第一話 潜入開始





『本日から、このクラスの副担任となりました

 ##NAME3####NAME4##です

 どうぞよろしくお願いします。(ニコッ)』






どうしてこうなった











昨夜潜入捜査任務を終えて帰ってきたのに


次の日から次は帝丹高校教師として潜入?







ふざけてる







でも私が断ったら別の誰かになる…なった方が私は楽だ。もちろん。



けど……なぁ………






『(うちでヘマせず潜入捜査を終えられる人材って…私か先輩しかいないんだよなぁ;)』





潜入捜査で大事なのは、まず、相手に不信感を抱かせない完璧な演技力と臨機応変にその場の空気を読み行動する対応力



不信感を抱かせないのは意外と簡単だ



人は人からの好意にいやな気はしない



ハニートラップに通ずるところがある



そして対応力…



こればっかりは経験でどうにかするしかないのだが






いかんせん教えられる人がいない






先輩は絶賛任務中


私も比較的忙しく潜入捜査をしているのでそんな時間はない






つまり






下が育っていないのだ








『(こればっかりは上が下の教育に着目してくれないとどうにもできない;)』






困ったものだ





今に始まった事ではない、が…







ひとまず私の当面の目的は



この職場に慣れること



教師としてはまだまだ未熟なので、時間がある時は他の先生にお願いをして授業を見学させてもらっている



教師間のコミュニケーションにもなるしね




そんなことを思いながら
(もちろん表情には出さずに)


廊下を歩いていると、後ろから私を呼んでる声が聞こえた





この声…





園子「##NAME3##先生!」



蘭「ちょっと今お時間宜しいですか?」










毛利蘭






鈴木園子…







今回の私の任務は



帝丹高校に潜入し、クスリの取引現場を押さえること



最近“バラ”という麻薬が米花町で流行ってきているらしい



バラの由来はクスリの見た目がバラの花にそっくりだから



幻覚や快楽を味わえるものだが、特徴として“自分にとっての理想図”が幻覚として見られるらしい



ただしそれは末期症状の現れ




そこまできたらもう戻れることはない





そんなクスリの出元が帝丹高校の教師である可能性が高いらしい



監視カメラに映った人物がそうだというならそうなのだろう



そしてこの毛利蘭と鈴木園子の理科を担当する教師の可能性が高い…



教師に直接アプローチしつつ、生徒の方にも情報を流して…




焦らずゆっくり…







追いつめてやる







頭の隅で物騒なことを考えつつ、表情は笑顔



嬉しそうに装って蘭と園子の意見に同意する







『えぇ、大丈夫ですよ(ニコッ)』



蘭「先生、放課後お時間空いてますか?」



『放課後?
 空いてるよ?』



園子「じゃあ!3人でポアロに行きませんか!?
喫茶店なんですけど、すっごくおいしいんです!

親睦会も兼ねて是非!」



親睦会って…笑



『えぇ、是非
この町のこと色々教えてほしいな』



蘭「じゃあ決まりですね!
放課後になったら職員室に行きますから!」



『楽しみにしてるね!』







にしても…



喫茶店のポアロ、ねぇ?











どこかで聞いたような?
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