(ニコッ)』



蘭園子「「え!?!?」」





これは“念の為”だ



クスリの売買に関係していると思われる教師に近づくには、手っ取り早く食事に誘うのが最短ルート



万が一現場を見られたときに言い訳が立つ







毛利さんと鈴木さんからはどんな人なのかと問い詰められるが…



「内緒♡」と言って矛先を毛利さんに移した




『そういう毛利さんは好きな人、いないの?』



蘭「え…///」



『お?いるのね?(ニヤニヤ)』



蘭「いやっ、ちがっ…」




否定しようとしているが、顔が真っ赤で説得力がまるでない


慌てふためいている蘭を他所に、園子が半ば呆れながら答えてくれた



園子「好きな人っていうかもう夫婦ですから」



蘭「園子!!!/////」



『へぇ~?(まぁ知ってるけどね?)
どんな人なの?同じ学校?』




園子「そうでーす!工藤新一っていいまーす!」



蘭「もうっ!園子ったら!!///」








工藤新一



探偵として度々新聞に載るほどの活躍ぶり



今回は調査対象ではないけど…



一応、確認しておこう








『工藤新一…高校生探偵、の?』



園子「そうなんです」



蘭「昔っから推理オタクで…」


『…あれ?でも工藤くんって今日お休みじゃなかったっけ?』



園子「あぁ~…」



蘭「…最近来てないんです
“大きな事件を追いかけてるから”って…家にも帰ってないみたいで…」



『そっか~
まぁ教師としては、学生は勉強すべし、と思うけど

一個人としては羨ましいかも』




好きなことに没頭できて…





蘭「…」


園子「…」



『…え、私…変なこと言った?;』




黙っちゃった…;





蘭「いえ…そう言って下さる人、今までいなかったので…」




『…まぁ、そうだよね
他から見たら、学校をサボってる子ってみられるし…

でも、優秀な彼がただサボるなんて考えにくいし


何か理由があるんだと思う


だから、あんまり落ち込まないで(ニコ)』










そう言って蘭の頭に手をのせて励ます


…“組織”のデータでは“例の薬で死亡”となっていた


家族には死亡の連絡がいっているのかもしれないけど



友人たちには入ってないのね…




『(まだ若かったのに…ごめんね)』




##NAME2##は表情は変えずに心の中でひっそり謝った




守るべき



いち日本国民であった彼に…




可愛い可愛い私の_____







園子「でも連絡は取れてるんでしょ?」



蘭「ん~…取れないことの方が多いけどね」


















ん?
















『…毛利さん、連絡取れてるの?』



蘭「はい、一応…でもこっちからかけても出ないことの方が多くて…・」



『…そうなんだ』








…生きてる、のか…?



それともご両親が演じて…いや、そうしたところで何のメリットももない


むしろリスクの方が高いし


死んでいるならば事実は事実


事実を隠してもメリットはない、はず



なら…本当に生きてる…?






『…(だとしたら“彼女”も…)』






そうこうしているうちにポアロに着いたようだ



道中、上が毛利さんの家だと聞いていたのだが…本当に真上だ;




カラン カラン



園子、蘭、##NAME3##の順で入ると、女性と男性の声が聞こえた




「「いらっしゃいませ!」」




蘭「梓さん!安室さん!こんにちは」






















…ん?(本日2回目)



















あ む ろ さ ん ?









「蘭さん、園子さん!
今日はお2人ですか?」
















この声…





















園子「今日から私たちの先生になった人も連れてきました!」



蘭「##NAME3##先生です」





毛利さんのと鈴木さんが左右に避けると、カウンターに立つ女性と男性が目に入る



…男性の方はよく見知った顔だった








安「……はじめまして!

僕は安室透です」






『…はじめまして


##NAME3####NAME4##です(ニコッ)』
















…お互い潜入中に会うのは、これが初めてだ…
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