第7話 探偵隊の夜想曲






翌朝、再び登庁し西川たちの情報を洗いなおしつつ上がってくる報告書に目を通していた



そんな中、安室さんから「今からポアロに来てください」とメールが来た



…##NAME3##のメイク道具持ってきててよかった…



ポアロの前に着いたので、探偵事務所とポアロどちらにいるのかなぁと悩んでいると、裏路地から安室さんが顔を覗かせた



安「##NAME3##さん!」


『安室さん!』



安「すみません。急にお呼びたてしてしまって…」



『いえ…嬉しいです(ニコ)』



安「では行きましょうか」



『はい』





…安室と##NAME3##が恋人になる前座のようなものなのかなぁ~と思いながら歩いていると、安室が##NAME3##を呼んだ理由を話してくれた



つまり、今日の行動はベルモットに見られる可能性が高いらしい


昨日の任務の時、そうにおわせてきたから念の為、と…



ちなみに組織からの認識では


降谷零≠安室透=バーボン


##NAME1####NAME2##≠##NAME3####NAME4##=パル


となっている




だから組織でもバーボンとパルが一緒でも怪しまれないようにする伏線も含まれているとのこと




毛利さんたちの待つ喫茶店コロンボに到着し、店内へ入る


蘭さんから「##NAME3##先生!?」と驚かれるが、たまたまそこで会ったと適当に答える


毛利さんたちは昼食、安室はコーヒー、##NAME3##はケーキと紅茶のセットを食べながら依頼人を待つ


依頼内容はコインロッカーの鍵しかなく、どこのロッカーの鍵か探して欲しいということらしい



安「そ、それだけなんですか?依頼内容は?」



思わずこぼれた言葉に、同調する


そんなことだけでこの人が依頼を受けるとは思わないのだが…・



毛「ああ!これで30万もくれるっつーんだから、おいしいだろ?」



安「た、たしかに…;」




ところがしばらく待っても、その依頼人は一向に現れる気配がない



安「この近辺にコロンボと言うお店が他にもあるとか?」


毛「ねーよ…ったく、兄の遺品のコインロッカーの鍵がどこの物かを調べるだけで30万もくれるって言うから受けたのによぉ」



『…(何かワケありなんじゃ…;)』



毎度事件に遭遇する毛利さんのことだから…と考え込むが、今考えても起こることは起こる、と諦めることにした


蘭「お父さん、場所をここに変えようってメールにOKの返事は出したんだよね?」



毛「ああ、すぐに返信したしここで待ってるってメールもさっきからしてるけど一切返事がねえんだよなぁ」



『…もしかして、昨夜のメールアドレスと先程のメールアドレス、違うんじゃないですか?』



毛「ん?確かに依頼のメールアドレスが変わってるな…」


蘭「ひょっとして、自分の携帯の充電中とかで友達の携帯を借りてメールを送ったんじゃない?」


安「そしてその友達は携帯の電源を切ってしまった…とか。」


毛「おいおい!返事したのさっきのアドレスのほうだぞ!」


コ「だったら返事が来たのを知らずに待ってるかもしれないね


最初の約束通り、探偵事務所で」










みんなで探偵事務所へ逆戻りしたのだが…



毛「って誰も待ってねーし」



『…』



コナンと安室も気づいたようだが、ドアの鍵穴、テーブルの上…


『…(一度、誰かが侵入してる…)』



蘭「じゃあそのうち返事が来るんじゃない?

紅茶でも飲んで待ってる」



毛「いや、コロンボでちょっと珈琲飲みすぎた…トイレ…」



安「あ!蘭さん、紅茶入れるなら手伝いますよ」


安室が蘭さんと共に台所へ向かう


少し観察していると、安室の視線からして食器棚でも何か違和感があったのだろう…


それを見届けて事務所内を見回す



…他は荒らされた痕跡はなし


ならこの人たちについて調べたかったわけじゃない


と、すると…





小五郎がトイレに入ろうとした時、携帯が鳴る



毛「お、依頼人から返事来たぞ!

たった今コロンボについたから来てくださいって」



『…あら。入れ違いでしたね』


コ「あ、じゃあ僕もついてくからちょっと待って!

トイレだけ先に済ませちゃうから!」



コナンがそう言ってトイレに入ろうとすると、また携帯が鳴る



毛「また依頼人からだ…急いで皆できてくれって」


蘭「皆って、私たちも?」


毛「他に誰がいるんだよ…」




『…あ、すみません。私もちょっとお手洗いに…』



再び携帯が鳴る


…確定、だな



そう結論付け安室へ視線を向けると、向こうも同じことを考えているらしい




安「では、またコロンボに行きましょう!さあさ、急いで!」


コ「早くしないと依頼人の人、待ちくたびれちゃうよ!」


安室とコナンに促され、一行は探偵事務所を出る


『(コナンくんも気づいたの?…ちょっと頭良すぎないか…?)』




コナンへ視線を落とすが、今コナンについて考えても仕方がない、と思い頭から消す



扉を閉めたところで、安室は唇に人差し指を当てた



安「みなさんお静かに


つまり、こう言う事ですよ

依頼人を毛利先生に会わせたくない人物がいて、場所変更の偽メールを送り先生を追い払い、無人になった探偵事務所でその依頼人を待ち伏せ、探偵事務所の人間を偽って落ち合ったんです」




毛蘭「「えぇ!?」」



『…鍵穴をこじ開けたような痕跡がありますね…』



安「さすが##NAME4##さん

台所の食器棚の中にわずかに濡れたティーカップが入っていました

蘭さんの性格からして、濡れた食器をそのまま食器棚には仕舞わないでしょう?」


蘭「は、はい…」


コ「それにさ、出かける前におじさんがテーブルに落としたタバコの灰もきれいに拭き取られてたよ

これって、僕たちが出かけている間に、誰かが拭いたんじゃないかな?」



『…つまり、誰かが毛利さんたちの留守中に事務所に入り、誰かを招き入れてテーブルを拭き、紅茶でもてなした…ということですか?』




考えられるとすればそうなるが…なぜわざわざ毛利さんたちを追い出してまで探偵事務所でなければならなかったのだろう…




毛「もしかして…そのロッカーの中にとんでもないものが入ってるんじゃ…」


安「さぁそれは…本人に聞いてみましょうか!」



安室はいたずらに微笑み、扉を開けた
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