第六話 また潜入
『と、いうわけで…“理科”の担当として舞い戻ってきました
##NAME3## ##NAME4##です
改めてよろしくお願いします(ニコ)』
体育館の外にまで声が届いているのでは?というくらいの大声でみんな驚きつつも嬉しがってくれていた
つい3日前、私の離任式をと集まった体育館で鈴木園子を狙った犯人が立てこもった
そしてそいつは西川・上野と同等の地位を得ている男の様で、##NAME3####NAME4##のこともあいつらから聞いていた様子だった
こいつが“窪倉”か?と最初は疑ったものの、窪倉は最初にパルとして出会った鈴木浩平に“バラ”というクスリを渡していた男…
地位的には下の方だろうから、コイツではないと結論付けた
そして男子生徒の1人を撃ち負傷させた
幸い急所は外して撃ったようでかすり傷で済んだらしい
…血は結構流れたみたいだが
その男性生徒も今日から復帰らしい
そして公安警察として動くのはマズイ立場であった私が…校長の「同じ警察なのに」という言葉でスイッチが入ってしまった
まぁ上司はその場で私の身体能力を披露することは許してくれたので安心して逮捕できたのだが…
思わずムカついていて放ってしまった「警察官なもので♡」発言は“安易”だと叱られてしまった
……もっと冷静になる様に頑張ろう…
そして窪倉という男の詳細はまだつかめていない
結果、情報収集の為高校教師・##NAME3####NAME4##として再び帝丹高校へ舞い戻ってきたワケだ
まぁ個人的にも会いたい人がいる
高校生探偵・工藤新一
組織のデータ上は“死亡”となっているにも関わらず、未だに在校生名簿に名前はあるし、幼馴染の毛利蘭と頻繁に連絡を取っているようだ
…彼、私の事覚えてるかなぁ?
そして気になったのが
江戸川コナンくん
なんせ工藤新一くんの幼少期に“そっくりだ”
メガネでだいぶ印象は変わっているし、雰囲気も喋り方も仕草も子供そのもの…
でも
潜入捜査官なんてしていると、人の“視線”や“目の色”に敏感になる
彼は明らかに“ただの”小学生じゃない
あの“目の色”は…
例えるなら、何かを必死に守ろうとする人の目
この平穏を、目の前の人たちを守ろうとする男の目
降谷さんも潜入捜査をしているから“ただの小学生ではない”と勘づいているみたいだけど…
そう、いうならばこれは“女の勘”、もしくは“刑事の勘”に近いのかもしれない
“あの子は普通じゃない、注意しろ”と…
まぁ何も始めるにも、まずは情報収集が先だ
早く終わらせて、警察庁内の仕事に専念したい…………………
………………………無理か