第五話 西川先生
一発の銃声が体育館に鳴り響く
「「「「きゃあぁああああああ!!!」」」」
男子生徒「うっ…うぅ…っっ!!」
犯人「はっ…動くなっつってんのに立ち上がるからだ…バカが…」
男子生徒が撃たれうずくまる
犯人は1人
だが仲間がいるのかもしれない…
鈴木園子は犯人の後ろで縛られて怯えている
今の発砲で他の生徒たちにも緊張感に包まれた
ツンツン
コソッ
校長「##NAME3##先生っ」
教師たちは全員後ろ手で縛られているため、身をよじらせ近づいてきた
コソッ
『…落ち着いて下さい
今、捜査一課が周囲を取り囲んでいます
じき、解決するでしょう
(それより…かすり傷とはいえ生徒をあのままにしておくわけには…)』
校長「##NAME3##先生ならっ
あいつらを捕まえられるのでは…っ」
『…残念ながら私は「なぜですかっ同じ警察なのにっ!!」…!』
確かにそうだ…
警察庁は国の為
警視庁は国民の為
でも目的は一緒…
日本に住まう人々の為
コソコソと話していたからか、犯人が少しずつ近づいてきた
犯人「おい。何コソコソ話してんだ?」
『…い、いえっ!
何でもありません…っ』
怯えたフリをし、犯人から怪しまれない様演じた
が、怪しいヤツと確定していたらしく銃を突きつけられる
『っひ…っ』
蘭「##NAME3##先生!!」
犯人「##NAME3##?
あぁ…お前か?
上野と西川が言ってたカモってのは」
上野と…西川…
『っ先日お会いしましたが…』
犯人「…なるほど?なら上野たちと連絡取れなくなった原因ってのは…お前のことらしいなぁ?」
グリッと銃がめり込む
…痛いじゃないか…
『…あなたは西川先生たちの…っ
お友達、ですかっ?』
犯人「…ははっ!お前面白いなぁ?
…まぁ“お友達”ではあるがな…
そのお友達と、あのお嬢さんを交換させてもらうのさ」
…なるほど
『…っ1人で…できるとでも?』
犯人「あぁできるさ…“今は”俺1人だけどな?」
『(今は、か…)』
ならばここの制圧はこの男を仕留めれば済む
けど…
この男の口ぶりからして、コイツ、上野、西川他にトップと呼ばれる者が他にもいるってことだ…
今、コイツの交換条件を飲むか…
わざと応じて泳がせるか…
私なら…
いや、“降谷さんなら”どうするだろう
ブブッ
降「##NAME2##」
『!(あぁ、そういえば無線機無理やり持たされたんだっけ…)』
朝、家を出たら目の前に上司が立っていて、家に押し戻されたのだった…
降「まだ組織全員を捉えたわけじゃない。念の為、これを持っとけ」
『…無線機、ですか?』
降「小型だし、お前は髪が長いからな
髪で耳元を隠せるだろう?」
『…いやでも必要な「持っとけ」…でも「持っとけ?(ニコ)」……………わかりました』
ということがあったのだ
あの人はなんだろう
予知能力でもあるのだろうか…
降「そのまま聞け
実はお前の無線機には盗聴器も仕組まれててな
話は全部聞かせてもらった」
…いや私は盗聴器の所を詳しく聞きたい…
降「お前の事だ
逮捕か泳がすかというところまで結論付けただろう
“ゼロ”の立場を考えたうえで、な」
…あぁほんと…
降「俺から言うことは1つ
“日本を守れ”」
…心底尊敬するよ、降谷さん
『了解』